(未来の組み立て方(1)将来はわからない より続きます)
知識もないのに、精密機械をいじってはいけない、なんです。
原発と同じなんです。原発に携わっていた人は、世界一、高度な技術があります。日本の原発は世界一安全です、と言っても、今まで世界では事故は二例しかありませんでした。それも一基ずつだけ。
わたしが昔から日本にいて、この言葉を聞くたびにおかしいと思っています。
「世界一の技術」と言ったとたん、これはやばい、これほど危険な言葉はないんだよと。どうして「世界一だ」と威張るんですかね。何か問題があるんです。何かごまかして、だましているんです。世の中をマインドコントロールで、「痛いの、痛いの、飛んで行けー」では成り立たないんです。なんでこの人たちは、「痛いの、痛いの、飛んで行けー」というい法則でわたしたちを管理しているんですかね。
世界一というのは危ないんです。
ただし言い方は、ベターになりましょう、です。よりよいものを作りましょう、よりよい人生になりましょう、と毎日気をつけなければなりません。しかし、「世界一安全」というのは「気をつけなくてもいい」というメッセージでしょう。中身を見せてもくれない。ときどき、原発施設の中で仕事をしている人から聞きましたけど、「最悪だ。安全チェックもろくにしないで、下請けの会社に任せている。そのレポートを見て、はいOK、と親会社はハンコを押すだけ」と。
原子力でしょう、扱っているのは。原子力が体に悪いということは、わかっていることです。
「世界一の原発だ」とどうして威張るんですかね。
なんの分野でも、本物は威張らないんです。覚えておいてください。
わたしたちに将来の企画ができない、ということが証明されています。
ローマ帝国はどうなりましたか? ギリシャは? 世界を支配していたイギリスは、今どうなっていますか?
将来を築く前に、考えなくてはいけないことがあります。「何一つ安定しない」と。
その真理にもとづいて考えなければいけない。
今日と明日は違うんです。今日は今日だけで、二度と再生しない。明日は自分が違う人間で、違う世界だ、とその経験さえなく、どうやって明日の準備をしますか?
世の中でダム計画があるでしょう。何年もかかって、まだ完成しない。
「決めたんだからやろう」とか、「一兆円かかったんだから中止したら損でしょう、それならもう二兆円かけて完成しましょう」と、作ったらどうなるのかというのは、よく本人たちもわからない。
この場合、研究のごまかしや捏造をいっぱいやったんです。それで、ダム計画を決定したんです。
そこに、ある事実が見えますね。
本当に将来のことを考えたんじゃなくて、個人個人の利益を考えたんです。田舎にバンバン国民の金が入ったら、選挙で勝てるぞ、と。誰か議員を当選させるために、税金を払うべきですかね? それでも、ある地方が豊かになるのならいいかもしれませんけど、豊かになったんですかね?
そういうことで、もともとこころが汚れているんだから、科学的にも計画を立てるのが不可能になっています。
(未来の組み立て方(3)原発・4つの疑問 に続きます)
スマナサーラ長老・関西定例冥想会 2011.07.11
http://www.voiceblog.jp/najiorepo/1433804.html よりメモしました。
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