ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

みんなに判断させれば、愛されるリーダーになれる

最近、Book off へ行きまして、何冊か本を買いました。スマナサーラ長老の本も数冊買いましたが、よく見ると値札シールが3枚くらい重ねて貼られていました。自宅で用心深く剥がしてみたら、一番下の値札が「510円」で、次が「700円」、一番上の値札、つまりわたしが買った価格は「960円」でした。初めの価格から46パーセントも値上がりしている! 長老の本の値打ちが上がってきたのかな、と思いました。

 

その本の定価は1300円で、タイトルは「怒らない練習」。*1

 

 このイラストは、しりあがり寿さんです。この本に、「あなたの怒りのタイプがわかる『怒りの種類・診断表』」が付いていまして、うちの子供に見せてみようかなと思ったんです。小学校低学年ですが、ときどき怒りが出て来て困っているみたいなので、気になっていたところでした。

予想的中、まずこのイラストに食いつき、説明文を読んであげると「確かに」と頷いていました。ちなみにこの子の場合は、①の「基本的な怒り『Dosa』」だ、とのこと。

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「で、どうすればいいの?」と聞くので、第7章の「笑いは怒りを退治する」を読んであげました。うまく実行できるかな。

この本を居間に置いておけば、イラストにつられてまた見るだろうと思います。

 

それはそれでいいんですけど、それとは別に、今回、「おぉっ!」と見つけたものがあったので、それをご紹介したかったんです。

 

「悩まない力」 2008年発行

悩まない力―あなたの心に秘められている (プラチナBOOKS)

悩まない力―あなたの心に秘められている (プラチナBOOKS)

 

 

「仲間が自分についてこない『みんなに判断させれば、愛されるリーダーになれる』」(P58)というタイトルの話がありました。そこから引用します。

 

誰もがみんなリーダーにはなれないのですよ。

幼い時から、何となくリーダー的な人もいますが、仕事で重要なリーダーとしての立場があるのに、その資質がない人もいます。

 

日本でいえば、かつて総理大臣になった安倍さん。お坊ちゃんとして帝王学で育てられ、周りから総理大臣に仕立て上げられた人です。本当はとても能力のある人で、それまでの大臣の仕事はきちんとこなしていましたが、リーダーではなかった。

 

他の大臣たちのほうがよっぽどリーダーの資質を備えていますから、国会の場に総理大臣が入って来ても、大臣たちは立ち上がりもせずに、座ったまま会釈をしていました。自分たちが先輩だから気にしないのです。一国の総理大臣なのですよ。あの光景を見て、「なんてだらしのない大臣たちでしょう」と思いました。自分が80歳であっても、総理大臣には敬意を払って、立ち上がらなくてはいけないでしょう。

 

安倍さんは立派な政治家ですが、リーダーになるべき人ではないので、総理大臣になったところで大失敗したのですね。

 

(中略)

 

この悩みの「仲間がついてこない」というのは、リーダーシップがないのにリーダーになってしまった人の悩みです。

 

さて、どうしましょうか。

リーダーには判断したり、命令したりすることが必要です。しかし、自分の判断は周りがあまり気にしない。命令を出しても、「そのうちやってあげます」という顔をする。リーダーとして本当に困ります。

 

自分の立場を守りたければ、一方的に判断したり、命令したりすることは、やめるのです。みんなの意見を聞いてみるのです。「どんな判断をしたらよろしいのか」とみんなに判断してもらうのです。どのように誰が実行すべきなのかと、仕事を分担して振り分けることも、みんなに判断させるのです。

 

自分たちがした判断なので、自分が自分で受け取った仕事なので、真剣かつ真面目にその仕事をするしかなくなります。結果として、自分がみんなに愛されるリーダーになっていると思います。

  

ほんの数年日本から離れていて、戻って来て「あれ?」とわたしが思ったことは、現・自民党政権の批判をすることに、みんなずいぶん怖がっているなということでした。これは、たった数年内の、激変だと思います。「なに? どうした?」と思いました。以前は、時の政権をぼろくそに言うのは当たり前だったよね?と。なにより、歴代の政権リーダーは何を言われても平然としていて、それは良いか悪いかわからないけれども、とにかく、ものすごく打たれ強かったですよね?

 

そして、今引用したスマナサーラ長老の文章を読んで、かつて病弱で首相の椅子から去って行った安倍総理と、現在のマッチョぶり(体型じゃないですよ)が同一人物とは思えないのです。それでもう一度読んでみて、「そうか」と思ったのが、やっぱり安倍総理もみんなに愛されたいんだろうな、と。大臣たちから、大衆から好かれて、ちゃんと指示を聞いてもらえるリーダーになりたいんだろうなと。

 

そういえば、少し前まで、「日本には強力なリーダーシップを発揮できる人物がいない」というのが通説みたいに言われていましたね。最近あまり耳にしなくなりました。それというのも、「強力なリーダーシップ」というのはかえって自分たちに迷惑だと気づいたからでしょうか。

 

 

 

これには後日談があります……

*1:

 

怒らない練習

怒らない練習