ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

「識の理解」スマナサーラ長老 初期仏教月例講演会 2016.10.01

今月1日に、スマナサーラ長老による初期仏教月例講演会が行われました。

 

講演会告知詳細

【東京】初期仏教 月例講演会「識(ヴィンニャーナ)の世界」~覚りの鍵を開く「識」の運用マニュアル~(スマナサーラ長老指導)

 

当日の実況ツイートは、こちらと……

梛(@jtba_talk)/2016年10月01日 - Twilog

こちら。

梛(@jtba_talk)/2016年10月02日 - Twilog

 

ネット中継録画はこの動画からスタート。

http://www.ustream.tv/recorded/91822824

その後右動画へと、順番になっています。期間限定公開です。

 

識は、十二縁起で三番目に出てきます。

無明 ⇒ サンカーラ(衝動) ⇒ 識(ヴィンニャーナ) ⇒ ナーマルーパ(名色)……

参考:巻頭法話(195) 覚りをひらいてから2600周年*1

 

また、識食(しきじき)といって生きる上での栄養素の一つに数えられます。

これについては、「ブッダの栄養学」(2016.07.02)という講演会でスマナサーラ長老が講演なさっていました。

(現在、この講演会DVDは頒布されています)

 

今回の講演の前半部は識について概念的な解説があり、後半の最後のほうで、ヴィパッサナー実践と識の深い関連について詳細に述べられています。

仏教哲学を学ぶ人にも仏道実践を行っている人にも、双方に貴重な講演内容だと思います。

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ネパールカレー(講演会場ちかくのネパール料理店にて)

 

前回の初期仏教月例講演会の記事:

thierrybuddhist.hatenablog.com

そのほかの講演会について:

目次8‐講演会/お釈迦様のエピソード・ほか

*1:何もありのままに観察しないので、その状況は、「無明」と名付けたのです。無明に覆われている生命に、さまざまな衝動が生まれるのです。それが「」というのです。無明から行が生じるのです。衝動によって、あれこれと考えることをするのです。行から「」が生じるのです。それから体を維持する、心を維持することになるのです。識から「名色」が生じるのです。体には眼耳鼻舌身意という感覚器官が現れて、それに情報が触れる。名色から「六処」が生じるのです。六処から「」が生じるのです。情報に触れると感覚が生まれる。触から「」が生じるのです。感覚があるから生きることに強い愛着を憶えるのです。受から「渇愛」が生じるのです。愛着があると、生きることに執着をする。渇愛から「執取」が生じるのです。それから生き続けるために様々な行為をする。執取から「」が生じるのです。生き続けるために様々な行為をすると、新たに、また新たに生きるという現象が生まれてくる。有から「」が生じるのです。生き続けるとは、限りなく老、死、憂愁、悲泣、苦しみ、悩み、落ち込みなどが生まれることです。生から「老死」が生じるのです。それでお釈迦様は、この過程は一切の苦しみが絶えず起こるシステムであると発見するのです。これこそが大発見です。