《前回 こころは危ない - 最善の選択(6)》
次のポイントを言ってから、話を終了します。
こころの法則がもう一つあるんです。こころが幸せになりたいんですね。
これは証明できる?
実験室で証明できるわけじゃない。物理化学じゃないんだから。
みんなにアンケートを取ってみて。「幸せになりたい? 不幸になりたい?」と。
「幸せになりたい」というのは真理です。
科学的なファクトです。事実です。
そこで判断するのは誰? こころでしょう。幸せになりたいと思っているこころが、なんで幸せにならないんですか。
わたしたち人類は昔、車輪を発見しました。
丸いもので動かすことですね。エジプトの時代に、丸太を動かすことで、あのでっかい石を運びました。なんの機械もなかったのに。それから車輪を発見して。輪っかをね。それから牛車、馬車、さらには自動車を、そして飛行機まで発明した。それから宇宙船まで。いろんなものをね。
なんであんなことをやっている?
幸福になるためですよ。苦しみをなくすためですよ。いたって単純でしょ。
人が行動する動機は、「幸せになること」。
アメリカの大統領にあの頭がいかれた人が選ばれました。
アメリカ人がよくノーベル賞を取るからといって、頭がいい訳じゃないんです。それはノーベル賞を取る能力がある人々が、アメリカに行くからなんです。日本でもすごく天才的な人がいても、日本にいたらただのおじいさんで終わっちゃいます、人生は。お互いに憎しみ合う世界だから。嫉妬しあう世界だから。
それでアメリカの大学の研究所に入ってしまっちゃえば、もともと天才的な人ならノーベル賞を取れます。だからってアメリカがすごいと、そんな判断はできない。
とにかく、人間というのは、「わたしが不幸なのはお前のせいだ」という、あの気持で生きている。
アメリカ人に仕事がなくなったのは、移民が原因だと。移民を追い出すなら、すべてのアメリカ人を追い出さないといけませんよ。
アメリカはネイティブの人々に国を返してあげなくてはいけないんですね。
だから、そういう動物的感情がこころにあるからね。
(続きます
《スマナサーラ長老法話 関西定例冥想会 2016.11.13
https://www.youtube.com/watch?v=FKgZ8djfv40&feature=youtu.be
を聞いて書きました》
参考外部サイト:
仏教講義、6.心の働き (5)私のものはあなたのものでもある (No31)
怒りの話が続いていますが、今月も怒りのひとつの形である「嫉妬」についてのお話から始めたいと思います。嫉妬も、実は怒りなのです。……