ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

思春期の子供への接し方

質問

「高校生の子がいます。

その子が、イライラしたり怒ったり、母親にもえらそうに言ったりします。いつもイライラしている感じがすごくします。

本人がすごく苦しいんだろうなと思っています。でも、話しても結局喧嘩になってしまうので、あんまり言わないで見守るということにしてますが……。

多感な時期の子供にどう対応したらいいでしょうか?」

 

回答(スマナサーラ長老)

 

男には、一年、二年間くらいそういう時期があります。そのときは放っておいてほしいんです、それだけ。構わないでください。構おうとしたでしょう?

 

そのときの子供はそんな態度でどうしようもない。そのうち落ち着きますからね。

 

その時期の脳の中で変化が起こりますからね。

自分でも管理できなくて困っているところなんです。それは自然に放っておけば、自分で処理するんです。自分で自分の問題を処理しようとしているのに、それ以上の迷惑をお母さんがかけるんだから。

お母さんが、まだ子供だと勘違いして「あれやこれや」と言っちゃうと、うるさくてしようがないんですよ。

言葉も気をつけないでいろんなことを言っちゃう。

 

兄弟げんかをするのは勝手にすればいいんだから、それに誰も割り込む必要はないんです。

年下の子はお兄ちゃんの精神状態がおかしいと理解できないんだからね。それはそれで全然問題がないんです。その分は、年上の男の子が理解するんです。怒鳴ったりぶん殴ったりは、これは良くないと、そのくらいはちゃんと理解する。

兄弟のことは気にしないで、自分たちも放っておけばいいんです。

 

全く放っておいて、向こうが「おはよう」と言ったら「おはよう」で、おわり。

おはようと言わないんだったら、こちらも言わないことにして、「なんであいさつくらいしないの」とは絶対言ってはいけない。

あれは成長の過程で、どうしても起こる出来事で、何年かかるかは人によって違います。

これは半年で終了する場合もあるし、一年で終了する場合もあるし、そこで失敗したらずっと失敗しちゃうんです。

だからいたって簡単。放っておく。全くかまってあげない、ということなんです。

 

本人が大人になろうとしているんです。大人になれないんです。だから結構混乱しているんです。

これは変な言葉で、反抗期とか、英語ではtransitionと言います。移行期ですね。

 

国々でもあるでしょう。

政治不安があって、それから一時的な政府があって、選挙をして、ちゃんとした政府ができて、その間では混乱だらけなんです。

今(2014年当時)で言えば、タイとかね、アジアの。そういう混乱状態なんですね。そのうち収まるでしょうね。

(おわり)

 

法話・スマナサーラ長老 関西月例冥想会 2014.6.01

http://www.voiceblog.jp/najiorepo/2047354.html を聞いて書きました。

Get Out of My Life, but First Could You Drive Me and Cheryl to the Mall: A Parent's Guide to the New Teenager

参考外部サイト:

パティパダー巻頭法話 No.198 (2011年08月)
出家は自由か束縛か
 ~食べ物はこころを清らかにするのか~
 Nutrition of body and mind

http://www.j-theravada.net/howa/howa198.html

子供は徐々に成人になります。思春期も反抗期もあるのです。若者の場合も張り切って修行するが、若い肉体が落ち着いた修行生活に対して反撃する可能性もあるのです。ブッダの時代から、出家してから修行が嫌になって還俗した人々の話はけっこうありました。欲から離れた修行生活をやってみようではないかと頑張ったが、「やっぱり無理だ」という気持ちになったというケースです。

 

参考書籍: 

[新版]13歳へ 13歳のチカラが世界を変える

[新版]13歳へ 13歳のチカラが世界を変える

 

私が「出家」したのは、13歳のときでした。日本だとちょうど中学生の年齢でしょう。中学生というと、反抗期で、難しい年ごろです。――中学生のみなさんにもわかりやすく伝えられるよう、いろいろな例を挙げて解説してみました。ですから、大人の方にはなおさらわかりやすく理解していただけると思います。

中学生のお子さんを持つ親御さんや、先生などにも、ぜひ読んでいただきたいと思います。(「はじめに」より)