ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

事業を起こす時は、どういう覚悟でやっていったらよいでしょうか?

質問

「事業を起こす時は、どういう覚悟でやっていったらよいでしょうか?」

 

回答(スマナサーラ長老)

 

事業を起こすということも、一時的な自分なんですよ。

別な自分と、あなたは戦っているでしょう。色々な自分とハチャメチャ戦っているんですね。だから、どちらかの自分に勝利をあげなくちゃいけないんですよ。それは仏道じゃないんだけどね。

 

お釈迦様がおっしゃっている安全な自分というのは、他人の役に立つ自分を強くするんです。

儲かることでも、汚い自分を抑えておいて、人々の役に立つ、人類の役に立つことをやりますという自分を強くするんです。そして、儲かりたい自分も、他を潰したい自分も押さえておきます。そうすると、あまりトラブルが起こりません。

 

お釈迦様の時代、仏教に興味を持った人々は、ほとんど豊かな人々でしたから、最初からね。

そういう人々で記録に残っているのは、財産があるから、社会でも認められているし、(そういう人々が)仏教徒になったことで、仏教がいくらか知られるようになりました。

昔の金持ちっていうのは仕事をしないんだからね。財産を持って、使用人もいる。使用人が苦労して仕事をするけれど、金持は儲けるだけで仕事をしないでしょう。だから哲学的なことを考える暇があるんですね。科学研究やら発明やら、結構イギリスで起きたでしょう。かなりイギリスでの発明があります。そういう発明をした人々はみんな金持なんです。古いシステムの。

財産があることは当たり前で、それに耽ってだらしない人間にならないんですね。何かしようではないかと思うんです。

 

アメリカの発明家エジソンとは立場が違います。

エジソンは、これって面白い、これって役に立つのでは、ということで頑張ったんですから成功しました。

イギリスの場合は、いろいろな発見をした科学者や発明家は、よく見るとみんな金持なんです。

 

しかし、仕事をして金を儲けると、暇がないんですね。

そういう一般的な状況だと思います。

 

事業を起こしたいという方々にとっては、ハチャメチャ人生が苦しむ羽目になりますから、何の幸せも感じなくなりますよ、事業が成功したとしてもね。

そうではなくて、具体的に人類の役に立つことを考えた方が、事業が苦しくても同時に、いいことをやっているんだという楽しみが生まれます。

それしかないんですよ、助かる方法は。

(終わり)

 

東京 法話と実践会 スマナサーラ長老 2018年11月23日

動画

https://www.facebook.com/jtheravada/videos/368432943898539/

法話メモ

https://twitter.com/jtba_talk/status/1065775981963567104