ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

なぜ人類の問題は解決しないのか - 最善の選択(8)

《前回  こころのもう一つの法則 - 最善の選択(7)

 

それで、こころが「これが幸せだ」と判断して何かをする。

麻薬をやる人は、麻薬をやることで楽になるという判断でやる。酒を飲む人は、酒を飲んだら楽しくなるという前提でやってしまう。

 

とにかく金さえあれば幸せとおもったこころが、金儲けだけやっちゃう。

よくみてみると、みんなの人生を破壊している。金のために朝から晩まで、夜も寝ないでいろんなことをやったり、いろんな場所に店を持って日本中歩き回って店の管理をチェックしながらね。自分の人生って何もなくなっちゃうんです。金だけはあるんです。

 

麻薬の場合でも、酒の場合でも、何の場合でも。

 

芸術家や小説家がいるでしょう。

立派な小説が書ければ幸せと、自分の人生そのものを破壊しちゃうんですね。自殺したり。耐えられなくなって。

 

立派な小説を書こうとすると、その人はすごく苦労して、頑張らなければいけないんですね。小説自体が、妄想ばっかりの嘘だけど、完璧に妄想するためにものすごくデータが必要になっちゃうんですね。データを調べるために世界中を回ったりして、そのデータをもとに嘘を考える。作品だから。

それで本人がかなり落ち着きがなくなっちゃって、麻薬、たばこ、悪いことをやるんです。

 

では、命を懸けてでも小説を書いて、書いた小説から人類が幸福になるかというと、そうでもない。

 

携帯があるからと人類が幸福になったかというと、全然なっていない。

ポケモンGoを運転中にやって人をひき殺してしまったりという事件もありました。

 

東京のゴータミー精舎にも、一匹、ポケモンがいるんだそうです(笑)。

ある日、人が妙に精舎の外に来ていて、なんだこれはと思ったら、「モンスターがいるんだよ」と(笑)。

 

飛行機があるからと、新幹線があるからといっても、なんかこころが、勘違いしているでしょう?

幸福はこれだ、と幸福でないものを選ぶ。それだったらキリがないんです。

 

だったら、こころが「これが正しい判断だ」とわかる能力をあげないかぎり、人類の問題は解決しないんです。

(次回は最終回です

【最終回】最善の選択(9)

 

スマナサーラ長老法話 関西定例冥想会 2016.11.13

https://www.youtube.com/watch?v=FKgZ8djfv40&feature=youtu.be

を聞いて書きました》

 

参考外部サイト:

仏教講義、15.もうひとつの生き方II-(3)『感情』の恐怖と危険(No74)

今の社会になぜ平和がないかというと、人間が成長していないから、ということに尽きると思います。怒りと欲。そのなかで高慢や見栄や、自分が偉いのだとか、誰にも負けませんとか、そういったくだらない子供の考え方ばかりいっぱい持っているのです。 ……