ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論

親の介護が辛くてしようがない(1)

質問

「母の介護をしています。

わたしが一人で介護をしていますと、怒りが爆発してしまいます。辛くてしようがない状態が続いております。

 

自宅ではなく介護ホームに入れなさいと言われ、探しましたが、入れるようなところは見つかりません。

 

ひとりで看ておりますので、相手の欲望を一身に受けて苦しい……。

うまくいっているときはいいんですけど、かなり厳しい性格の母なものですから、大変な状態になってしまいます」

 

回答(スマナサーラ長老)

 

さっきの質問の答え*1

に、続けて答えて行きます。

 

すべて宿題です。

とくに生命の関係の場合は、自分の過去の業も割り込んでくるんです。われわれは生きているうえで人にお世話になるばっかりで、お返しするつもりは毛頭ないんです。商売やっている人間と同じ、やり方が。商売をやっている人は、自分が儲かることしか考えていないんです。今世の中にあるガラクタを作って、なんの役にも立ちませんしね。みんなもう買ってしまって、古い会社が儲かっただけで。

 

その儲かるだけの人生というのは罪なんですね。

お世話になったぶん、恩返ししなくちゃいけない。

 

命は一人で成り立ちません。

空気が必要だし、食べ物が必要だし、ほかの生命が必要です。命って美しいものじゃないんです。残酷なものなんです。

 

われわれは石を食べて生きていけませんね。

岩も食べられません。身体に鉄分が必要だからといって、鉄の塊をかじったからと言って、吸収できません。それは何かしらの、生命を通して取り入れないと。鉄分が入った野菜を食べなくちゃいけないでしょう。カルシウムがほしいからと言って貝殻を食べてもどうにもならない。やっぱり牛乳を飲んだりしなくてはならない。

 

その分感謝の気持ちを持たなくちゃあかんでしょう。

感謝だけでは足りない。恩返しをしなくちゃいけない。

 

そこで輪廻転生をするうえで、われわれはいろんなものを貸してもらって、お返ししなかったことがあるんですよ。これは必ず返さなくちゃいけない。家族というのはだいたいそんなものなんです。一緒になっているんです。その中で、過去世のことで返してください、という人間が生まれてくる。だからそれも、暗く見てはいけないんです。

 

子供が生まれてくると、迷惑ばっかりで苦労ばっかりの子供も生まれるし、親をハチャメチャ幸福にいてくれる子も生まれるでしょう。

たとえば貧乏な家なんですけど、生まれてきた子供がすごく才能があって、ものすごく有名になって、金持ちになって、親をものすごく幸福にしてあげたりする。それで才能をもって生まれた子が、そんな才能がある徳が高い子だったら、なんで貧乏な家庭に生まれるんですかね? 借りがあるんです。

 それを返しているんです。

 

親にとっては「なんていい子ですか」と幸せを感じる。

それで親にしてみても、過去世で人に尽くしてきたんですね。それで今世ではすごく幸福を感じる、楽しみを感じる。

(続きます

道場 - 親の介護が辛くてしようがない(2)

 

東京法話と実践会 2016.07.24

http://www.ustream.tv/recorded/89905720 (期間限定公開)を聞いて書きました。A Good Life in Old Age?: Monitoring and Improving Quality in Long-Term Care (Oecd Health Policy Studies)

関連外部サイト:

折々の法話 5「パネルディスカッション報告1」

お釈迦様の教えから『介護問題』について考える