ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論

息子がウツです。父親として何ができますか?

質問

「30代の息子がいます。うつ状態で通院もしています。最近わかったことは、父であるわたしが息子に子供の頃に言った『人に挨拶しなさいよ』などという言葉を気にしていたと言います。

医師は、もう息子は大人なんだから親のわたしがどうこうすることはできませんよ、と。

わたしに対してトラウマ的になっているのだとすれば、わたしが息子から離れるしかないと思って、今は離れて見守っていますが、本人の自覚が生まれるまでそっとしておくしかないのでしょうか?」

 

回答(スマナサーラ長老)

 

あなたは手をかけすぎたから、これは治らないと思いますね。

やっぱり親よりも誰か他の人が息子さんに接すれば、立ち直れる可能性があります。

 

うつは、配線を固定しちゃうからね。うつの状態ではヴィパッサナー冥想で智慧の配線を作ることは結構難しいからね。配線ができちゃうと〔配線が固定しちゃうと〕話にならなくなっちゃうんですね。

 

人生は淡々と、単純であると理解しなくちゃあかんですよ、この人は。そんなに大袈裟なことじゃないんだと。いたって単純だと。仕事に行っても単純ですよと。だからうまくできますよと。そういうふうにうまく行っているんだというポジティブデータを脳に叩き込むプログラムを作らなくちゃあかんですね。それはあなたにはできないと思います。だから本人にどこかで色々な仕事をさせる。そして一つできたら、「よくできたね」「いいですよ」とそうやってポジティブデータを脳にフィードバックさせなくちゃいけないんですね。それでそこ〔配線〕がジワジワとなくなる可能性があります。

 

脳の場合はそういう正しいフィードバックを入れてあげれば、だいたい3ヶ月間で治りますけどね。薬では治らないんです。薬はありません。ですからこれは訓練で脳にデータをフィードバックすることで治さなくちゃいけないんですね。

 

質問者

「本人が自分で出かけて行ってそうするということでしょうか」

 

それはあなたが裏で何か場所を探してあげるとかね。そういうところに行かせてあげるとか、それはまあ構いませんだけど、あなたが行って治してあげるぞというのはやめたほうがいいんですね。

 

でも、父親にそれはできたはずなんですけどね。父親のそばで子供達が何かする場合は、半分安心するんですね。間違ってもへっちゃらだ、お父さんがやってくれるんだからと。そこはあなたが失敗しましたからね。

わたしはよく子供とお父さんの関係を観察すると、すごく元気が有り余る子供達がいるんですね。子供たちをグループで預かると、あまりにも元気がある子供がいるとバランスを崩しちゃうんですね。でもそれはしょうがないし。

 

なぜ一人の子はあまり元気が無くて、一人の子は桁違いに元気があるかというと、その子達は結構お父さん子なんですね。だからいろんなことをお父さんと一緒にやっちゃうんですね、いいことでも悪いことでもなんでも。それでお父さんがいつでも、「よくできた、お前は」とフィードバックさせているんですよ。それで下手なことをして失敗したら、「いいやいいや、これはわたしが直しますから」と言っちゃうと、ネガティブフィードバックが子供に入らないんですね。

 

お父さんにとっては子供がかわいいんだから、「なんであんたはこんなことをするのか!」という一言を言わない。「ああ、大丈夫、大丈夫。わたしがやりますから」というやり方で、子供達がなんでもできますよ、わたしは、というすごく明るいシステムを作っちゃうんですね。それは男の関係の場合はね。お父さん子でいる場合は、元気で一人前の男になっていくんですね。

 

そこはまあ、人間はよく間違えをするんだからね、これって別に気にする必要はないしね。そのチャンスはもう過ぎちゃったんだから、もう歳も歳でしょうしね。だから別な何かで……。

 

わたしにはプログラムが見えますよ。何か小さな仕事をさせてね、そこで、失敗したらダメという言葉は絶対言わないで、「じゃあやり方を勉強しましょう」とかね、なんとか言ってあげてね、「ではこうしましょうよ」と。

それでも「あんたよく頑張っていますよ」「よくできましたよ」「それくらいは大丈夫だ」とかね。そういうふうに、脳にいつでもポジティブデータをフィードバックさせなくてはいけないんですね。それが論理的な直し方なんですね。プログラムは人間が適当に作らなくちゃいけないんです。理論を覚えておいてください。

(終わり)

 

法話と実践会(スマナサーラ長老)ゴータミー精舎2017.11.12

https://www.facebook.com/jtheravada/videos/vb.138184189576792/1556274701101060/?type=2&theater

を聞いて書きました。

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スマナサーラ長老の法話メモ(@jtba_talk)/2017年11月12日 - Twilog

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