ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論

リストラの不安

質問

「職場に新しい人が来て、自分の仕事が少なくなりそうです。このまま勤められるのか不安です」

 

回答(スマナサーラ長老)

 

クビになる気配がないんだったら、仕事の量が少なくなって、今までよりもっと丁寧に明るく、お客さんから「あの人はすごいなぁ」と言われるように、自分の力量を上げていってください。

 

新しく来た同僚の人には、「よろしくね」でしょう。「何かわたしの失敗があったら教えてください」とかね。

 

だいたい、少々自分を低くして置いたほうが安心なんですね。

「何かあったらわたしに聞いてください」はダメなんです。それは後輩に対してはね、それを言わなくちゃいけないんだけど。

 

一般的にはね、「教えてください」という感じでね。

自分をちょこっと低くしてね、気楽にやって行けばいい。それほど仏教的に答えるところじゃないと思いますね。

 

仏教的に言えるのは、あまりにも仕事に執着しているところはあまりよくないんですね。

物事は流れるんだから、すべて捨てていかなくてはならないんだから、仕事であろうが、命であろうが、すべて捨てていかなくちゃならないんだから、安穏な気持ちでいなくてはいけないんです。

 

物事が変化するたびに「嫌だこれは」と泣くなら、どこまで泣くんですか。

秒単位で何億回も物事が変化するんだから。悩みきれなくなっちゃうんです。

 

だからわれわれは、川の流れを見ているような感じで、海岸で海の波を見ているような感じで、キリがなく変わるわ、変わるわ、変わるわ……。波が出るたびに興奮したり怯えたりすると、どうですかね? やりきれなくなっちゃう。生きていけなくなっちゃうんですね。

 

大きな波が来て、「高い波だ」。次に「ちょっと低い波だ」。「今度は……」とそれだけなんです。冷静に観るしかないでしょ。

すべての物事は生滅変化して変わっていくんだから、われわれは常に冷静でいることを考えなくちゃ。

 

執着がある。それで困るんですよ。

「高い波がほしいな」と思っても、来るわけないでしょう。ちょっと波のない平らな海で……と言うなら、「いい加減にしろよ。あんたの勝手に世の中は動かないんだから」と。

 

そういうふうに「わたし」が自分勝手でいろんな希望を作ると、派手な悩み苦しみが生まれるんですね。

ということは、人生で起こる悩み苦しみは自作自演なんです。

すべて放っておけばいいんです。

 

放っておく能力というのは智慧なので、冥想でその能力を育てましょうと。

 

「放っておく」ことは、一般人にできるレベルの話じゃないんです。

放っておくというシンプルな単語は。

かなり智慧があって、一切は無常で変化しているんだと、わたしも他人も存在するわけじゃないとわかった人の「放っておけ」なんです。

 

そこは、人格を向上して達するべき境地ですが、まねっこしても悪くないでしょう、それでも。本物に達するまで、ちょっとまあ、真似してみる。

そういうことで、日常の変動について放っておきましょう。

 

それで皆さま悩んだり心配したりした瞬間で、「あれ、なんだこれは。なんで悩んでいるのか?」と。

そこで、「あ、執着があるんだ」。

 

変わってほしくないと思っているんだ、と見えるでしょう。それがあほなんですね。

 

質問もそうでしょう。今現在、何事もなく仕事していたのに、状況が変わったでしょう。それで、「ああ、変わってほしくない!」。

それはちょっとあり得ないんですね。

 

われわれはなんのことなく、「変わってほしくない」と、とんでもないあほなことを期待するんです。そこをやめましょうよ。変わるんだよ、物事は、と。

 

放っておくことは、真似するところから始まって、本当に智慧が現れて放っておくことができるようになるまで頑張ったほうがいいんじゃないかなと思います。

 

(関西月例冥想会 2016.3.27)

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