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Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

生きる目的はなんですか?(1)

<東京 法話と実践会 スマナサーラ長老 2017年12月10日

https://www.facebook.com/jtheravada/videos/1584500711611792/

法話メモlog http://twilog.org/jtba_talk/date-171210/asc

より聞いて書きました。>

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 昔からわたしが聞かれていることで、「生きる目的はなんですか?」と。

わたしの答えは、人生には目的がありません、と。生きる目的って何もありません。

 

で、そう言っても、(質問者が)認めてくれるわけじゃないんです。何か目的があるはずと思っているんですね。それだったらわたしに聞く必要ないでしょう。自分が生きる目的があるなら、それを自分が知らないならば、相当あほなんですね。

 

正しく言えば、「なんでわたしが生きているのか?」ということを質問しているんですよ。知るもんかそんなのはね。(笑)わたしにとって、生きていてもいなくても関係がないんだからね。

人間というのは本当に、想像を絶する無知なんですね。

 

だから、目的がないんです。なんで雨が降るんですか? 目的がある? 雨がなぜ降るのかとは、説明できますよ。しかし、雨に何か目的があるわけじゃないでしょう。

なんで川が流れるんですか? 知らない、そんなのは。水が流れている原因は説明できます。しかし、目的は? そんなのはないんです。なんでその程度くらいの知識がないんですかね。

 

そういうことで、どうなっているのか、なぜこうなっているのかという説明はいくらでもできます。

なぜ牛に角が出てくるのかと言えば、そのカラクリは説明できます。しかし角に何か目的があるわけではないでしょう。角が生えている動物たちは皆角を使っているかと言えば、使ってないんです。

 

ここでなぜわたしが人間になっているのかと聞かれれば、その説明はできます。しかし、目的はないんですね。だからなんの目的で川が流れるのかというと、これは愚かな質問で、どんな仕組みで川が流れているのかというのは理性的な質問です。理性的な質問には答えがある。

 

だから皆様方が、安らぎが欲しければ、幸せで安穏で穏やかに生きたいと思うならば、悩みがなく怒り嫉妬なく、空気のように生きたければ、これを理解してください。生きることに目的がありません。ただ流れるだけなんです。この流れの仕組みを説明してくださいというと、これは明確に仏教では説明してあります。

 

だから頭が壊れているんだから、長い歴史の中で洗脳されているんだから……。迷信に洗脳されているんですね。迷信というのは、立証できないものです。信じるしかないものです。

 

ちゃんとデータを取って知っている世界もあるんだけど、一人一人の人間がその世界からほんのわずかなことしか知らない。だからいろんな人が、いろんなことを知っている。しかし一人の人はほんのわずかなことしか知らない。そういう問題はあります。しかし、迷信になってくると、みんな知っていることは同じで、時々言葉が変わるだけ。

 

迷信の世界では、神様が、目的があって人間を作ったと。目的は何かと言うと、それはわからないという。そこで神様のことをハチャメチャバカにしているわたしに質問するんです。

 

やっぱりそういう迷信を作る人すら、その目的を知らないんだから。しかし知らないのは不思議じゃないんです。目的がないから、探しても見つからないでしょう。でも頭が悪いから、「あるはず、あるはず……」。それからちょっと時間が経つと、「あるに決まっている」。誰が決めたんですか、ではなくて、「あるに決まっている」と。この「決まっている」というのは、条件が揃ったら雨が降るに決まっている、と同じことなんですね。「決まっている」という言葉は、知り尽くしてから言うことでしょう。そうではないんですね。

「魂があるに決まっている」「神様がいるに決まっている」「死んじゃったら天国に行くことは決まっている」。

 

人類に真理を発見できなかったところで、お釈迦様が初めてそれを発見したんですね。お釈迦様が発見した真理ですよ、わたしが言っているのは。だから頭にショックを受けますよ。今まで間違った妄想概念で凝り固まっていて、そこでわたしの話を聞いちゃうと、ダイナマイトが爆発したようなことになります。それはまあ、仕方がないと思いますけど、自分の考えに愛着がある程度によって、個人が苦しくなります。自分の思考にあまり愛着がなく、より良いものを知りたいと言う、より正しいものを知りたいと言う、発展途上状態を作っている方々は、全然痛みは感じませんね。その人々は喜びを感じる。考えたこともない新しい考えを聞いた、これは調べなくっちゃ、と言うことになります。

 ( 続きます

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