ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

45年間の出来事に、40万無数劫の準備期間がありました|釈尊(前編)

(ウェーサーカ祭(食事のお布施)スマナサーラ長老法話 東京2015.05.23よりメモしました。) インドの数字で、「無数」という数字がありまして、頭で計算できないんですね。 日本語では、億、兆、という単位があります。兆もよくわからないんですね。あまり…

それでも、なぜ悟れるのか?|カッサパ如来(6・最終回)

(なぜ悟れないのか?|カッサパ如来(5)より続きます) われわれはプライドを捨てて、人間世界をみなくちゃいけない。われわれの科学は人間として生きるすべ以外の何でもないんです。 知識にいつでもロックがかかっているんです。この許される範囲で何で…

なぜ悟れないのか?|カッサパ如来(5)

(カッサパ如来の教え、衰退の理由|カッサパ如来(4)より続きます) そういうことで、ブッダが現れるというのは、時間の間隔で言うと単語がないほどなんです。 仏教では「不可思議」という言葉を使っています。奇跡的。だから数字で言えません。一兆分の…

カッサパ如来の教え、衰退の理由|カッサパ如来(4)

(サーリプッタ尊者のお見舞い|カッサパ如来(3)より続きます) そういうわけで、寿命が短いからちょっと間に合わない、ということもわれわれにとってはあります。 それで、カッサパ如来の時代は、人間の寿命がすごく長くて、道徳的に完成されていて、道…

サーリプッタ尊者のお見舞い|カッサパ如来(3)

(サーリプッタ尊者の説法|カッサパ如来(2)より続きます) サーリプッタ尊者がお見舞いにすぐ行ったんです。それに、最後にサーリプッタ尊者に会いたいと、自分は後はないと分かって。 テーラワーダ仏教では、決まったお見舞いの方法があるんです。 皆様…

サーリプッタ尊者の説法|カッサパ如来(2)

(お釈迦様より前のブッダは…|カッサパ如来(1)より続きます) カッサパ如来はそういう時代で生まれて、解脱を教えるのは楽ちんなんです。ただ、「生きることは苦である」ことを教えるのは難しいみたいですね。 しかし、退屈になっちゃって、無意味である…

お釈迦様より前のブッダは…|カッサパ如来(1)

ウェーサーカ祭後日・スマナサーラ長老法話 関西定例瞑想会 2015.05.04 (http://www.voiceblog.jp/najiorepo/2152493.html よりメモしました) では、説法を……、何を言えばいいんですかね(笑) んー、いろいろテーマはいくつか頭の中に横切ったんですけど…

慈悲の瞑想、体感バージョン

質問 「慈悲の瞑想の体感バージョンを試してみて、予想以上の効果があったんですけど、自分に対してメッター(慈)を念じて、自分が修行しているシーンをいくつか思い浮かべまして、いろんな恵まれたところがあるということで「幸せだ」とフィードバックしま…

夢と過去世

質問 「夢について教えていただきたいんですけど。 五歳くらいの時に夢を見てそれが今でも忘れられないんです。わたしの家は仏教徒と言うわけではないんですけど、その夢は、大きな仏像が寝ている姿をじっくり見ている自分、というものでした。 その夢が50年…

五戒と十悪、何が違う?

質問者 「先ほどの飲酒の件で、五戒の中には、お酒が否定されていますが、十悪の中にはリストに入っていません。それはなぜなんですか?」 回答(スマナサーラ長老) 十悪というのは、法則を語っているところなんですね。 法則として悪は心にあるんですね。…

五戒とお酒(5・最終回)五戒で戦う「相手」

(五戒とお酒(4)ストレス発散法なのでは?より続きます) それで、五戒の三番目ね。邪な行為をしない、と言うのがあるんですね。 パーリ語では、カーメース(Kamesu)と言う言葉で、これは「五欲」なんです。*1 後で、注釈的にお釈迦様もカーメースを「邪…

五戒とお酒(4)ストレス発散法なのでは?

(五戒とお酒(3)酒は百薬の長なのでは?より続きます) そういうふうにわれわれの生き方が間違っているんだから、道があるのにそれを選ばないんだから、そういうトラブルが世にあるんですよ。 会社でうまく行かないんだからストレスが溜まって酒を飲む。 …

五戒とお酒(3)酒は百薬の長なのでは?

(五戒とお酒(2)悟りと食べ物の関係から続きます) そこで、酒の量なんですけどね。 酒は薬の成分としても使う場合があります。なぜならば、薬と言うのは植物でしたから、昔はね。植物の場合は、水に溶けるものと、そのまま服用できるものと、油で溶ける…

五戒とお酒(2)悟りと食べ物の関係

(五戒とお酒(1)より続きます) つぎ、酒の問題に入ります。 酒と言うのは、人間が幸福になる能力を奪うんですよ。酒は細胞にはものすごく毒です。アルコール成分は細胞に毒なんです。 幸せを目指して酒を飲んでいるでしょ? でも毒を飲んでいるんです。 …

五戒とお酒(1)適量ならいいですか?

質問 「五戒の一つにお酒を飲まないということがあるんですけど、お酒を全く飲まないということでしょうか? それとも、適度に飲むならいいのですか?」 回答(スマナサーラ長老) わたしにちょっと教えてください。適度ってどのくらいの量ですか? 質問者「…

安楽死はダメなんですか?

(病気になるのが本当に怖いんですより続きます) 質問者「じゃあ、安楽死っていうのはダメだっていうことですか?」 回答(スマナサーラ長老) 安楽死がダメということでなくて、それも自我でしょう。 わたしには断言否定も断言賛成もできないけれど、自分…

病気になるのが本当に怖いんです

質問 「自我ということに関係するのかもしれませんが、最近、ずっと不安があります。 自分がちゃんと死ねるかどうか、という不安だと気づきました。ちゃんと死ねるかどうかというのは、自分が死ぬということは分かっていると思うんですが、病気になった時、…

刺激や欲があるから頑張れるんですよね?

質問 「安らぎとか、安堵とか、そういうことを目指して生きていることが幸せなのでしょうか? 刺激とか、欲とか、そういうことがあるから勉強したり努力したり、一生懸命頑張ってる人もいると思うのですが、その生き方は幸せではないでしょうか?」 回答(ス…

安倍自民党と野党、どちらが正しい?(ブッダの治療法5・最終回)

(身体は物質なのになぜ成長するのか?(ブッダの治療法4)より続きます) 物質のシステムと、われわれのように生きているシステムに違いがあります。 われわれには感覚と言うシステムがあります。それが心の働きで、それで生きているんです。 そのシステム…

身体は物質なのになぜ成長するのか?(ブッダの治療法4)

(ブッダの出す証拠は科学よりキビシイ(ブッダの治療法3)より続きます) だから人間ならブッダの話を聞くべきなんです。 なのに仏教と言ったとたんみんな引く。尻込みするんですね。どういうこと? それはすごい教えだと分からなかったからなんですね。だ…

ブッダの出す証拠は科学よりキビシイ(ブッダの治療法3)

(「人類」ではなくて「生命」に問題がある(ブッダの治療法2)から続きます) 神様がいるかいないかは、どう頑張っても証拠を出すことは不可能です。 科学者は、証拠がないものは「ない」ことにするんです。 あるバチカンの哲学者が言ったのは、「神様が実…

「人類」ではなくて「生命」に問題がある(ブッダの治療法2)

(この世はなんで問題だらけ?(ブッダの治療法1)より続きます) だから問題が起こるはずがないんです。 われわれは社会の決まりを破ろうとはしない。法律を犯そうとはしません。 税金払えと言ったら払っている。消費税は、私は払いたくないけど一応取り上…

この世はなんで問題だらけ?(ブッダの治療法1)

(東京・法話と実践会 2015.04.29 スマナサーラ長老 期間限定公開動画http://www.ustream.tv/recorded/61671391 よりメモしました) 人間はすべて、やっていることは生きることを支えてあげようということなんですね。 ですから、すべての人間が同じ目的で頑…

都市部と田舎、それぞれの解決法【殺生】後編

(ネズミ・ゴキブリ問題を解決する【殺生】前編 より続きます) スリランカは日本より自然の中に家があります。 しかも、窓は永久的に開けっ放し。ドアは夜になったら閉めますが、カギはかけません。カギをかけて家を出る用事があるときは、カギを探すのが大…

ネズミ・ゴキブリ問題を解決する【殺生】前編

質問 「家でネズミが出て困っている。 駆除するためには、殺虫剤ほか捕獲のシートなど道具を使うことになる。生きとし生けるものは幸せでありますようにと実践してる身なのでそういうわけにもいかない。 かつてそういうことで捕らえたことがあるが、すべて駆…

「生きとし生けるもの」が、もし亡くなってたら?【慈悲の瞑想】

質問 「慈悲の瞑想は、死者にはしないということで、一方、回向は死者にします。 厳密に考えて、生きとし生けるものの中に知っている人をイメージで入れたとしますね。その人がもし死んでいたら、と考えると、わたしが生きていると思っている人が幸せであり…

心で心を観察することは可能ですか?

質問「瞑想中、心で体を観察しますが、心で心を観察することは可能ですか?」 回答(スマナサーラ長老) それは可能です。 体を観察していくと、自然に心が見えてきます。体のことはそんなに複雑ではないんだからね。 いくら観察しても余裕が出てきて、心を…

誰とも戦わないで調和する。でも腰抜けではない(ウェーサーカ祭2009)3

(ブッダの言葉は断言的に正しいか(ウェーサーカ祭2009)2より続きます) ある経典で、お坊さんが在家の人に質問したんですけど、「この言葉の意味を知っていますか?」と。 在家の人は「わかりません」。お坊さんは「お釈迦様がおっしゃった言葉です」と…

ブッダの言葉は断言的に正しいか(ウェーサーカ祭2009)2

(「唯我独尊」の真意(ウェーサーカ祭2009)1 より続きます) 仏教は、ただ瞑想するだけで仏教ではないんです。 仏教はすごく負けず嫌いの教えなんです。何をやっても負けない。初めて料理する人が料理をしても、仏教徒なら決して負けません。何とか工夫し…

「唯我独尊」の真意(ウェーサーカ祭2009)1

(ウェーサーカ祭2009.05.17 スマナサーラ長老法話 http://www.voiceblog.jp/sandarepo/864285.html よりメモしました) ウェーサーカ祭なので、ブッダについていくつか紹介したいと思います。 この世の中で、生まれてすぐ歩いた、というのはお釈迦様だけで…