ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

年をとってくると、時間がたつのが早くなっているような気がします【理性的な時間術】

質問「年をとってくると、時間がたつのが早くなっているような気がするのですが……?」

回答(スマナサーラ長老)

 関西定例瞑想会 2007.06.17

http://www.voiceblog.jp/najiorepo/372488.html(音声ファイル<下>よりメモしました) 

 

残り時間が少なくなってくると焦りますね。

わたしも焦りますよ。誰かが来てわたしの時間を取って行ってしまうことがあると。

わたしの個人的な場合でも、やらなくちゃいけない仕事はものすごくあります。だから一分一秒、計算して使っています。

 

やっぱり人間と言うのは、時間を無駄にしない方がいいと思いますよ。

その時その時のやるべきことを、たったったったと、やっていかなければ。

 

時間の感覚も、人それぞれで決まっていません。年取っている方々も、一日が長くて困っているという人もいます。やることがなくなっちゃうと時間が長いんですよ。やることがあると時間が短いんですよ。

やることが多すぎると、あまりにも焦って病気になってしまいます。やることがなさすぎると、怠けちゃって、退屈で。

 

そこで中道をとった方がいいんです。自分にできる範囲のことをこれくらいやろう、と。

 

わたしのやり方は、いろんな仕事が入ってきますけど、スケジュールを見て「時間があるのか?」と。それで時間が空いてなかったら、「できません」と何のことなくカットするんです。

「午前中ならどうですか?」と聞かれたら、「午前中は自分の時間ですから」と断ります。

なぜならば、一日は24時間です。その中でやれる仕事と言うのは決まっています。

 

だからたくさん仕事を抱え込まないこと。(無謀な)夢を持たないことです。

課長になりたい、部長になりたい、社長になりたいと思っても、なれる場合となれない場合がある。何年間か頑張ってみると、(可能性の有無が)見えてきますよ。

そこで、落ち着いた方がいいんです。

 

なぜなら、やりたいことはたくさんあるんだけど、時間と言うのは一本しかないんですよ。

何やっても時間を使っちゃうんです。そこが問題なんです。

 

時間一本の上で、自分がやりたいことを並べなくちゃいけないんです。

そうすると、結構やりたいことを落とさなければいかんです。

 

たとえば子供の例でいうなら、勉強もしたいし、ギターも上手になりたい。バンドも作りたい。一個一個は決して悪いものじゃないでしょう? でもこの子供にも、時間だけは一本なんです。

なんでも欲張って入れちゃうと、勉強もろくにできなくなるし、ギターも、バンドもうまくいかなくなって、時間が無くなって、もう大人になっているんです。全部希望はつぶれています。

 

そこで理性で考えたならば、「どちらかに決めるぞ」ということになります。勉強はあまりできなかったかもしれないけれど、みんなに結構好かれるバンドを作っているかもしれません。あるいは、バンド作る夢は捨てちゃって、勉強をとったなら、ある程度勉強はできているでしょう。何かを得ているんですよ。

 

人間っていうのは妄想するんだから、理性はないんですよ。あれもこれも、やりたいと思っちゃいますよ。

 

たとえばね、一時間あるからと、テレビも見たい、ラジオも聴きたい、本も読みたいというのは成り立ちませんね。3つもやったら1つもやっていないことになるでしょう。だから生産性はゼロになるんです。

 

そこで本を読むぞと決めて読んだら、本はちゃんと読んだことになる。

そうなってくると焦りはないんです。その人に焦りはありません。

 

それは年の問題じゃなくて、われわれの理性と論理性の問題。

 

とういうことで(笑)、頑張ってみてください。

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