ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

クライアントの誇大妄想をそのまま通訳していいですか?

質問

「わたしは職業として通訳をしていまして、アメリカ人のヒーラーの通訳をするということがあるんですね。仏教を学び始めると、彼が話すことが彼自身の壮大な妄想ストーリーだという気持ちになってきました。

それで、わたしが彼の言うことを代弁するときに、仏教的に罪にならないように言葉を選んで通訳したほうがいいのでしょうか?

 

回答(スマナサーラ長老)

 

それは、よくないんですね。

通訳の仕事はいい仕事ですよ。人を助けているんだからね。その人の言うことがいいことであろうが、悪いことであろうが、勝手な妄想であろうが、あなたには関係ないんですね。

自分で編集しちゃうと、自分の自我が入っているでしょう。それはその人にとって失礼なんですね。

 

あなたはそのまま、日本語にして言ってあげる。それで大きな問題が起きたとしても、当事者同士の問題であって、あなたは正しい仕事をしたことになる。

 

例外としては、「あなたも何とかしてください」と頼まれたら、通訳者としてではなくて、別の立場で、「じゃあ、こういうことじゃないのか」と言うのは良いんだけど、通訳の基本と言うのは、できるだけ本人が言ったことをそのまま伝えることでしょう。それはプロらしくやってください。

 

余計な感情に巻き込まれる必要はないんです。

 

東京法話と実践会 2015.07.12

http://www.ustream.tv/recorded/67329399 ~1:38:00頃(期間限定公開動画)よりメモしました。

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