前回
ストーカー事件を解決するには?(前編)- 仏教の答えは「病気に治療しなさい」
それと、あまり仏教的ではないんだけど、「この人、ちょっと自分に関わってくる」と思ったら、ちゃんと話し合う。「どういうことか?」と。
それで「あなたのことが好きだ」と言ったら、
「わたしはあなたを好きになりませんけど、そこまで言うのなら考えておきますよ。しかし、わたしはすごくわがままで態度がでかいんですよ。あなた収入はどれくらいあるのか?」
「一応仕事があるんだけど、これくらい……」
「これではわたしの服さえも買えませんからね。月百万円くらいの仕事に変えてください。そうすればお受けします。さようなら」
あるいは貯金を聞いてもいいんです。「二千万円貯金がなければダメです」と。もし二千万円の貯金ができたら、「これをわたしの名義に変えてください。でなきゃあ、信頼できません。もし変えるなら信頼します」と。
これはちょっとあり得ない話でしょう。それでもその人が頑張っちゃったら仕方がないんですよ。立派な人間なんです。信頼してもいいんです。
二千万円を貯金して、その口座名義を相手の女性の名前にかえたなら。それだったら信頼してあげてください。少々性格の気に入らないところがあっても。だって、みなさんも結婚したら相手の性格の気に入らないところが結構出てくるでしょう。それはあまり気にしないでしょう。
だから具体的にはそういう条件をつける。
それで相手が、「そんなことを言うなら殺してやるぞ」と言ったら、その場合は警察に訴えることができますね。日本の警察はストーカーされているんだ、と言っても動かないんですね。日本の状況では、動かないんですね。
自分の国だったらすぐ動く。しかし日本では、若者は皆自由にいるべきだという考えもありまして、男の子も女の子も、ちょっと誘惑するようなことをやっていますから、誘惑されてしまうということもあるし。それを禁止できませんし。だって、誰かを誘惑しなくちゃ結婚できないでしょう。その自由はあげなくちゃいけない。
相手を誘惑してそれから振ってしまったら、向こうが追いかけてくる可能性があるんだから、そこまでは警察にどうすることもできないんですね。
だから物的証拠をしっかり出さないと警察は動かないということはあります。
しかしストーカーは法律違反なんです。
これをどのように証明するのかと。電話とか写真とか、具体的な証拠をそろえて訴える。
殺されるケースではね、これもすごく複雑で、女の人の態度が悪くて、無視したり、わたしが言ったような「金持ってこい」とか嫌いにさせるような条件を付けていない場合は、女性の側で態度を誤ってさらに「殺してやる」という事態になることもあり得る。
ストーカー側が自分一人で妄想をして、妄想をして、「もう相手を殺さなくちゃいけない」と思い詰めたりもする。
愛する人を殺すというのはね、相当病気でしょう。いくらなんでも、一方的でも愛しているんだからね。
(続きます
自分の死は理解できない - ストーカー事件を解決するには?(後編))
スマナサーラ長老・東京法話と実践会 2016.06.12
http://www.ustream.tv/recorded/88196045 (期間限定公開動画)を聞いて書きました。
参考書籍:
緻密な取材で、ストーカーの実像や加害者“治療”の必要性、さらには若者の中に増えている“ストーカー予備軍”の実態にも迫る1冊! (「BOOK」データベースより)