《前回 なぜ人類の問題は解決しないのか - 最善の選択(8) 》
幸福だと思って大量破壊兵器を作るでしょう。
あれってバカが作っていると思っている? あの連中は結構研究している一流の科学者たちなんです。でも、こころがヒドイ病気ですよ。
YouTubeであったんですよ。
ノストラダムスの予言通りだと、トランプが大統領になるのは。
ノストラダムスは、「世界で一番大きい国で、ものすごく言葉が荒っぽくて乱暴な人がリーダーになるんだ」と。その人のやり方で世界は破滅になるんだと。核戦争も起こり得るというところまで言っていますけど、わたしにとってはニコッと笑って終わる話ですが。「ああ、そう」と。
その妄想の話を膨らませてみましょうか。
トランプさんが、二年、三年で他の国々とケンカしてしまうとする。怒りやすい人だからね。しぐさをみると、すごく人格がないとわかります。
もしかしたら、核兵器を使うかもしれません。どうしてもあの性格だから、先に使う人でしょう。
プーチンならそういうことはしない。最初には使わない。
頭がいかれている北朝鮮のあの人も、最初にやろうとは思わない。あまりにも臆病者だからね。
仮定の話で、それで核兵器戦争になったとしましょう。
人類を破滅に陥れよう、と思ってすると思いますか。そうじゃないでしょう。その場合でも、「これしか選択肢がなかった。われわれ合衆国には将来がない」と思ってやっちゃうでしょう。
これは妄想を拡大しただけの話ですよ。心配しないでください、単純に遊びで、妄想を拡大してみたんです。理論を説明するために。
原爆のボタンを押すときも、そのバカが「これが正しい」という判断をするからです。
それでわれわれのような仏教を語る人からみれば、こころは悪いことしか選択しない。
そういうところを大事にしてください(笑)。
そんな傲慢になって、「わたしは神の子だ」「わたしは偉い」というインチキに乗っちゃって。
言われたら気持ちがいいでしょう? 「あなたは神に愛されている」「神の子である」と言われたら。
こころは本当はこんなもんなんです。おだてるどころじゃないんです。
だいたい人間は褒めてほしいでしょう?
しかし、褒めてもらっちゃうとダメでしょう。どこを、何を褒める?
北朝鮮のあの人も、褒めてもらいたくて国の財産を使って自分を讃嘆してもらう。物語もつくる「自分は神だ」と。
こころを現実主義でみて、科学的にみて、「この ”こころ” が大変危険だ」と。
こころ自体が壊れた原子炉だと。メルトダウンしているんだと。サッサと放射能汚染をきれいにしなければいけないんです。
必ず間違った判断をしている無明の代わりに、智慧を入れ替えてあげる。
それっていたって可能なことなんです。だってこころは、もともと幸せになりたいんだから。
たとえば何も見えない人が、キャベツを切ろうと思って包丁を取る。
包丁の柄を取らずに刃を手に取ったら怪我をしてしまうでしょう。そこで、包丁の持ち方を教える。それから、キャベツの真ん中に包丁を当てて、そのまま押してください、と教えてあげればキャベツを切ることができる。
われわれは、包丁の刃を握って、柄でキャベツを切ろうとしているんです。
手が怪我してしまったら、タオルで傷口を巻く。そうしたら今度は包丁が持てないでしょう。
こころにやり方を教える必要があるんですね。
自分で方法を発見できたらいいんだけど、それはお釈迦様だけしかできないんですね。
それでお釈迦様が方法を教えているんですね。
そういうわけで、仏教はこころの科学で、これこそが本来の科学なんです。
石油で車を動かすのか、電池で車を動かすのかは、たいした科学ではないんです。どちらにしても問題があるんです。では太陽電池は? 作るのはどうぞ。でもそれで問題は消えませんよ。
そういうわけで、本物の科学がこころの科学です。
(終わり)
《スマナサーラ長老法話 関西定例冥想会 2016.11.13
https://www.youtube.com/watch?v=FKgZ8djfv40&feature=youtu.be
を聞いて書きました》
「最善の選択」シリーズ全9回