ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

『慈悲の冥想』の講習(2)生きとし生けるもの

(前回 『慈悲の冥想』の講習(1)わたしとわたしの親しい生命

 

次に、

これだけでは足りません。

もっと無制限に、広いこころを持つ人間にならなくちゃいけません。

 

仏教の期待は、あなた一人一人が無量の、無制限の力ある人格者なってほしいということです。

仏教の希望はものすごく大きいんです。

天国に行く、という程度ではない。

 

とにかくわれわれは、ものすごくこころの広い、無量無制限のこころを持たなくてはならない。

だから、生きとし生けるものがしあわせでありますようにと念じます。

 

一切の生命と言っちゃうと、頭で把握できません。

とにかく生命たるものはみんな幸福でありますように。悪魔でも、地獄の生命でも、餓鬼道の神々でも、生命たるものは幸福でありますようにと。

 

それで仏教は、神に祈る、おねだりっていうのはないんです。論理的には。

「神様も、幸福でありますように」という感じで。こちらが幸福を与える。

ということは、こちらがいつでも、喜びに幸福に溢れているということなんです。

 

それくらい強い人間になれますよ、かんたんに。

 

本気で、本当の気持ちで、誠意をもって念じてください。

「生きとし生けるものが幸せでありますように」と。

 

それではじめて皆様は、何にもめげない、自信のある人間になるんです。気持ちが揺らいだしませんり。怯えなんかもささっぱり消えます。緊張なんか味わたことがない、ということになるんです。緊張ってなに、と。

 

そういうふうに、強烈に落ち着いている。強烈なこころをもつように、無限にこころを広げた人間になります、確実に。

 

すべて気持ち次第ですよ。

それがたちまち幸福になる、強い人間になる方法です。

 

そういうわけで、三番目のステージ。

 

生きとし生けるものが幸せでありますように

生きとし生けるものの悩み苦しみがなくなりますように

生きとし生けるものの願いごとが叶えられますように

生きとし生けるものにも覚りの光があらわれますように

 

生きとし生けるものが幸せでありますように(3回)

 

生きとし生けるものが幸せでありますように、と繰り返しここのなかで念じてみてください。

 

生きとし生けるものが幸せでありますように(3回)

 

はい、ありがとうございます。

これで一応完成なんです。人間としての生き方が。

 

われわれは生きとし生けるものが幸せでありますように、というモットーを持って生活する。そうすると対立が消えます。

そのモットーを持った途端、自分に見えてくるんですよ、生き方が。

 

誰かがケンカを売ってくると、すぐ見えてくる。「この場合はこうすればいい」と。相手も楽しく、わたしも楽しく終わる。

 

だから生きる秘訣を人に聞くんじゃなくて、この冥想をしてみてください。

次から次へと自分で見えてくるんです。

問題が起こるたびに、解決法が見えてくる。これでほとんど世間の問題が終わりますよ。

(次回に続きます)