ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

マハーカッサパ大尊者へのお見舞い - 新年法要2016(12)

危険な祝福とは - 新年法要2016(11) から続きます)

それで今からお経をあげますけど、お経の中でブッダの言葉を唱えるんですよ。

皆様にはパーリ語だから意味が分からないのはしようがないことで、もし意味が理解できれば、ものすごい幸福になるんですよ。

 

理由は、存在欲をいかに減らすのかという経典ばっかしなんです。 

今日唱えるのは、マハーカッサパ尊者が病気になったとき、お釈迦様が唱えた経典を読み上げます。

 

マハーカッサパ大尊者は、すべての仏教の開祖様です。

大乗など宗派は関係ないんです。お釈迦様が涅槃に入られて、マハーカッサパ尊者が全部まとめて、仏教はこういうことです、と言ったんだからね。その伝統ですよ、みんなが仏教だと思っているのは。だから、並の方ではないんです。

 

しかし、お釈迦様が生きている間は、社会に入らなかったんです。

別のところに、隠れていたんです。お釈迦様も承知の上で。社会活動をするとキャラが出来上がっちゃいますからね。

 

たとえばアーナンダ尊者が、経典を全部覚えてお世話役をやっていた。

アーナンダ尊者から期待するのはそのタイプの仕事なんです。それから、「では、これから教えます」としても、「あんたは別でしょう」と言われてしまう。

 

サーリップタ尊者、モクレン尊者が先に涅槃に入られた。

それって一応決まっていたそうです。サーリプッタ尊者がいたら開祖様になれますけど、その場合は、出家の開祖様になるだけ。仏教全体ではなくなっちゃうんですね。社会で活動していたんだから、キャラが出来上がっちゃうんです。

 

アヌルダッタ尊者は、すごく超能力がありましてね。

そのたぐいの問題があったら、尊者に聞くんですね。お釈迦様を荼毘にふすときに、火をつけてもつけても、火がつかない。燃やすための専用の薪だったんですよ。でも付かない。何か間違っていますか?と考えてもわからない。では、アヌルダッタ尊者に聞きましょうよと。

 

アヌルダッタ尊者は「神々が、火が付かないように邪魔しているんですよ。

神々は別な考えがあるみたいです。だからやめなさい」と。そこへマハーカッサパ尊者が来るんですよ。ずいぶん遅くなっちゃって。マハーカッサパ尊者がお釈迦様の体に礼をしたとたん、パッと薪が自動発火した。

 

もしアヌルダッタ尊者が、仏教をまとめますよと言っても、「あなたは超能力のほうでしょうね」となりますよ。

だからマハーカッサパ尊者が、社会に出て来なかったんです。キャラがないんです。かなり怖いお坊さんだと知られてはいました。おっかない、かなわないんだと。そういうすごい方なんです。

 

病気になっても、一人で、洞窟の中で一人で生活するんです。

托鉢をするときでも、貧乏な乞食の住んでいる村なんかに行くんです。インドにはいっぱいいますから。大きい村には行かない。そうすると、マハーカッサパ尊者か誰もわからないでしょう。そこまで自分を控えていたんです。

 乞食の村にいろいろと情報は行きませんからね。

不可触民族ですからね。

帝釈天やら神々は、「お釈迦様は歳でしょうし、その後をまとめるのはこのお坊さんですね」と思っていたんです。

 

そのマハーカッサパ尊者が病気になった。

そこへお釈迦様が行って、祝福経典を一つあげた。経典が終わると、尊者の病気がすうぅっとなくなって元気になった。たちまちに。

(次回 - マハーカッサパ尊者が治癒した理由 に続きます)

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スマナサーラ長老-新年祝福法要@マーヤーデーヴィー精舎 2016.01.17

https://www.youtube.com/watch?v=lRWqbF9hFBs より書きました>

目次8‐講演会/お釈迦様のエピソード・ほか - 瞑想してみる

(新)【全目次】説法めも