(寂しい(4)優しさに付いている糸より続きます)
そういうことで、わたしたちは他人を自分の仲間にしたくて、仲間にすることは簡単ですけど、うまくいかない理由は「奴隷にしたい」からなんです。家来にしたいんですね。
友人関係でもうまくいかない場合は、奴隷精神が入っているんです。誰かが、奴隷にしようと、こき使おうと思っているんです。そうでなければ、友達グループというのはすごく固まって仲良くやるんです。お互い心配しあって、助け合って、楽しくやっちゃいます。
だから、対等だったら大丈夫なんですけど。友達っていうのは一応対等なんですけど、それでもトラブっちゃいますね。それは誰かが上に立って、管理しようとするんです。それってすごく嫌なんです。
夫婦げんかの場合も、権力の問題なんですね。誰がえらいのか。誰かが負けたら、いくらか、一時的に収まります。どちらも負けたくないし、どちらも権力を取りたいなら、かなり派手な長持ちするけんかになります。
そこで根幹にあるのは、寂しさ、なんですね。寂しさがどこから出てくるのかと言うと煩悩があるから。それを何とかしなくちゃいけない。
欲しいものがあったら、それを何とか自分が貰わなくちゃ気が済まないでしょう。自分のものにしたい。それで自分が楽しいんです。だから、「あなたってすごくかわいいですね」とかなんとかね、「きれいな服を着ていますね」と言うと、いつでも糸がついているんです。
わたしが女性をほめると結構うまくいくんです。みんな素直に喜ぶんです。なぜかと言うと、糸がついていないんです。
ですから、糸がついてなく人にやさしくしてあげると、人はそこですごく喜びを感じます。相手の要求を満たしてあげましたからね。ツケがないんだからね。なおさらすごく気楽に感じますよ。
そこは、世界では「見返りを期待しないで助けるべきではないか」と言っていますが、あまり効き目がありませんよ。NGOっていうのはなんでうまくいかないんですかね。
いくつか成功するNGOグループもあります。日本人のグループは比較的うまくいきます。それには理由があるんです。日本人には宗教がないんです。煩悩はいろいろいっぱいあるんだけど、別につなげたい糸がないんですね。
あったとしても、「仲良くしましょう」というね。「わたしたちのことを仲間と思ってほしい」と。それは当たり前で、なんのことなく受け入れられます。だから、糸があるんだけどそれは嫌がられる糸じゃないんですね。
他の国々から行くNGOっていうのはものすごく大変です。嫌われやすい。
(寂しい(6)怒りの一人ぼっち、慈悲の一人ぼっち - 瞑想してみる
に続きます)
関西定例冥想会 2010.12.12
http://www.voiceblog.jp/sandarepo/1294974.html からメモしました。
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