《スマナサーラ長老法話 2007.04.09 ブッダの誕生日(はなまつり)にちなんで
https://www.youtube.com/watch?v=3BYCITvRDtE
より、法話めもとしてまとめました》
昨日、花まつりがありましてそちらに参加しました。
花まつりがあったのは山口のほうで。
花まつりと言っても、桜の木の下で酒飲んで、というのではないんです。
花まつりというのは、特別に、お釈迦さまの誕生をお祝いするお祭りなんですね。
昔、日本では盛大にそのお祭りをやっていたのに、なぜか花見になってしまって、それからクリスマスになってしまったんですね。
なんでしょうか、われわれは、自分立ちのすごい文化をね、ペロッとゴミ箱に捨てるんですからね。
何の意味もないクリスマスとかね。真冬でしょうしね。遊べないしね。
そういうことになってしまうんですね、世の中っていうのはね。
誰に文句を言っても意味がないんです。
しかし、誰かが大事に守ってくれている文化的なものを忘れてはいけませんし、ほかの国々の人々にも「これこそ日本だぞ」と自慢げに言えるようにね、そういうものを守らなければいけないんですよ。
外国人から「日本のお祭りはなんでしょうか?」と聞かれて「クリスマス」「バレンタイン」と答えるのは……。これって誇りといえるでしょうか。
「いえ、バレンタインデーだけじゃなくて、ホワイトデーもやりますよ」
「それだけじゃないんだ、ハロウィンもやりますよ」
そうなると、どこら辺が日本人かなとね。聞きたくはなるし。
外国人から「ハロウィンとはなんでしょうか?」と聞かれたら?
答えられないんですよ。
「バレンタインデーってどういうことか知っているのか?」これもまた知らない。
なのに、お祭りをやるんですね。
とにかく、それは冗談で言いましたけど、われわれは古くから大事にしてきたお祭りを守らなくてはいけない。
日本は日本なりに、ほかの国と違うものを何か持っていないと、あまり格好がつかないんですよ。恰好つけるところは日本にいくらでもありますけどね。
問題は、われわれ外国人は知っているんだけど、皆様方は知らない。
そういうことで、花まつりはその一つです。
花まつりというのは、お釈迦様の誕生日。それが、盛大にやるべきものなんです。
だから今日の話は花まつりから始めようと、花はもうとっくに終わっていますけど。今年はなんか暑くてね、それはしょうがないんですけど、普通だったら今はいっぱい花が咲いているときですからね。
ちょうど花がいっぱい咲いているとき、見事にお釈迦様の誕生がやってきますからね。
お釈迦様はインドで生まれたんですけど、インドでも、最高に天候がいい時、生まれたんです。
みんな幸福感で、気持ちよくて、楽しくて。寒い冬が終わって、いきなり暖かくなって花があちこち咲き乱れて、鳥たちがさえずって歌い始めたとき、美しい公園で、ルンピニという公園でお釈迦様が誕生したんです。
お釈迦様っていうのは、この世の中で、二度と生まれない唯一の人なんです。
並大抵な人じゃなんです。その力っていうのは、偉大なる力で、決して人間には表現できないんだよ、と。すごい方なんです。
だから軽く見てはならないんです。
たった一人しか、この世の中に現れません。
そのお釈迦様の言葉を、元の、生の言葉をそのままずーっと命懸けて守ったんです。
これは本気で、命を懸けて守ったんです。
殺されても、ブッダの教えだけは守るぞと。
何があっても、どんなものがなくなっても、この教えだけは、この言葉だけは守るぞと、長い間あらゆる苦しみを経て、あらゆる自然災害やらいろんなものを経て、これだけは守ってきたんです。
それくらい価値があるんです。
ものすごい価値があるんです。
二千五百年前、語られたものなんですが、今も人間は、腰が抜けるほどビックリする真理なんです。
これからもそうなんです。
世界がいくら変わっても、時代がいくら変わっても、科学がいくら発展しても、ブッダの真理にはかなわない。
これはわたしには、具体的に立証することができますが、これはすごく時間がかかる作業になりますね。
いかにブッダの教えが、人類の知識を乗り越えて進んでいるのか、ということです。
(終わり)