ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

菩薩誕生 - 関西ウェーサーカ祭2016(3)

 前回

誕生と成道と般涅槃を一日にまとめたワケ - 関西ウェーサーカ祭2016(2)

 

そこで、どうして三大事件が起こったのかというと、これはわたしの解説なんですけど。

 

お釈迦様は生まれてすぐ言葉を語ったんですね。

それは嘘だろうという考え方もありますが、釈迦尊自身で、「人間は嘘だろうと思うかもしれませんけど、菩薩だけは人間の中で、生まれてすぐしゃべりますよ」とおっしゃっている。

 

菩薩は過去の記憶がそのままあるんですね。能力。パーラミターという修行を積んだんだからね。波羅蜜(はらみつ)というんですけど。そこは全部済んで、自分がしっかりと計画して、意思があって、この日でお母さんのお腹に入ります、と決めて生まれたんです。死んだんだから生まれました、というわけじゃない。

 

たとえば、自分で計画を立てて旅行に出たら、どこで出発してどこに到達したかとわかるでしょう。

われわれは、生きていきたいのに死んでしまうでしょう。だからそのあとどこに行くかわからない。計画を立てていないんです。

 

菩薩の場合は、「これはいい時期だ。お父さんお母さんが揃いました。経済状況もよろしい。カースト的にも全部条件が揃いました。これは生まれる時期だ」と。

神々も菩薩に、「今、人間界に生まれたほうがいいんじゃないでしょうか」とお願いするんです。

 

神々が菩薩に偈で話しかけます。

 

Kālo yaṃ te mahāvīra uppajjamātukucchiyaṃ

Sadevakaṃ tārayanto bujjhassu amataṃ padaṃ.

「偉大なる方よ、母体に入る時期が整いました。そちらで生まれて、一切の修行を終えて涅槃に達してください」

 

それで菩薩も、時期と、両親、カースト、いろいろな条件を考えて、計画的におなかの中に入るんですね。

だから全部そのプログラムを憶えています。生まれてすぐの赤ちゃんがしゃべるということは、この場合、なんの珍しいことでもないんです。

 

ただわれわれには徳がないし、生きていきたいという存在欲があまりにもあってすごく汚いしね、ギリギリまで「死にたくない、死にたくない」とこの世に執着して死ぬから、この世から蹴っ飛ばされるでしょう。

追い出されるんですね、家から。追い出されたらみじめでしょう。普通の生命はそういう輪廻転生です。だから過去を忘れている。

(続きます

「唯我独尊」は事実確認 - 関西ウェーサーカ祭2016(4)

 

スマナサーラ長老・ウェーサーカ祭 午後法話 mayadevi 2016.4.29

https://www.youtube.com/watch?v=vYomM7Q2ROY&feature=youtu.be(期間限定公開動画)より書きました。

The Birth of the Buddha: Proceedings of the Seminar Held in Lumbini, Nepal, October 2004 (Liri Seminar Proceedings Series)

関連外部サイト:

巻頭法話(219) ブッダに帰依する

降誕・成道・般涅槃を祝う今月、気持ちを新たにして、「ブッダとはどのような方だったのか」と学んでみましょう。
これは誰にとっても、何よりも幸福な結果をもたらしてくれます。
ブッダに対して、その教えに対して、興味を抱く人々は、寝ていた人が目を覚ますような感じで、この世でこの肉体を捨てると、そのまま天界に生まれ変わるのです。
これは仏教が語る最高の結果ではありません。最低限の結果なのです。