<前回 三番目の「ありのまま」とは? - 悲観的にみる癖をどうするか?(3)>
これはひとつのアプローチの仕方ですけどね。
今日いいたいポイントは、物事を悲観的にみる人々はどうしたらいいかと。
やり方があるんです。
悲観的にみる人々は、「悲観的にみません、みません」と言ったっても無理ですよ。脳がそういうふうにできているんだから。悲観的にみるようにできているんだから。
たとえば誰かさんのことが気に入らない。ものすごく嫌なんですよ。これをやめてくださいと言ってもやめられますかね? あの人を好きな人間にしてください、といってもできる? できるわけないと思いますよ。
簡単じゃないんです。
ただ会社の上司のことに腹が立って、会社で十年も仕事をしていて、ずっとその人のことを嫌な人だと思っていて、次の日から「なんてかわいい人だ」と思える? 思えないんです。
それは脳にできちゃった悪循環のループですね。
ループができちゃうとグルグル回る。同じところでいつまでも回る。
脳というのはいつでもループを作っちゃって、これで性格ができて、もう抜けられなくなっちゃう。穴に落ちちゃうんですね。
そこで脳に影響を与えなくては。自分の脳に。
人間はそうやらないんですよ。人間がやるのは人に攻撃する。物に攻撃する。母親が子供に攻撃する。世界を変えればいいやと思っているんです。自分が犯人であることは知らないんです。
だから、ネガティブ的に物事をみる人が、社会に対して多大な迷惑をかける危険人物なんです。
ポジティブ的にみる人も、社会に多大な迷惑をかける危険人物なんです。
両方とも、世直しに行くんですよ。ポジティブにみる人も、自分が好きなように、悪いものはやめさせようとするんです。
一つ例を出します。
万引きする人がいます。皆様はどうみる? ネガティブにみる? ポジティブにみる?
だいたいネガティブにみるでしょうね。
次にとるべき態度は? あなたの友達が万引きする。あなたはその友達に何という?
やめなさいというでしょう。
それなんです。
これは正しいと思うでしょう?
成長していないというのはそういうことなんです。世直しに行くんです。
世直しに行ったんだけど、それでいいかどうかわからないでしょう?
どうみても万引きする友達に万引きをやめさせることはいいことでしょう?
それじゃないんです、正しい答えは。
(続きます
《スマナサーラ長老 東京法話と実践会 2016.10.30
http://www.ustream.tv/recorded/92526227 (期間限定公開)を聞いて書きました。》