ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

誕生と成道と般涅槃を一日にまとめたワケ - 関西ウェーサーカ祭2016(2)

前回

禅宗のお坊さんは、別宗派のお坊さんという感じが全然しないんですね(スマナサーラ長老)- 関西ウェーサーカ祭2016(1)

 

なんでそんなことを言ったのかというとね、お釈迦様を祝う行事は三つに分けていますね、北伝では。

テーラワーダ仏教になってくると、一年に一回、誕生と成道と般涅槃(はつねはん)の三つを一つにまとめているんですね。なんでその三つの出来事が同じ日に起きたんですかね。考えてみるとちょっとあり得ないんですね。

 

誕生と成道(じょうどう)は、ほぼ、この時期に起きたと思いますね。

歴史的にいろいろと調べると。なぜならば、お釈迦様が生まれたときは、世界で花が咲き乱れた時期ですから、当然この時期なんですね。覚ったときも同じことで。涅槃に入られるときは「季節外れに」花がいっぱい咲いた。

 

「季節外れ」という単語から、おそらく十二月ころの可能性があるんです。

計算してみても、安居を終えてからの三か月後と言うと、その頃になります。しかしよくわからないんですね。

 

お釈迦様が涅槃に入られた場所で、植物が全部花いっぱい咲いてしまったんですね。それが季節外れの花でした。

 

奇跡といえば、お釈迦様の人生には不可思議なことがたくさん起きたんです。

偉大なる人だからね。神々の師匠だからね。当時の人々には、天界の神々を目の当たりに見ることができたんです。いつでもではないんだけど、ときどき見ることができるくらい。その関係はあったんです。友達みたいな感じで。

 

お釈迦様の誕生・成道・般涅槃(はつねはん)を一日にまとめたのは、わたしではないし、これは遠い遠い昔、大阿羅漢たちが結集して注釈を決めて、その時代からの考えなんですね。

 

阿羅漢たちが決めたことだから、何かあるはず。

 

仏教というのは、俗世間の祭を全然気にしないんですね。

興味もない。煩悩をなくすことに唯一興味を持って、それだけで十分だと。それで人々は幸福になるんだと。祭は何ぞやと。インド人というのは、占星術を徹底的に信じるんですね。ブッダはそれを禁止しているんです。お釈迦様がそれを禁止したから、タイ、スリランカミャンマーでものすごく信じているんです、占星術を(笑)。「仏教徒ならホロスコープくらい信じなくちゃダメですよ」と。

 

そんなふうに頑固に占星術を信じる人々の中で、お釈迦様は、「どうして星を信じるのか。自分のこころ次第だ。何かやりたければやりなさい、自分の意欲だけで成功しますよ。星なんか関係ない」と。星占いで期日を決めて行動するということに対してね。

 

それくらいお釈迦様は仏教は迷信的な、信仰的なものには、すっごく拒絶反応を起こすというかね。

理性、真理の、科学の世界だから、そういうものは認めない。何かあるのならば教えますけど、何もないんだから。

 

だから、何年何月生まれたのかということは、あんまり関係ないんですね。

その人が何をやったのか。それが大事なんです。いつ死んだのかとか占う必要はないんです。その人が生きている間にどんなことをしたのかと、それが大事なんですね。

 

ある経典で、人間の社会的階級、カースト、生まれ、そういうものはくだらないとはっきり言っている。

たとえバラモンカースト(一番上の聖職者のカースト)で生まれても、盗む人は盗人だと。人を殺したら人殺しだと、行為で、行いで、生き方で、すべて決まりますよ、とずっとおっしゃっているんです。

 

だから阿羅漢の方々は、お釈迦様は師匠だから、尊敬して礼をする。

偉大なる師匠のために記念日を決めなくちゃいけない。わざわざ「お釈迦様Day」を作らなくちゃいけない。それはお釈迦様という師匠への敬意なんですね。それでウェーサーカの日が決められました。

(続きます

菩薩誕生 - 関西ウェーサーカ祭2016(3)

 

スマナサーラ長老・ウェーサーカ祭 午後法話 mayadevi 2016.4.29

https://www.youtube.com/watch?v=vYomM7Q2ROY&feature=youtu.be(期間限定公開動画)より書きました。

Wesak 2001 spiritual concert

関連外部サイト:

巻頭法話(111)完全智者の現れに因んで 2004年5月

 釈迦牟尼仏陀の降誕・成道・涅槃という、最聖なる出来事をお祝いする、仏教徒においてはこの上のない吉日です。国際的にウェーサーカ祭と認知されています。