(この世はなんで問題だらけ?(ブッダの治療法1)より続きます)
だから問題が起こるはずがないんです。
われわれは社会の決まりを破ろうとはしない。法律を犯そうとはしません。
税金払えと言ったら払っている。消費税は、私は払いたくないけど一応取り上げられている。なぜなら私は、消費税は人権損害だと思っているんです。消費税を取るなら税金を取ってはいけないんです。所得税は、公共システムの中で生きているんだから働いたお金の(たとえば)25パーセントを払いなさい、というのは構わない。わたしのところにあるお金は、政府に税金を払ってから残った、個人のお金なんですね。
消費税は、弁当を買うなよと言っているでしょう。買うならば10パーセント払えと言うのはなんだこれと。頭が痛くてバファリンを買おうとすると、「ダメだよ、10パーセント払いなさいよ」と。
人間が消費してい生きているんだから、その一番弱いところを狙って攻撃するのは、哲学的に考えれば「生きる権利がないんだよ」と言われているということなんです。弁当にお金を払うのは当たり前です。しかし、あの10パーセントは弁当の代金ではないんです。だからそれはわたしは、基本的に人権侵害だと思っているんです。
税金反対ではない。どちらかにしなさい、なんです。
そういうことで、わたしたちは一応決まりを守っている。二重税金を払っている。
だから世界はうまく行くはずなんです。
個人が悪いことをしてもそんなに大胆なことはできないし。
そこで人類の生き方に問題があるんです。
お釈迦様の違うところは、「人類」ではなくて、「生命」の生き方に問題があるんだよと。
だからこの世に、ブッダの教えに等しいものは、全然存在しないんです。
われわれは人間だから、人間を中心にしてしゃべりますが、お釈迦様は、「生命の生き方に問題があるんだよ」と。
それは何なのか? どうすれば解決するのか? 解決策はあるのか? 調べたその「結果」ですね、お釈迦様の悟り・解脱・涅槃と言うのは。それを提案するんです。
そこで発見した生命に対する真理は、四聖諦。*1
四つの真理なんですね。その中でも世間に対する真理はたった二つだけなんです。もう二つは、乗り越えた世界での真理なんです。
だからちょっと安っぽい言い方をするならば、いくら法律システムがあっても、あなたは助かりません。どんな政治システムがあっても、あなたは助かりません。
あなたにいくら親戚がいても役に立たんよと。あなたにいくら財産が有っても役に立たない。いくら優れた医療制度があっても、優れた哲学者・思考家・アイディアマンがいても、役に立ちませんよ。
どんな宗教がどんな神話があっても、あなたの問題は解決しません。
だから釈迦牟尼ブッダが何を言ったかと、聞かなかったら損します。それは宗教ではないんです。宗教とは信仰の世界だからね。非科学的な世界だからね。科学の世界では信仰はないんです。データ見て、こうであると言っているだけで、データがないのに信じなさいと言うのが信仰なんです。
(ブッダの出す証拠は科学よりキビシイ(ブッダの治療法3)に続きます)
(東京・法話と実践会 2015.04.29 スマナサーラ長老
期間限定公開動画http://www.ustream.tv/recorded/61671391 よりメモしました)
すべての「説法めも」を読むには:
*1:
それでは四聖諦ということを考えてみましょう。
お釈迦さまはこの世の中を四つの理(ことわり)に分けて考えるように説明しています。
即ち、苦(Dukkha)集
( (Samudaya)滅) ( (Nirodha)道) ( (Magga)のことです。)