前回
はい、二番目に行きましょう。
「世界の決まり」。
グローバル化になっていく現代社会で、注意しなくてはならないことですね。
仏教の場合、遠い昔からも、グローバルじゃなくて宇宙のレベルで真理を語っているんです。
ユダヤ人が教えたユダヤ民族に限った教えだけで世界を語る。あるいは、アラブ人がアラブ民族だけに限った決まりが、世界の素晴らしい教えだと言って、仏教をバカにしてきたんです。
お釈迦様はある経典で言っています。
「愚か者からは、危険しか期待できません」
皆さまが知っている世界で考えてください。
今グローバル社会でしょう。まだまだ仏教までいかなくてもいい。まだ宇宙スケールで生命を考える必要はないんです。
今は、「日本人だ、日本人だ」と言っている場合じゃないんです。
それで世界的にひとつのものになってくるんですね。そうなってくると、新たな条件が出てくるんですね。
各国は、国際法律・決まりを破ることがあります。
これが面倒くさいんです。これで世界の平和さえなくなるんですね。「うちの国はいっぱい金があるんだぞ。だから逆らったらただでは済みませんよ」というあの態度は何なのか。
グローバル社会だから、大国にも他の国にも、同じ権利なんです。
小さな国にぶつかればつぶせますよ、というかもしれませんよ。でも、今グローバル世界だから、それはよくない。やってはいけないこと。世界的に戦争になってしまうんですね。
よくあることですよ。
国際的な中で生きているのに、一つの国だけが威張っちゃって決まりを破る。日本もやっていますよ。国際基準にあっていないものは結構あるんです。
各国は独立国家ですが、世界的な決まりを重視しなくてはならない。
地球スケールで物事を考えるなら、そちらに自由があるんです。これを壊すとやられちゃいます。
世界の平和・調和を守る義務があります。それが自由だと、理解しなくてはならない。
自分の義務を守ると自由なんです。契約・約束すると言ったとたん、自由がないんですが、守ることで安心・安穏、ということになるんです。それが自由なんです。
皆様は世界の決まりはわたしに関係ない、と思っているでしょう?
それは安倍さんの問題であって、と。そうじゃないんです。個人の責任もあります。
情報化社会になったので、個人もグローバル人間にならなくてはいけません。
携帯を、スマホを持っているならば、グローバル人間にならなくては。それが嫌なら携帯を捨ててください。それで契約解除です。
特に日本で見られる現象に、おそろしいものがあります。
インターネットの書き込みの中には、あまりにも個人に執着して、しがみついちゃって、インターナショナルというものが全くないんです。
そうでない他の人々の発言をみてみると、世界に向けて発言しているんです。言葉が正しい、丁寧、批判してもすごくゆるやかで、相手の立場を考えて、意見を批判する場合はちょっとユーモアで、と。
誰にでも発言権があるからと言って、感情にあふれて怒り、憎しみ、破壊的発言はよくない。
非難、侮辱、冒涜はよくない。
発言は世界に向けて発信していると気づく。
この道徳を守るならば、自由にいられるでしょう。
束縛はあるんです。でも悪くないでしょう?
自分の意見を発表するときは、SNS、ツイッターなどに書き込む場合は、これはおそらく誰が読むかわからない。だから世界に向けて発言している。そうすると自動的に、自分の感情、恨み憎しみは、なくなっていくんです。
そこで人格者になっていくんです。
アメリカ大統領の発表とか天皇陛下の発表とか、ローマ教皇の発表とか、そういう方々の発表は、言葉一つ一つに気をつけている。選ぶ単語一個一個気をつけている。発表しているでしょう? 最初から平等な人間だから。自分の気持ちは言っていないんです。わたしたちも今は、そういう大型な人間になるチャンスなんです。
ところが実際は、ハチャメチャ破壊しているんです。
昔は他人を非難侮辱すると大変なことになりました。だって、面と向かって言わなくてはいけないから。今は隠れてなんでも言える。その点は極端な悪で、自分たちがその悪に対してどのように自分を向上させるのか、そのところに自由があるんです。
(続きます
国と国民、それぞれの責任 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(5))
束縛の多い世の中で自由に生きる~本当の自由とは~
スマナサーラ長老法話 2016.07.17
(https://www.youtube.com/watch?v=Q_r3KpWK_JY&feature=youtu.be(限定公開動画)を聞いて書きました)
参考外部サイト:
現代、人間が生きている範囲は狭過ぎます。我々は昔の人間を思うとき、「世界を知らない」と考えていますが、実は私たちのほうが、ずっと狭い社会の中で、また、狭い人間関係の中で生きているのです。少々のことで心が激しく傷ついてしまう原因はここにあります。……