ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

ストーカーされる側に問題は?

質問

「ある人間がある怒りを持って人を刺すとき、両者の不善の心がシンクロしてしまうのでしょうか?

 

ミャンマーの女性のふるまい方を見ていて思ったのは、女性のほうでも、相手のプライドを傷つけないように対応したり、落ち着いているということが、惨劇を食い止めるポイントなのではないでしょうか?」

 

回答(スマナサーラ長老)

 

殺されるとき、落ち着いていられないものなんですね、人間の場合はね。

ギャーとなったり、泣き叫んだり、逃げたりするものなんですよ。

 

女の人は男の人より長生きしなくちゃいけないんだから、自然にものすごい声があるんですね。女の力は声にあるんですよ。「何をするのかい!!」と叫べば、男性たちはビックリするんです。体が動かなくなっちゃうんです。

 

だからそれは、女性が本来持っているエネルギーで、男を呼び寄せるんじゃなくて追い出す力なんです。近寄らないように。すべての女性たちにあるんです。自然界ではオスがメスのことを怖いんです。人間の世界でも同じことです。それは胡麻化したっても意味がないんです。認めたほうが楽です。女が怖いと。

 

女が怖いというのは、男性の立場から見る場合です。別に一般的に女性が怖い存在ではないんです。女性が男性にとって、おっかない・怖い、というのは自然法則です。

 

女性たちが自然についている身を守る力を使った方がいいんじゃないかな、と思います。

声なんです、とにかく。

 

だからグニャグニャ言っている女は、すごく嫌になっちゃうんです。ハッキリ言っちゃえと。どうせあんたのことは怖いんだからとかね。ハッキリ言われたんだからと言ってどうったことはないやと。そうすると自然なんですね。女性が「あのね!」と言っちゃうと、わたしはニコッと「あ、自然の流れだ」と感じちゃうんです。

 

「(弱弱しく)あの、お坊さん……」と言われちゃうと、これは気持ち悪いやと。

わざわざ自分を変える必要はないんですね、女性は。それで結構守られます。

 

わたしたち仏教の世界では、小さいときからお釈迦様の教えで人間を育てているんですよ。

それは文化になっているんだから、他の国には真似ができません。だからこれから頑張ってください。ブッダの教えをちゃんと学んで、日常生活にそれを取り入れて、ブッダの真理によって生活をするということ。

 

テーラワーダの世界では、スリランカでもミャンマーでもタイでも、お互いに家族なんですね、みんな。

わたしがタイの人を見ても、ミャンマーの人を見ても、皆さまより早くこころを繋げちゃうんです。兄弟という感じで。若者だったら自分の息子娘です、なんのことはない。

 

あの気楽さが、他の環境ではないんです。

 

ネパール人のウェーサーカ祭には、どうしてもわたしが行かなくちゃいけないんです。わたしはネパール人ではないんだけど。わたしが行くと、わたしに怒鳴られて、馬鹿にされても、なんのことはなく言う通りにやるんです。そこで、テーラワーダ仏教のグループだから、結局は家族なんです。

 

「あなた方、話を聞いてないでしょう」とかね。まったく別な国の人間がそういうふうに言ったら、ふつうはダメでしょう。でもここでは大丈夫。家族にしているんですね。

 

ストーカーなんてあれば、周りが「なんだこれは!」と。心配して怒って、躾するんですね。

お互いの呼び方も、お兄さん・お姉さん・おじいさん、などなんです。名前を聞いても名前を呼ばずに「おじいさん」と呼びかける。いつでも家族と同じですから、誰だって「おかあさん」と言う。

日本でもその習慣はありますけど、しっかりとした当たり前のものになっていないんですね。

 

そういうことで、いたって簡単に、余計な、法則違反的な感情が出て来ないんです。その連中にも性欲が当然あるんだから、お互いに話し合って一人を決めるということになる。それは周りも応援します。

 

それを他の国々ではあまり期待できませんね。

文化は違うし、生き方が違うし。西洋文化だから、世界中にあるのは。相手を敵として見る文化でしょう? 兄弟文化じゃないんだから。

 

ですから、そういうところで気をつけなければいけないと思います。

(おわり)

 

スマナサーラ長老・東京法話と実践会 2016.06.12

http://www.ustream.tv/recorded/88196045 (期間限定公開動画)を聞いて書きました。

 

社会運動の戸惑い: フェミニズムの「失われた時代」と草の根保守運動

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 (質問部分を聞いて、読みたくなった本。)