■Q.最近離婚をした。子どものことで悩んでいる■
経過:息子の友人A君が(趣味の練習で)毎日のように家に来るようになった。妻は、A君を溺愛。私は近所の目や世間体があるのでやめてほしいと伝えたが、彼女からすると「自分の息子みたいな感情」。私自身が「うちはうち、よそはよそ」と言ってきた手前、強く言えなかった。家の中で私が排除されているような状態。その状態を私の両親が知ることなどもあり、離婚へ。
β関西活動報告 : '13 5/4 関西定例瞑想会@マーヤーデーヴィー精舎 より一部を引用しました。以下は同ページの音声ファイルよりメモしました。
回答(スマナサーラ長老)
その質問は、だれかうるさいおばあちゃんからのアドバイスが必要な状態です。仏教のところまで行く必要はありません。
あなたも中途半端だった。誰か一人だけが悪いと言うことは成り立ちません。
誰でも不完全。どこでどんな失敗をするか誰にも、自分にもわかりません。
ある人が、母性本能で生きていて、それをダメだと言うことはできないでしょう。ずっとそういう精神状態で生きているんだから。
女性は、男性と違っていろいろな変化を経験しなくちゃあかんでしょう。
すごくややこしい、苦しい、いろんなことがあって、自分の心を変身させなくてはいけないし、それで女性と言うのは生まれて年を取って死んでしまいますから。男はずっとやんちゃで通じる。小学校から、大学、会社でも、そのままやんちゃでも通じる。女性はそうじゃない。かなり精神的に変身するステージがあります。
だから、母親として変身したときに、ちょっと管理ができなくなって、自分の子供と同じくらいの子を見るときに、自分の子みたいに思ってしまってもね。
そういうふうに、人間と言うのは不完全ですから、やったことが正しいか間違っているか結局わかりません。
あなたもわかっていると思います。
もし「間違ってる!」とはっきり感じていたら、その問題を攻撃して終わりにしちゃうでしょ。「しょうがないな、気持ちが分かるな」という思いもあったし。
仏教からのアドバイスは、「あなた今日からどうするのか?」ということです。
過去は扱うことないんです。「今日からどうするのか?」
「今日をしっかり生きてみる」ということに決めてしまえば、「さみしい」とかそういうことはね。自分で決めたくせに。今更何よ、と。
また元に戻って考え直す、とか。女はそうしませんよ(笑)
女であろうが男であろうが、「今日だけは文句を言われないように生きてみるぞ」「今日は楽しく生きてみるぞ」と、「今日」なんですね、すべての問題は。
ブッダの答えは、「今日は明るく生きてみなさい。今日だけ」
それだけなんです。
ほかにあなたには関係ないんだ、と。
長男が今日遊びに来たら、もう大人の男でしょう、二人で楽しく過ごす。
中学生の子供が遊びに来たら、めちゃくちゃ遊ぶ。
明日も来てほしいとか、それは余計な考えです。
いかに、今日を『検閲』するのか、ということです。
たとえば中国では、公の発言は検閲をされるでしょう。政府によって合法的にカットされます。
アメリカや日本では、「違法的に」裏から検閲されます(笑)
そういうふうに、今日のことを検閲する。昨日のことで一時間悩んだら、その分の時間を無駄にしましたから違法です。今日から、「一時間」を盗んでしまったことなんです。
俗世間の問題と言うのは、腐っている、生ゴミだから、答えがないんですよ。
例えば、あなたの態度が悪かった、奥さんの態度が、とか、わからないでしょ、結局は。
あなたにしても、「若い子が家に来るのはダメ」と言えないし、それで放っておいたら奥さんが調子に乗りすぎちゃったしね。
逆にそれを大きな心で見るくらい、あなたは男らしくなかったし(笑)どちらが正しいか分からないでしょう。
あなたが隊長になって、みんなをまとめればよかったのにね、男らしく。
だいたい、自分の息子よりも他人の息子の方が管理しやすい。
正しい答えはないし、犯人もない、何もない。有罪と言えばみんな有罪で、無罪と言えばみんな無罪です。
人間はもともと不完全だから。誰の判断でやったことでも完ぺきではないんです。
そう思うと気が楽になると思いますよ。
人から正しいことはあまり期待しない。
失敗しても、まあいいやと。
逆に、人が正しいことをしたら、ビックリだ! と思う。
そういうふうにビックリするのは楽しいんですよ。信じられないでしょ、人が正しいことをするなんて(笑)
私はびっくりします。これは摩訶不思議、と。よりによって人が正しいことをしたよ、と。
皆様が失敗するのは、他人から正しい態度を期待するんですね。これはあり得ない。
もし人様が正しいことをしたら、ビックリしちゃえばいいんですよ。
こういうふうに見方を変えることと、検閲能力ですね。
今日だけですよ、人生は、と。思う存分、楽しく生きてみるぞ、と。
これが仏教的な答えです。
まだいろいろと、おばあさんたちに聞いてみてください。いろいろと言ってくれると思いますよ。それであなたもしっかりすると思います。
だいたい人間と言うのは、女性の声にかなり洗脳されていますからね。
私にしても、女性から厳しく言われると、やっぱりその通りにしてしまいます。洗脳とは知っていますよ。知っているんだけど、母親に育てられた肉体を持っているから、まあ女性の声に反対すると言うことは難しいんです。
女の人も同じことで、何かあったら、年上の女の人にムチャクチャ言われてみるでしょ。
それは男も女も同じことですよ。いつでもおばあちゃんに決まっています。関西のおばあちゃんが一番です。あんな怖い存在はね。(爆笑) 見た目は怖いんだけどね、根っこはものすごく優しいんですよ。
だから、ぼろくそに言われるのはものすごく効き目があります。
そういうところで、話を聞いてみるとしっかりすると思いますよ。
その後で、私のアドバイスをやってみてください。