このブログの検索キーワードに「出家」「出家したい」がいつも上位になっていますので、関連する法話を参考としてご紹介します。
これは日本テーラワーダ仏教協会の機関誌「パティパダー」2016年7月号のQ&Aに掲載されているものです。その一部分を引用します。
Q.「解脱するために出家したほうがいいのか?」
修行する人には、出家向きか在家向きかというものがあるのでしょうか?
あるとしたら、何が基準なのか教えてください。
質問した理由は、解脱という目的を果たすには出家したほうがいいのではないかと思ったからです。よろしくお願いいたします。
A.(スマナサーラ長老)
その悩みは、理論的に合っていません。
例えば、しっかり勉強したい学生は必ずアメリカに留学するべきかどうか、というような類いの質問です。
そんなことに困らなくてもいいのです。今ここでビシビシと勉強していく延長に、「やっぱり、あなたはアメリカに留学したほうがいい」という答えが自動的に出てくるのです。そうすると全部条件は揃っています。
大学側もすごく応援してくれて、こういう大学にいったほうがいいとか、もちろん留学先にも話をつけてくれて、親も「この子はアメリカの大学に留学したほうがいい」と、自然に次のステップを踏むだけです。ですから、余計なことを考えなくてもいいのです。
解脱を目指すことは正しい目的ですが、我々はいまの条件・状況でどれぐらい頑張れるのか? というところを卒業しないで、次のステップを踏むことはできません。
「出家は組織、解脱は個人の仕事」
……組織・クラブに入って上手くいく場合も、いかない場合もありますから、あなたは自分で自分の宿題をしっかりとやってください。その結果によって、次のステップが決まります。……
「自分のこころに騙されないこと」
……こころに騙されないように気をつけて、頑張ってください。……
(引用おわり)
このQ&Aが載っているパティパダー7月号は、協会関連の各精舎・寺院で読むことができます。
日本テーラワーダ仏教協会のゴータミー精舎(東京)・アラナ精舎(大阪)・マーヤーデーヴィー精舎(兵庫)のほかにも各地に所縁のお寺やサークルがありますので、下記URLをご参考にどうぞ……
http://www.j-theravada.net/12-kaiin.html#10
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