前回
そういうことで、現実をちゃんと見て、旦那さんにも「一人で生活できてよかったね。これから元気で頑張ってください」とちゃんと見送ってあげる。
金が欲しければ、しっかりと「金くれよ」と。
男が自由になりたいのは、これは男の精神だと。同時に男は責任を果たすものやと。だから、まともな男になりなさい。これからでも遅くないんだよ。だから、わたしの生活費を面倒見るのはあなたの責任です、と。男らしくそれをやってよと。その上で、「では頑張ってね、男らしく」と見送ってあげて、自分が自分の世界を企画して育ててあげる。
自分の仲間を作ったり、ボランティア活動などをしたり、いろいろできることがたくさんあります。旅行したり、山を登ってみたりとか。ありますよ、いっぱい。健康にもいいんですよ、山登りは。
あなたも独立できてよかった、と思えるように。
たとえば女性の山登りのグループとかあるでしょう。いろんな女のグループがありますからね。お寺周りとか、仏像を見る会とか、そういう何かに入ってね、自分一人で楽しむ。
そういうふうに頑張ってみてはどうかなと思います。
仏教的に理解するところは、過去は絶対戻らない。
人間が不完全だから、だいたいトラブルが起きますよ。起きたら起きたで、それに悩んでもね。どちらの人にも自分を直す気持ちはないんだからね。
それはどうしようもないですね。
夫婦げんかにしても、お互いに自分の欠点は直したくないでしょう?
だからずっと喧嘩する羽目になります。
そういうことで、こころっていうのはすぐ、すぐ、変化するものですよ。
旦那さんのこころが変化したように、あなたのこころもとっくに変化しているんです。
それは、自然に任せちゃうとマズいですね。
企画するんです。
何もほかに任せてはいけません。
自分で企画する。
そして変化の過程を自分で調整して、明るく楽しく生きることをモットーにしなくちゃいけない。悩みませんよ、と。放った過去を、また掘り出しては悩む、また掘り出しては悩む、ということをしてはいけません。
蛇が脱皮したような感じで、嫌なものは捨てる。
蛇の脱皮というのはお釈迦様が使っているたとえで、とても立派なたとえなんです。
蛇の皮なんです。蛇の皮は、役にも立ちますよ。やがて、その皮がいらなくなりますね。そこで脱皮する。すると、新しい皮が、もう用意されているんですね。また、ツヤツヤ状態になりますね。
人間の女性も脱皮できればね、いつでも若々しい肌でいられるのにね。
でもわれわれには、過去を脱皮することはできますね。
わたしたちは、過去を脱皮して、新しい人生を企画して、頑張ってみてください。それから結構仕事があると思います。
あなたに仕事が出てくると思います。仕事というのは、そういう企画を立てたり、あれやこれやと探さなくちゃいけないし、悩んでいる場合じゃないですよ。
じゃあ、頑張ってみてください。
(おわり)
最初から読む:
夫が家を出て行った(1) - ブッダ・ラボ - Buddha laboratory
法話・スマナサーラ長老 関西月例冥想会 2014.6.01
http://www.voiceblog.jp/najiorepo/2047354.html を聞いて書きました。
参考外部サイト:
ジャータカ お釈迦様の前生物語 連載62 「無常を観る者」の物語
人は死に、
蛇が脱皮するように、
己の身体を捨てて去りゆく。