ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論

初期仏教新春講演会「莫妄想と考える力」2017.01.15

スマナサーラ長老の講演会「莫妄想と考える力」を聴いてきました。

「莫妄想【まくもうぞう】」とは「妄想すること莫(なか)れ」という意味だそうです。

 

  •  妄想ってなに?

ところで、妄想ってなんでしょうか?

思考と何が違うのでしょうか。

 

思考というのは客観的なデータに基づいていて、何か役に立つ目的があってスタートし、結論が出たらストップするものだそうです。

妄想はその逆で、主観的で役に立つかどうか怪しくて、結論がないのでストップすることはないものです。たとえば、過去の失敗を繰り返し思い出したり、現実的に不可能な将来を夢想することなどでしょう。

 

  • 妄想ルーティン?

 

それでこの妄想ですが、「毎日同じような時間に同じような妄想をしているのですよ」とスマナサーラ長老がおっしゃっていました。

 

ホント~~?? 日々の行動はパターン化されているけれど、妄想までパターン化されているとは、ちょっと信じられません。

ということで、調べてみました。自分の一日の時間ごとの妄想内容を。

 

結果を先に言うと、たった二日分のデータですが、妄想のパターン化を否定しきれる材料がありませんでした。

 

毎日の行動はだいたい同じことの繰り返しです。そこまでは納得。

でも妄想まで時間ごとに同じじゃないでしょう……と予想していましたが、そうでもないようです。

 

なぜかと考えてみると、体の状態に引っ張られて妄想が起きているようです。わたしの場合は。

たとえば、朝起きたときは体が「寒い、眠い」と感じる ➡ 「イヤだー」からスタートするネガティブ妄想、という具合です。

この時間ごとの妄想観測を、もう少し続けてみたいと思います。

もしかして、妄想のシッポを掴むことができるかも?

 

皆さんもご自分の《毎時間ごとの妄想》を調べてみては。

 

  • なぜ妄想する?

妄想が悪いものならなぜ妄想をやめないのでしょうか。

どうして妄想するのだと思いますか?

 

答えは、太陽の光が発生する原理と同じだそうです。

太陽は核融合でエネルギーが生まれ、そのエネルギーでさらに核融合が起こるという繰り返しです。

それと同様に、こころはまず五根(眼耳鼻舌身)で受ける外部の情報からエネルギーをつくりますが、それだけでは足りないのでさらに妄想によってエネルギーをつくるそうです。

このエネルギーのことを仏教用語でサンカーラ(行 ぎょう)と言います。

 

「生きていたい、死にたくないという存在欲があるでしょう? だからこそ、膨大なエネルギーを作り出してくれる妄想に固執するんですよ」

スマナサーラ長老。

 

  • 考える力を育てるには

誰もが欲しい、明晰な《思考力》。

これは今からでも手にすることができるそうです。

 

その方法は、「邪魔を減らすこと」だと言います。

邪魔というのは妄想のことで、つまり、《莫妄想》によって散漫だった思考力が一点に集中するわけです。

 

  • まとめと感想

生き続けたいという存在欲と、抜群の思考力を望む気持ち。

一見、何のかかわりもないように見える二つですが、実は、相反する根っこをもっていたことに驚きました。

矛盾した二つの希望から見えてくるのは、やはり厚い雲のように自分を覆う無明でした。

 

 

°˖✧この聴法の功徳を生きとし生けるものに回向いたします。幸せで安穏でありますように°˖✧

 

 

 

次回は、この講演の中で、メインのお話ではないものの、自分の手帳に「おもしろい」と走り書きしてあったエピソードをいくつかご紹介します。