(前回 『慈悲の冥想』の講習(1)わたしとわたしの親しい生命 )
次に、
これだけでは足りません。
もっと無制限に、広いこころを持つ人間にならなくちゃいけません。
仏教の期待は、あなた一人一人が無量の、無制限の力ある人格者なってほしいということです。
仏教の希望はものすごく大きいんです。
天国に行く、という程度ではない。
とにかくわれわれは、ものすごくこころの広い、無量無制限のこころを持たなくてはならない。
だから、生きとし生けるものがしあわせでありますようにと念じます。
一切の生命と言っちゃうと、頭で把握できません。
とにかく生命たるものはみんな幸福でありますように。悪魔でも、地獄の生命でも、餓鬼道の神々でも、生命たるものは幸福でありますようにと。
それで仏教は、神に祈る、おねだりっていうのはないんです。論理的には。
「神様も、幸福でありますように」という感じで。こちらが幸福を与える。
ということは、こちらがいつでも、喜びに幸福に溢れているということなんです。
それくらい強い人間になれますよ、かんたんに。
本気で、本当の気持ちで、誠意をもって念じてください。
「生きとし生けるものが幸せでありますように」と。
それではじめて皆様は、何にもめげない、自信のある人間になるんです。気持ちが揺らいだしませんり。怯えなんかもささっぱり消えます。緊張なんか味わたことがない、ということになるんです。緊張ってなに、と。
そういうふうに、強烈に落ち着いている。強烈なこころをもつように、無限にこころを広げた人間になります、確実に。
すべて気持ち次第ですよ。
それがたちまち幸福になる、強い人間になる方法です。
そういうわけで、三番目のステージ。
生きとし生けるものが幸せでありますように
生きとし生けるものの悩み苦しみがなくなりますように
生きとし生けるものの願いごとが叶えられますように
生きとし生けるものにも覚りの光があらわれますように
生きとし生けるものが幸せでありますように(3回)
生きとし生けるものが幸せでありますように、と繰り返しここのなかで念じてみてください。
生きとし生けるものが幸せでありますように(3回)
はい、ありがとうございます。
これで一応完成なんです。人間としての生き方が。
われわれは生きとし生けるものが幸せでありますように、というモットーを持って生活する。そうすると対立が消えます。
そのモットーを持った途端、自分に見えてくるんですよ、生き方が。
誰かがケンカを売ってくると、すぐ見えてくる。「この場合はこうすればいい」と。相手も楽しく、わたしも楽しく終わる。
だから生きる秘訣を人に聞くんじゃなくて、この冥想をしてみてください。
次から次へと自分で見えてくるんです。
問題が起こるたびに、解決法が見えてくる。これでほとんど世間の問題が終わりますよ。
(次回に続きます)