(未来の組み立て方(4)人間に予測能力はない から続きます)
理論的な答えは、人類には将来を推測する能力は付いていないんです。やめてください。
では、神なら?
神社に行って、占い師に行って、将来を尋ねてみたらどうですか?
神にさえも将来はわからないんです。
神を信仰する宗教では、ちゃんと書いてありますよ、将来はこうなる、ああなる、と。そこに、「世紀末に神が戻ってくるんだ」と書いてあります。イエズスもそう言っていたんです。そこで弟子たちが「いつ来るんですか?」と聞きました。するとイエズスは「汝らに告げます。神が再び来ることは見ずに、君たちが死ぬことはありません」と言いました。ややこしい言葉ですけど、わかりやすく言うと、「君たちが死ぬ前に神が来る」と。
イエズスも死んじゃって、弟子たちも死んじゃって、ずいぶん年月が経ちましたけど、神はまだ来ない。
「わたしが王だ」とローマ帝国の領地で宣言した途端、当然、それは反逆罪でしょう。追われますよ。
あるお正月に、東京の成田山へ見学に行ったんです。
たくさんの人々がたくさん並んで警察に管理されて身動きができない。そのときにいたるところに、「神を信仰しなさい。そうでなければ地獄へ落ちるぞ」とずっと脅しの文句を言っている人々がいる。そんなふうにこの人々が調子に乗るのは、周りが仏教徒だからなんです。
もし仏教徒がバチカンへ行って、「神は存在しない」と看板を立てたらどうなるんですかね?
日本人はお正月にお参りに行くくらいの仏教信仰ですけど、それでも性格がいいでしょう? 周りのことを放っておくでしょう。
わたしは外国人の友達と成田山へ遊びにいっていたので、ちょっとしゃべってみようかなと、その脅しの文句を言っている人々と。そう思ったんだけど、その人々は様子がおかしいんですね。ちょっと話ができる雰囲気じゃなかった。
モルモン教の若者たちは日本で布教活動をやっていますけど、わたしを見ると飛んでくるんですね。しゃべりたくて。宗教の人同士なら仲良くしゃべれます。
やっぱり、名前だけでも中身がなくても、仏教の人々は平和なんです。余計なことをしません。あのお寺の方々も、「そんな脅しは冒涜ですからやめてください」と言えばいいのに。そうすれば警察の方も動くのに。そんなことはしなくてね、「まぁ、どうぞ」と。
そういう世の中の出来事はいろいろありますけど、人類にも、神にさえも、将来を知ることはできないんです。
(未来の組み立て方(6)仏教の神々は将来を知るか? に続きます)
(スマナサーラ長老・関西定例冥想会 2011.07.11
http://www.voiceblog.jp/najiorepo/1433804.html)
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