(ブッダの性格診断【前編】から続きます)
われわれは怒っただけで人を怒鳴ったりはしません。
怒ったら一人でこらえるんです。頑張るんです。「もうどうでもいいや」と思ったら怒鳴るんです。
だから巨大な無知の上に、何か小さな怒り・欲の火種が現れたらとっても怖いんです。
無知そのものがガソリンだと思ってください。
怒りの火種、欲の火種に恐怖を感じるよりは、われわれは24時間のほとんだある無知に恐怖を感じたほうがいい。これがガソリンですよ。
無知は隠れて、「悪いのは自分じゃない、怒りと欲だ」と言うんです。
たとえば無知と言うガソリンの上に怒りの火種が落ちた。それで巨大な炎になる。そこで犯人扱いされるのは怒りの火種です。
ガソリンは隠れているだけ。
欲があっても理性があれば、危険なレベルまで上がりません。「ちょっと困ったな」程度で済みます。
怒りがあっても理性があれば、ちょっとまずいなレベルで終わります。
どんな犯罪もそう。
はい、結論を言います。
皆様方は大きな誤解をしています。「わたしは怒り型、欲型だ」と。
問題は怒り、欲じゃなくて、無知なんです。
理性を育ててください。
それはすごく気分がいいんですよ。怒らないでいるよりは、理性でいるほうが気分がいいんです。
それで怒りは制覇するということになるんです。理性なんです。
たとえばパッと怒った。そこで理性で対処する。理性で何が起こったか分析する。
理性を使うと無知が弱くなるんです。
やがて無知が消えたら悟りに達しているんです。
本当の問題は、われわれの性格の中で、色も形もない無知なんです。
見つかりっこないんです。
たとえば10万人くらい人がいる中に、一人のタレントさんが来た。その一人のタレントさんはすぐ分かるでしょ。「あ、来た来た」と。
つまり一人のタレントさんは、怒り・欲。その他大勢は、無知。どちらに力があるかと言えばその他大勢に力があるんです。
タレントさんは舞台で動き回りますけど、動かしているのは? その他大勢なんです。その他大勢からのお金で、タレントさんにお給料が払われます。
その他大勢は自分たちがタレントさんを動かしているとは思わない。「タレントさんのパフォーマンスのおかげで元気が出ました」とか、自分たちが原因とは思わない。
無知の仕組みはそういうふうになっています。
24時間で計算してみると、ほぼ24時間無知です。寝ているときの夢も、ほとんど無知です。夢で、楽しかった・怖かった、というのはまれな夢です。毎日夢を見ています。何を見たかとは覚えていない。
なのに自分では、「わたしの性格は無知です」とバッジつけたくないでしょ(笑)
これじゃ性格が直りませんよ。診断が間違っていますから。
無知の治療は、理性です。
皆様方は毎日ふざけて冗談言ったりして生活したいでしょ? それには理性なんです。だから皆様の明るさが消えるわけではないんです。
理性を育てれば明るくなります。その明るさは欲じゃないんです。
お祭りに行く、友達と遊びに行ってご飯を食べる、それはクタクタに疲れます。欲で動くと疲れるんです。
理性の明るさは疲れません。欲の明るさではありません。でもものすごい活発。いつでも論理的に「こうなったらから、こうなった」と追跡しなければいけないからね。
人の言ったことに冗談で返したいと思ったら、理性で考えなければいけません。ただ感情で言い返したら大変なことになりますから。
そういうことで、わたしたちは理性を育てることに頑張ってください。それで感情が引っ込むんです。
つぎ、ヴィパッサナー瞑想については、そのうちにわかると思いますよ。シンプルな方法で教えますから、そのシンプルさからは抜けないでください。
シンプルであること、そこをすごく大事にしてほしい。そうするとあまり脱線はしません。
(おわり)
関西定例瞑想会 2009.01.18
http://www.voiceblog.jp/najiorepo/759135.html 音声ファイル・上よりメモしました)
関連エントリ:
- 貪瞋痴の分け方(無知)
- 貪瞋痴の分け方(欲と怒り)
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