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Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論

カッサパ如来の教え、衰退の理由|カッサパ如来(4)

サーリプッタ尊者のお見舞い|カッサパ如来(3)より続きます)

そういうわけで、寿命が短いからちょっと間に合わない、ということもわれわれにとってはあります。

 

それで、カッサパ如来の時代は、人間の寿命がすごく長くて、道徳的に完成されていて、道徳を教える必要はなかったから、戒律は説かない。解脱に達する道しか説かない。それで、

みんなすぐ、悟りに達する。

 

説法を聞いて、「じゃあちょっと頑張ってみます」と、十年、二十年はあっという間だからね、悟りますよ。「ちょっと百年くらい瞑想します」と言っても大したことがないんだから。自分たちの寿命の十分の一だからね。

 

しかし問題は、カッサパ如来が涅槃に入られてからは、教えがそのまま衰退して、忘れ去られてしまうんです。

なぜなら、仏教という組織を作らなかったんです。

みんな自由で、真理を分かっているんですね。組織が何もないんだから、哲学だけでしょう。興味がある人が学んで、その息子・娘が別に興味なかったら、そこで止まっちゃうんです。

 

戒律のおかげで、仏教という組織が出来上がります。組織っていうのは個人より結構長持ちします。組織のほうが権利を持っているんです。

たとえば、政府と言うのは組織なんですね。政府にはすごい力がありまして、議員さんというのは個人なんですね。大した力はないんです。

 

そいうことで、組織は、いろいろな問題があっても、なんとか生き延びるんです。

息子がまるっきり仏教を知らなくても、興味がなくても、何百年も続いているすごいお寺でしょ、それは守らなくっちゃと守るんですね。決まり・しきたり、全部守る。組織になったら、組織の寿命は延びるんです。

 

そういうわけで、お釈迦様の仏教を学ぶ、われわれの寿命は短くて、性格は最低に悪くて、お釈迦様の時代から。

言うことを聞かないわ、嫉妬するわ、喧嘩するわ。

お釈迦様の時代でも衣は一着しか持っていけないのに、もらった衣をちょこっと隠しておいたり。欲と執着、ワンセット。それ違反でしょ、組織として。

それでお釈迦様は、「自分がもらったものは10日以内にサンガ組織に渡しなさい。個人財産を持つなよ」と決めなくちゃいけないんですね。

弱いものをいじめたり、脅したりした、だらしない比丘もいたんですね。そういうことで、お釈迦様が、戒律、戒律……と決めて、なんとなくしっかりした、完全な組織が現れたんですね。だから仏教が二千五百年も続いたんですね。

 

カッサパ如来の教えは、組織はなかったので、カッサパ如来が亡くなって、みんな忘れてしまいます。

わたしたちも亡くなったおじいさん・おばあさんのことを真剣に考えるのは一年程度で、それでもほとんど忘れてしまって、命日とかやりますけど、やめられないんだから仕方がないという感じで。寺から連絡が入ってきたら、「今度の法事はもうやりません」と言えないからやります。

 

だから、人が亡くなって十年くらい経つと忘れてしまうんですね。カッサパ如来の教えは、そういうふうになりました、ということなんですね。

なぜ悟れないのか?|カッサパ如来(5)に続きます) 

 

ウェーサーカ祭後日・スマナサーラ長老法話 関西定例瞑想会 2015.05.04(http://www.voiceblog.jp/najiorepo/2152493.html よりメモしました)

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初回から読む:お釈迦様より前のブッダは…|カッサパ如来(1)

 

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