スマナサーラ長老と前野隆司教授の対談動画が公開されています。
2017/1/18開催。慶應SDMヒューマンラボ公開講座 スマナサーラ長老×前野隆司先生対談 「心とは何か? 幸せに生きるとはどういうことか?」記録動画をアップいたします。https://t.co/G3xpySCaeq
— (株)サンガ (@SamghaJAPAN) 2017年2月8日
上のツイートでは一部分のみ視聴できます。
完全版は、サンガ出版のメルマガに登録すると観られるそうです。
完全版のほうでは、スマナサーラ長老が、
「なんで人間が幸せを探すんですか? 幸せを探すのは、今幸せがないからでしょう。生きるというシステムの中に幸せがないのです。ないものを人間は探しているのです」
というようなことをおっしゃったのに対して、前野教授が、
「幸福学をやってること自体について否定みたいに聞こえたのですが……」
と苦笑する場面がありました。
でもそこから前野教授が、ノーベル賞受賞者のダニエル・カーネマンが提唱した「フォーカシング・イリュージョン」の例を出し、仏教と幸福学との共通点に達したところはとても面白かったです。
フォーカシング・イリュージョンとは、人が幸せと思う対象に間違いがある、という考え方だそうです。たとえば、お金や恋人の有無などで幸せを測れないということです。
最後の質疑応答も興味深かったです。質問はこのようなものでした。
- 「ニヒルけしからん。我(われ)がないとはけしからん」について教授はどう対応するのか?
- 自分の家族がひどく傷つけられたときでも、我というものがないのだから、復讐してはいけないのか? (驚きの回答でした)
- 我がないとしたら、冥想の時に感じる「わたし」は何なのか? (この質問に対する前野教授の答えは面白かったです)
- スマナサーラ長老が最近気になっていることは何ですか?(長老の回答がほっこりしました)
- 自由意思と無意識の指令について。
- 感動や共感とは、仏教心理学上、また幸福学上、どういうものになりますか?(「慈しみの感動をしてほしい。欲で感動すると結構副作用があります(スマナサーラ長老談)」とのこと)
この対談は夏ころ書籍化するそうです。この動画では仏教と幸福学の共通点が目立ちましたが、本では相違点も掘り下げていくということで、楽しみですね。
(本文とは関係ありませんが、サンガホームページで見つけました。読んでみたいです)