ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

教師としての心構え

質問

「中学教師をしていまして、四月から授業だけでなく、担任を持つことが決まりました。

中学教師としての心構えを教えてください」

 

回答(スマナサーラ長老)

 

子供というのは言うことを聞かない存在だと思えば。

それだけです。

どうしてもいうことを聞かないで、なんかやりたい、と言うのが子供の精神なんです。そこで微妙にちょっとごまかしちゃって、管理しなくちゃいけないんです。それはすごくたのしいことです、結局は。

 

すごく楽しくいてください。

たくさんの子供たちの責任を任されましたと。自分が親にならなくちゃ、子供はたくさんいるんだ、という感じで、楽しいものだと思わなくちゃできないんです。

 

子供が言うことを聞かないでとんでもないことをやっても、こいつらって本当にかわいいなあという気持ちがないとね。

それですごく立派な教師になります。「なんでこんなことをするのかい」と思っちゃうと失格ですね。子供は、そんなことをするんだから。

 

でなきゃ子供じゃないでしょう。

わたしは本気で変だと思いますよ。この間、ちょこっと三十分くらい授業をする羽目になってね。そうしたら子供たちがすごくまじめに座っているんです。

 

だからわたしは「あんたがた変だ」と。

 

何か質問したら答えなさいよと。

どんな変な答えでもいいんだから、別に。いい子ぶろうとしているんですね、わたしの前で。それが変なんです。だから、先生が言うことにも反対したり、自分の意見を言ったり、あれやこれやと言うのが自然なんです。どうせ子供だから、自分の意見を言ってもどうせ大したことじゃないしね。子供の世界だからね。

 

そこを優しく聞いて、「ああ、それはいい考えですね。でもこういうところをちょっと直した方がいいんじゃない」と親の気持ちで、すごく楽しくやったほうがいいんじゃないですかね。

 

理性的な生き方を求めないことです。

それはありえないんです。

 

教師がちょっと弱音を吐くとすごく心配する子供たちもいるしね。

教師が凶暴でなければ落ち着かない連中もいるしね。

どちらにしたっても親のこころでやらなくてはいけないんですね。その気持ちを読んで対応するんですね。

 

教師の基本的なところは、仏教からみると、子供達っていうのは親から学んだものなんですからね。

大人をとにかくだまそうとするんですね。

 

子供は年下だから、生存力と欲が強いんですね。

年取ってくるとどんどん落ちてくるんです。子供のほうが年下だから、生きていきたいという欲と力がすごく強い。だからこれは、弱肉強食の生存法則で、弱いものをやっつけるんです。子供達は悪いことをやっているわけではないんです。それも自然法則なんです。

 

たとえば、初めて教師が教室に入っちゃうと、子供たちがものすごくいろんなことをやって攻撃するんです。

それで負けたらその人の職業が終わってしまいますよ。だから、最初も生存法則で、自分が強者であるということもなんとなく覚えさせないとね。だから従えと。そこもありますね。

 

ときどきね、「わかってないと思っているの。わたしにもその年のときは合ったよ。くだらないことをやりやがっちゃって。調子に乗るなよ」と言う態度で、こちらが強者だという態度をとる。そうすると、裏でいろいろとやっても結局は大人が知っているんだと、子供たちが従わなくちゃと思う。

 

それも五分五分で、かなりバランスを整えてください。

基本的には、自分にまかされた子供達だから、これは楽しいやと、子供を育てるのは。ということが自分にエネルギーになるんです。そういうことで頑張ってください。

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<東京法話と実践会 2016.03.13

http://www.ustream.tv/recorded/84412689

01:14:00~01:20:00頃より書きました。>

 

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