質問
「勤め先のことなんですけど、今年から大きな会社にM&Aされました。それで管理体制が変わって、社員も夢や目標を持つように言われ、それを上司に報告して、面談をして評価してもらうようになりました。
夢を持ったり上司にアピールしたり、今まではそういうことをせずに仏教的に仕事していたのに、これからどういうふうにしていったらいいでしょうか?」
回答(スマナサーラ長老)
あのね、答えは簡単です。
仏教徒は負けたらあかん。
これは仏教の世界というよりは、存続の問題です。たとえば、今後、解脱するとしても、そこまで存続しなくてはいけないでしょう。ただ、生き延びることだけの話です。常識的に挑戦してみてください。
仏教の話が人生の障りになったと言ったら、これはおかしいんです。
会社は、無明で無知の世界でやっているんだから使う言葉が違うだけで、正しい言葉と言うのは自分の能力をフルに活かしてください、ということです。仕事とは、自分の能力で社会の役に立つ、会社の役に立つ、人の役に立つ、自分の役に立つから悪いことじゃないんです。その目的、その目的で、自分の力を見せてやろうではないかとアプローチしてください。
他の人には似ていないんです。他の人よりも頑張れます。向こうが頭がおかしいからといって、こちらには関係ないんです。「怖い欲で妄想で貪欲にやっている大きい会社で、それに乗ってわたしは破壊されてしまう」というのは勘違いです。人が病気にかかっているからと言って、自分も感染しなくちゃいけないというのは違います。感染していない人は病気になっている人を面倒見てあげることもできます。一緒に感染しちゃったら、お互いが病気で倒れるだけなんですね。誰が看病するのか。
だから、会社のシステムでも同じことです。
会社はひどい病気かもしれませんけど、仏教的な社員が、それに感染しないでちゃんと正しく対応する。逆に会社にとっては、その方が助かるんです。そういうふうに頑張ってみてください。
東京法話と実践会 2015.12.13
http://www.ustream.tv/recorded/79709203(期間限定公開動画)1:12:00~1:18:00から書きました。