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ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論

いままでの業(カルマ)がどのように消えていくのか?

説法めも 因果法則・業(カルマ)・輪廻転生

質問

「いままでの業(カルマ)がどのように消えていくのかというのを教えていただきたいのですが……」

 

回答(スマナサーラ長老)

起こした行為の結果は、やっぱり結果を出します。エネルギーは無にすることはできません。だから、われわれは無始なる過去からやってきた、善行為と悪行為のどんな行為も結果を出します。すべての行為に結果がありますからね。

 

「若いときにちょこちょこっと悪いこともしました。その悪行為はどうしましょうか」というのは勘違いですよ。一切の行為は業になりますよ。何やっても業になります。

「二十歳のころ親父を殴ったことがあります。その行為はどうなりますか?」とかいう、一個一個だけの話ではないんです。すべての行為は業になります。業っていうのは、それから結果が出ますということです。

 

結果が出る行為は無量にありますけど、結果を出す機会っていうのは、これもまた因果法則です。種があるだけで芽は出ません。条件がそろわないと。

われわれには無量の業があるんだけど、すべて結果を出すわけじゃないんですね。その都度その都度、条件がそろった業が結果を出すんです。

そこらへんはわたしたちに、理解が難しい、理解できない。「なんでこうなるのか?」と自分で疑問に思うときがあるでしょう。それはやっぱり、条件がそろっちゃったんですね。それでそうなったんです。

 

ですから、種っていうのは、一切の種に芽が出る能力があります。しかし、一切の種から芽が出ているわけではありません。

 

ひまわり、あるでしょう。種ばっかしですね。どんな種でもひまわりの芽が出るはずでしょ、植えたら。でも、ひまわり油を作るときは、種を全部取っていっぺんに潰しちゃいますからね。億単位の種子をつぶしますけど、種まきするときは一万個もまかないでしょう。業の場合もだいたいそんなもんです。ほんのちょっとの業しか、結果を出しません。それは法則でどうすることもできません。それを悩んだっても何の意味もないんです。

 

なにかからくりをしようと思っても意味がありませんが、われわれはいつでも清らかなこころでいるならば、特に慈しみのこころでいるならば、悪業は、結果を出せなくなっちゃうんですね。業が消えたんじゃなくて、どうしても出る場がなくなるんです。

 

いろんな種が回ってくると、良い結果を出す種だったら、慈しみでいる場合は環境が良くて、サッと花が咲いてします。慈しみでいること自体もまた、業になりますからね。すごいパワフルな善行為になります。

 

そういうことでね、数えられないほどのひまわりの種を持っていて農業する人は、その中で、まくために一握りくらいの種を選ぶんですね。これはいい種だからまきましょう、他は油作りにまわしましょうと。

 

そのための方法は、仏教では、明確に語られてはいるんです。戒律を守って生活すること、ブッダに説かれた真理を自分のガイドラインにする、常に慈しみのこころで24時間生活すること。それはとても上手な、腕のいい農業家のやり方なんです。農業のことを何も知らない人に種を渡しても、何の結果も出てこないんです。

 

われわれの理屈は通りませんよ。「種をそっちに植えれば芽が出るでしょう」とかね。そうじゃないんです。それが結構、技術が必要なんです。業を管理する技術というのは仏教が教えているんですね。

そんな程度のことなんですね。悪業だけは出てこないように手を打っておくだけですよ。

 

では、ヴィパッサナー冥想をして、無常であるとわかったら、どうなるのか? 

もう、それからは、こころは汚れていないんです。じゃあ、悪業はどうするんですかね? あるんだけど、もう、芽が出る場がなくなるんですね。それで完全に覚りに達したら、悪業も善業も、機能する場が、きれいさっぱりなくなります。だから人が消えたら、業もそこで関係ないんですね。たとえば、ある人に貯金があるとします。その人が死んじゃったら、その貯金全部が自分のものでなくなっちゃう。自分には何の関係もなくなります。ほんの瞬間で。(完全に覚りに達した場合)そういうような働きになります、業は。

 

(関西定例冥想会 2010.03.07

http://www.voiceblog.jp/sandarepo/1082486.html よりメモしました。)

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アングリマーラ長老のBefore&After(写真)

 

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