「自殺願望? みんなにあるんだよ」
というドキッとする一文もある、こちらの本。
Kindle版
怒りの分析や子育てのヒントなど、たくさんの切り口から新たな発見の数々が生まれてきます。
お釈迦様の時代の、ゴーティカ長老の自殺についての解説もありました。
法話会の質疑応答にもときどき登場する「阿羅漢の自殺」についてです。
わたしはこれを読んで、自分の理解に誤解があったなと発見しました。
第四章のいじめカウンセリングは、性格によって向き不向きがあるかもしれません。が、いじめを克服してサ
バイブするという目的にはかなっていると思います。動物社会での生存競争で《死なずにすむ方法》がわかります。
そうしたことから本書で、いじめが「仏教以前の問題」と書かれているのはその通りだと思います。
ただ、どんな生命でも慈悲
喜捨のこころは
潜在的にあるそうですから、慈悲の実践も日ごろから忘れないようにしたいですね。
ところでこの本のタイトル、「自殺といじめ」ということで、
「いじめに悩んでいる子供や親が対象だろう」と思いませんでしたか?
実は、わたしはそう思って「今のところ自分には関係ないな……」という気持ちがどこかでありながら読み進めていました。でも、途中でその思い込みを捨てることになりました。
というのは、実はこの本、いじめだけでなく様々な人生の諸問題へのアド
バイスが散りばめられているのです。どんな立場の人が読んでも新鮮な発見が多いと思います。
スマナサーラ長老の数ある
著作の中でも、ほかにあまり見られない、ちょっと異色の一冊となっているのではないでしょうか。