質問
ブッダが初めて覚りをひらかれたときに、縁起を説かれました、と。
無明、生活作用、識別作用、名称と形態、……と続くのですが、一番最初の無明のあと起こる『生活作用』とは一般に生活するときに起きる作用と考えていいのでしょうか?」
回答(スマナサーラ長老)
そういうふうに、普通の日本の方々が理解できる単語では、因果法則は理解できません。
かなり難しいレベルの話なんですね。
これだけは人間に理解できません、難しいんだよ、とお釈迦様が説かれているところなんですね。
学者の方々は、読んでもらうためにシンプルな単語に入れ替えたりするんですね。
それも大変なご苦労なんですけど、結局は元の意味が通じないんですね。
中村元先生さえも知らないんです、因果法則ってなんですかと。
知らないことはハッキリしていますね、先生の著作で。ヒンドゥー教のちょっとしたパクリ、という態度しかとっていないんですね。だからあの先生方は言葉に乗っているんですね。真理は言葉を追ってわかるだろう、と言ったところで、インドの言語だからね。すべての宗教が似ている言語を使わなくちゃあかんでしょう。しょうがないでしょう。
日本でキリスト教を語ろうが、イスラム教を語ろうが、信仰宗教を教えようが、日本語を使わなくちゃあかんでしょう。そうすると、みんな同じだというのはね、ちょっと言語学に間違って乗っているんですね。
そういう問題があります。
じゃあ、これから説明しますからよく聞いてください。
しかしすべてではなくて、ちょぴっと理解できるところだけなんですね。
お釈迦様が発見した真理っていうのは、因果法則なんですね。
それが理解できないんだから、普通、人間に理解できる真理は何なのかといったところで、誰でも生きることで引っかかっているんだから、そこから説き始めたんですね。生きることは苦であると。渇愛であると。だからあなたは生きていきたいと頑張っているんじゃないかな、とかね。それはわかりますね、なんのことなくね。
生きることは大変だ、というのは、あほ以外はわかりますね。
生きていきたいというすごい執着があるでしょう、と言ったら、それはその通りなんですね。これでは苦しみが増えるだけでしょうと。ですから、八正道ということで。
そこから渇愛が抜けたら楽でしょうと。
それからちょっとわからなくなるんですけどね、渇愛から抜けたら完全に安楽・幸福・安穏になりますよと。
「あ、そうか」と。「じゃあ、どうやって?」と、それを教えているんですね。
因果法則は、お坊さんたちが覚りに達して、それから教えられたものです。
お釈迦様は覚るときは、それを発見したんですね。
教える順番では、四聖諦から始めたんですね。
それはハッキリ経典をみるとわかりますね。お釈迦様がわかったことは、因果法則とその逆順であって、それで覚りをひらいて、説法するときは四聖諦という真理四つで説法を始めたんだと。
それで仏教をわかってくると、解脱に達した方があらわれてくると、因果法則も教えていくんですね。
(続きます
スマナサーラ長老法話・関西月例冥想会 2013.12.15
https://www.youtube.com/watch?v=4vsnfGBmmrg を聞いて書きました。
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参考外部サイト:
今月から『因縁』のこと、因果説、縁起説とも申しますが、このことを少々お話しさせていただきます。因果説全体の話となると、それは大変時間のかか る仕事になりますから、今回は修行、瞑想、実践をやっているときに必要な一側面についてだけ、ほんの少し、お話ししたいと思います。ですが因果説というの は、仏教で一番むずかしい教えだそうです。そして同時に大変重要で重大な教えであります。