ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

World Buddhist #14 世界アースデイ

(World Buddhistは、日本テーラワーダ仏教協会の機関紙「パティパダー」(送料込み600円)にて連載中です。パティパダーは、上記協会http://www.j-theravada.net

でお求めいただけます。

今回のWorld Buddhist #14は、2018年6月号のパティパダーに掲載されました)

 

World Buddhist #14 世界アースデイ

 4月22日はアースデイでした。アースデイは、1970年4月22日に環境問題を討論しようと、あるアメリカ上院議員が呼びかけたことがきっかけだそうです。

それから48年経ち、インドのわたしが住む地域でも、アースデイにちなんだ環境イベントが行われました。そのイベントでは、主にゴミの分別方法について住民同士で議論していました。この地域ではゴミの分別方法が明確ではなく、ゴミの出し方もバラバラです。

わたしが入居の際に聞いた限りでは、ゴミは全て同じゴミ袋に入れて捨ててよいということでした。生ゴミもビニールもガラスも、電池さえも、です。ゴミを収集した後に分別作業があるのだろうと、希望的に思っていましたがその確証はありません。

外国人がインドの道路を見てまず、たくさんのゴミが捨てられていることに驚きます。首都部の主要な道路では清掃作業がされていますが、ほんの一部です。

車の窓からペットボトルなどのゴミが投げ捨てられる光景はよくあることで、スクールバスの乗務員さえ、バスで集めたゴミを道路に撒き散らすことが珍しくありません。

インドの道路には野良「牛」がたくさん歩いていますが、その牛たちが生ゴミなどを餌として食べるので、よく問題になっています。生ゴミを食べるときにビニールやガラスなども一緒に飲み込んでしまうので、牛の健康被害が多く発生しているのです。

さすがにこれではまずいと感じた人々が、アースデイにちなんでゴミの分別を議論している様子にホッとしました。

13億人を抱え、数年後には中国を抜いて世界第一位の人口になると予想されているインドが、ゴミの分別や環境問題に取り組むことは地球の未来を大きく左右します。

 

日本では

 日本でもアースデイのイベントが、「アースデイ東京2018」と称して東京・代々木公園で開催されました。その中で、仏教関連では「Earth禅堂」というブースが出たそうです。

「Earth禅堂は、曹洞宗の僧侶によって運営される『サテライト修行道場』です。初心者でも安心して参加できる、基礎から学ぶいす坐禅や写経、匂い袋作りなどのワークショップを通じて禅の価値観を学び、『禅的生き方』を体験してみてください。」(http://www.earthday-tokyo.org/2018/04/16/5813 より)

曹洞宗の公式サイト「曹洞禅ネット」に、Earth禅堂の出展報告が出ていました。それによると、「全国曹洞宗青年会が製作中の短編映画「典座」や、公益社団法人シャンティ国際ボランティア会の活動を紹介する映像上映など盛りだくさんの内容で、期間中「Earth禅堂」ブース来場者は昨年を大きく上回る約3,000人に上りました。参加者からは、お寺にいってみたい、また坐禅をしてみたいという声が多く聞かれました。」ということです。また、「原爆の残り火を囲んで」をテーマに、福岡県星野村から運ばれた原爆の残り火を灯したランタンを囲んで、地球や人々の平和を祈り1分間の黙とうが行われましたそうです。イベント参加者全体で行われた「SDGs(Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標)ハッピーアースパレード」では、人種や国籍、宗教を問わず、持続可能で平和な社会を願う多様な人たちが一緒に渋谷の街を歩いたとのことです。

「World Buddhist #12世界で読まれている仏教書」で、整理整頓やお掃除と関連して、禅宗のお坊さんが書いた本がたくさん売れているとご紹介しましたが、アースデイ禅宗の親和性も高いようです。

 

イギリスでは

 ロンドンのチベット瞑想センターでも、アースデイのイベントが開催されました。今回のイベントで最も強調されたことは、プラスチック汚染をなくすというテーマでした。プラスチック汚染は、マイクロプラスチックという目に見えないほどの小さなプラスチックゴミが、自然に還元されずに半永久的に地球環境に影響を与え続けるという問題です。プラスチックは、熱や光で劣化して割れることを繰り返し、どんどん小さくなりますが、分解してなくなることはないのだそうです。

 

アメリカでは

 気候変動に対抗するための植林を促進しようと、ワシントンD.C.にある米国議会議事堂の前に、一本一本の木を配置して全体で大きな樹木を形づくりました。

 

中国では

 490家族から約2000人が集まり、地球の巨大な絵画を作りました。この絵画は、5,200平方フィート(483.09平方メートル)を超えたそうです。

 

インドネシアでは

バリ島のビーチで、葉っぱやトウモロコシの殻、乾燥した果物で作った「有機凧」を住民が飛ばしました。

 

コソボパレスチナでは

 市民がジェルミア公園でアースデイを記念してヨガを行いました。

 

一つ一つが巨大なイベントというわけではありませんが、地球の各地でそれぞれの思いを込めて催しがあったようです。日々の行動の積み重ねが、非常にわずかであっても環境に影響を与え続けています。そういう意味では、毎日がアースデイという意識を持った行動が求められています。

 

出典:

曹洞禅ネット「アースデイ東京2018」へ「Earth禅堂2018」出展報告

https://www.sotozen-net.or.jp/syumucyo/20180427_3.html

 

Earth Day 2018 around the world

https://www.msn.com/en-us/news/world/earth-day-2018-around-the-world/ss-AAwddOU#image=1