ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論

ひとり息子が出家したいと言っています(後編)

ひとり息子が出家したいと言っています(中編)より続きます)

 

お釈迦様は、仏道っていうのは何歳でもはいれるようにオープンにはしていますからね。ただ、やっぱり人間は肉体を持っていますからね。

もし八十歳のおじいさんが出家したいと来ても断れませんよ。しかしお釈迦さまの場合は木の下で生活しなさいと、提供する約束がないんです。「托鉢で食べなさい。着る衣は、捨てたものを拾ってきて縫い合わせて着なさい。病気になったら牛の尿を飲みなさい」

全部タダでもらうものなんですね。

 

約束しない、出家しても。「あれもやってあげる、これもやってあげる」と。現代になってくると何でもやってあげることに変わってしまった。だからえらい迷惑なんですね。弟子をとりたくはないんです。家に子供が生まれたことと同じなんですね。親が子供を作った責任がありますから、親が色々とやってあげなくちゃいかんでしょう。大学卒業して仕事に就くまで面倒見てあげなくちゃいけない。

 

お寺も、出家したら死ぬまで面倒をみてあげなくちゃいけないということになっているんですね。そんな力はお寺という組織にはないしね。だからできるだけ弟子をとらないようにする。

 

お釈迦さまのときは、本当に八十歳で出家した人がいましたけど、その方々は社会で八十歳まで生きていたすっごい大物なんですね。シーラというバラモン人のエピソードは経典にも入っていますね。八十歳で五百人の弟子がいた。弟子たちも若者じゃなくて一人前のバラモン人たちが、シーラさんがものすごい知識人だから、そこに集まっていたんですね。それを、シーラさんが出家するといって学校を解散するんですね。弟子たちも先生が正しいと思う道をわたしたちも行きますと一緒に出家して、たちまち阿羅漢に達しましたから、これは大成功なんです。五百人の弟子たちが一緒に出家したんだから、先生の面倒くらいはみてあげたでしょう。

 

仏道っていうのは、自分のことは自分でできるようになってから入ることができて、年齢の上限はないんですね。下はだめですね。赤ちゃんは自分で何もわからないし。幼稚園児もだめなんですね。自分が何をやっているのかと自分が理解できる年齢からですね。

 

で、自分のことをできるようになっても、親が賛成しなければお寺は受け入れないんですね。子供の場合はお寺にあんまり負担じゃないんだからね。なぜかっていうと、子供の面倒は誰かがみなくちゃいけないからね、出家していようが関係ないんですね。何から何まで教えてあげなくてはいけないから。

 

お釈迦様の時代、両親が病気とか、殺されたりした場合には子供は孤児になるでしょう。その場合には、家が仏教の家であったならば、子供たちをお寺に連れていくんです。

連れて行って出家させます。在家の面倒をみてはいけないという戒律もありますからね。

 

今は法律が変わっているから、子供をそういうふうに受け入れてはならないんです。自分の国では、親の希望もあって出家を受け入れるから法律的に問題ないんです。

ときどきニュースなんかみると、親にいじめられた子供が、とか、悲しくなっちゃってね。そんな子供たちを集めてわたしが面倒見たいと思ったりもするんですね。しかしその場合は、ちゃんと政府認定の孤児院でなければダメ、ということになっちゃう。

 

今は孤児に対する法律も変わっているんだから、昔のように簡単にお寺が受け入れるということもできない。

ここまで(今回の質問に対して)説明することはありませんが。

 

(出家したいという場合)答えがないんですね。よく調べなさいっていうことですね。お母さんは賛成でも反対でもないんだから、よく調べなさい、ということです。

どんな人生でもかなり厳しいんですよ。生きること自体が戦いなんですよ。誰とも戦ってないんですけど。修行することも、相当難しい戦いなんですね。誰も敵ではありません。自分との戦いなんです。

 

わたしが言うのはそれなんです。信があるかないか。それがなかったら、在家でもダメになっちゃう、出家ならめちゃくちゃダメになっちゃう。それを知ったなら、揺れることはありませんね。信が強いなら、自分が選んだ道をはっきりとものになるまで歩むんです。

(終わり)

 

関西定例冥想会 2010.04.04

http://www.voiceblog.jp/sandarepo/1100348.html よりメモしました。

f:id:thierrybuddhist:20150805102050j:plain 

「出家したい!」シリーズ全3回:

すべての「説法めも」を読むには:【目次】説法めも