前回
なぜ日本で振り込め詐欺が起こるのか - 悪いものが憑いていますか?(中編)
これはケチということじゃなくて、お金に対しては気をつけてください。
現代社会ではお金っていうのはね、ほとんどのことができる許可証だから、大事に気をつけないとね。金に執着するわけじゃなくてね。
今は何をやろうとも、お金を出さなくちゃいけない。治療しようが、弁護士に頼もうが、車を買おうか、弁当を買おうか、お金っていうのは出さなくちゃいけない。
金っていうのはそうやって生きる上で関わりのある、ありとあらゆるものに対する自分の許可証なんですね。
それをうかつに使うというのはあり得ないでしょう。だから金っていうのは生きる為に必要なすべてのものをもらう許可証だと思ってください。
金を数字で数えたりしているから頭がおかしくなっちゃうんです。
権利証、許可証のようなものなんですね。そういうものを持っちゃうと、大事に使わなくちゃいけないというね、無駄に使っちゃいけないということになります。
物語なんかであるでしょう、神様が「あなたに三つの願いごとをかなえてあげましょう」というストーリーがあるでしょう。その中に何か大事な事実が隠れていない? 三つしかないんだからいかにうまくその三つを使うのか、という話でしょう。それで、どんなストーリーでもみんな大失敗なんですね。結局は何もなくなって、元の同じ状態になっちゃうんですね。
あなたの希望を三つまで叶えてあげますよ、というストーリーをすべて読んでみると、みんな失敗しているんです。ストーリーで失敗しないと読んでいて面白くないんだけど、そこで何を言っているかというと、やっぱりわれわれは、少ないものをすごく気をつけて使わなくてはいけない、ということなんです。
金があるからと言って傲慢になってはならないし、金があるからと言って、なんでも買えるぞと思ってはならないし。
あちらこちらに投資しても大丈夫だと、そういうふうに思ってはいけないんですね。いつだって物事は気をつけて管理するものであるとね、そういうふうに思った方がいいんです。その上でときどき失敗するのはね、別に気にすることはないんですね。
誰だって何かしら失敗しますよ。
しかし、大胆な失敗にならないほうがいいんです。貯金が全部なくなった、というのはバカなんですね。ただ財布の中身が全部なくなった、というのはその程度はいいんです。騙されて財布の中身を全部盗られちゃって、それから六キロくらい歩いてくる羽目になっちゃった、というそれくらいの失敗は、笑って終わりますよ。
とにかくそういう失敗が起きたら、それから気をつけてください。
それから連続で、次から次へと起こります。だから一つ大きな失敗をした人が、必ず考えなくちゃいけないこと。これからいろいろと起こりますよ。
なんでですかね?
一つ終わったらもう一つが起こる、ということ。
自分のこころなんですよ。自分のこころが暗くなっているんです。すごく暗くなっているんです。それしか頭にない。「なんであんなことをしたの? なんであんなことをしたの? なんで……」そればっかし。だから次から次へと、全部壊れていくんです。
後悔ですよ。
振り込め詐欺にやられちゃった、と。その瞬間から後悔し始めるんです。後悔の結果は、もう決まっています。
だから頑張ってでも、二日三日で立ち直らなくちゃいけない。
「ああ、そういえばそういうこともありました」
という状態にならなくちゃいけないんです。
「わたしには結構貯金がありましたけどね、この間、振り込め詐欺にあっちゃってね、半分以上なくなったよ」
と言えるような人間にならなくちゃいけないんです。
相手が聞かなくたっても、「あのね、金額がいくらくらいか知ってる?」とか、自分で無理矢理言っているとかね。「これくらいですよ」とかね。
そういうふうに周りに言い触らすところまでなってくると、自分のこころが治っていくんですね。転がらないんですよ、もう。
ショックが大きいから、一日で治らない可能性がありますけど、それでも、環境を変えたり、いろんなところに行ってみたり、いろんなことをしたり、なんとかしてでもね、図書館に行って一日中本を読んでみたりでもいいんですよ。
こころを明るくしなくちゃいけないんですよ。
(おわり)
最初から読む:
振り込め詐欺にあってしまいました - 悪いものが憑いていますか?(前編)
関西月例冥想会 2016.6.19
https://www.youtube.com/watch?v=_HKuPEM2Ze0 を聞いて書きました。
faultをアマゾン検索したらこの本が出てきました。これおもしろいですよ。読むときっと気持ちが明るくなれる。小学中学年からの子供にもいいと思います。
英語のペーパーバック。2013年出版でいまだにAmazonカテゴリベストセラー1位とはすごいですね。