ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

善行為が成り立つ秘密 - 新年法要2016(8)

「生きる」ではなく「生かす」 - 新年法要2016(7)から続きます)

外に道路がありますね。

そこを掃除しましょう、とする。家の前の道路だったらいくらか個人的な感情がありますから、近所の人が褒めてくれるかもしれません。しかし、大通りの道路だったら、誰も褒めてくれませんよ。大きい道路だから。誰もわたしたちの道路だと思っていないんですよ。そこを掃除するのは悪いこと? 善いことだから善行為ですよ。いたって簡単です、善行為と判断することは。

 

善行為ってなんで成り立つのかと、秘密を理解してください。

行為そのものではないんです。殺生しない、ということではないんです、善行為は。だってよく考えてみれば、「殺生しない」と言っても世の中の役に立つ? 立たないんです。だって死にますから、誰だって。世の中から殺しをなくせる? なくせません。だって肉体の体を持つ生命は、おそろしいシステムにいますよ。ほかの生命の体を殺して食べるシステムになっているんです。

 

菜食・草食動物はいますけど、それでも、植物がいなければ命が成り立たない。

だから、そこは存在欲でしょう。存在欲がある場合は、どうしても他の生命に迷惑をかける。そのなかで、ほかの生き物を殺して食べる生命もいる。人間もそういう生命で、肉食系の動物たちは、殺して食べるんですね。

 

そういうことで、殺生しないということは、生命に対してみれば、大したことはないんです。

しかし、殺生をやめることが善行為なんです。素晴らしい善行為なんです。なんでそこが善行為になるのか、秘密を憶えてください。

 

それは、自分に対する執着を、制御する・管理する・控える。

あのところで善行為になって幸福になる。あのエネルギーなんです。人間にしても、殺生しないという戒律は自我愛があり過ぎになると、できないんです。自分に対する愛着をいくらか減らさないと。

 

悪行為は愛着から生まれる - 新年法要2016(9) に続きます)

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スマナサーラ長老-新年祝福法要@マーヤーデーヴィー精舎 2016.01.17

https://www.youtube.com/watch?v=lRWqbF9hFBs より書きました>

目次8‐講演会/お釈迦様のエピソード・ほか - 瞑想してみる

(新)【全目次】説法めも