智慧の扉
怠けとは何でしょうか? 貪瞋痴の中の貪りではないことは確かです。貪りとは欲のグループです。欲しいものがあれば、人は怠けずにそれを追いかけて頑張ります。この場合は、怠けが働きません。つまり、欲があれば行動的になるということです。また、怒りも人…
「嘘をつくなかれ」とは世界の普遍的な道徳で、仏教でも五戒の一つに入っています。ただし、世間一般の人が守る「嘘をつかない」ことと、預流果に達した聖者のそれとは、実は中身が違うのです。世間では「嘘を言葉にしない」という意味で道徳を守っています…
この法話は、スマナサーラ長老の「2023年11月12日 ゴータミー精舎カティナ衣法要記念法話」より編集したもので、 パティパダ−2024年2月号に特別掲載されました。(パティパダーは日本テーラワーダ仏教協会の月刊誌です) ・・・・・・・・・・・・・・・・・…
私たちは自分の死に怯え、恐怖や不安を感じます。「死にたくない」と思って怯えているのに、実はこの「死にたくない」という気持ちが生命を生かしているのです。言い換えれば、「呼吸、食事、健康管理、仕事など死なないためにするさまざまな努力によって、…
解脱に達するためには、内的な条件と外的な条件がある。お釈迦様はそう説きました。内的な条件とは、yoniso manasikāra【ヨーニソー マナスィカーラ】(如実作意【にょじつさい】)です。これは先入観・バイアスをはずして物事を認識すること。具体的には、…
仏教は宗教ではないと言うと、首を傾げる方々がいます。しかし、仏教のボキャブラリーには、宗教の世界の常套句である「信じましょう」「祈りましょう」は存在しないのです。その代わりに、しつこいほど繰り返して、「観察しましょう」と教えています。観察…
煩悩には、〈無明〉という親がいます。そして無明には、自ら生み出した数多くの子供たちがいるのです。煩悩は千五百あると言われますが、それらは皆、無明の子供たちです。すべての煩悩の親である無明は、発見することが大変難しいのです。ヴィパッサナー瞑…
生命は無知なので、感情(煩悩)で生きています。 何の証拠もないのに「自分こそが偉いのだ」と思っているのです。そこで他人が自分のことを軽く扱ったり蔑んだりすると、傷ついて怒りや悲しみに苛まれることが多々あります。これは心の問題です。生命は他の…
私たちの心の汚れの原因とは何でしょうか? 色・受・想・行・識【しき・じゅ・そう・ぎょう・しき】の五蘊から楽しみが生まれ、束縛を作ることによって心が汚れます。 では、心を清らかにするチャンスがどこにあるのか? それは、五蘊から苦が生まれるときな…
パーリ経典の中でお釈迦様が笑った記録はありません。お釈迦様や阿羅漢たちは笑わないけれど、全ての苦しみが消えているので、顔が穏やかで微笑んでいるように見えました。私たちが笑うときの心を分析してみると、「予想外だ」「これは変だな」「おかしい」…
お釈迦様は、生滅の流れを発見することが智慧の一つであると説かれました。 現象とは生じては滅する、現れては消える、留まることは一切ない生滅の流れです。川を見ても、建物を見ても、自分自身を見ても、それらは全て変化する流れなのです。これは、全ての…
生きることと感情は互いに支え合っています。 感情があるから命がある、命があるから感情があるのです。私たちがおこなう行為自体に本来なら善悪の区別はありませんが、感情が割り込むことによって、善行為と悪行為に分かれます。たとえば、「座る」ことが善…
十二因縁と「歓喜の言葉」 お釈迦様は、世の中の現象が因果法則によって成り立っているということを覚って、解脱に達しました。その因果法則をわかりやすくするために世間の概念を当てはめて、十二因縁(十二支縁起)として語りました。テーラワーダ仏教の伝…
人間だけではなく全ての生命は何かを探し求めています。 私たち個人個人も、自分の心の中をよく見れば、自分が何か探しているとわかるはずです。「私は大切なものを探している」という状況です。「その大切なものとは何?」と聞かれると「えっ?」となって答…
お釈迦様が、女性について語った言葉がいくつかの経典に残されています。 お釈迦様が語ったのは、女性が持つ心理学的な弱点です。それは女性蔑視ではなく、普遍的な法則に基づくアドバイスでした。性別を持って生まれる我々は、女性や男性としての生き方が一…
【智慧の扉】「足るを知る」とは パティパダー2022年11月号 A.スマナサーラ お釈迦様は「足るを知る(知足)」という生き方を推奨しています。パーリ語でsantuṭṭhi【サントゥッティ】と呼ばれる知足については、難しく考えず、ごくごくシンプルに理解して欲…
この記事は日本テーラーワーダ仏教協会月刊誌「パティパダー」の連載記事「智慧の扉」を、許可を得て転載したものです。 「智慧の扉」はスマナサーラ長老の法話を編集させていただいたコラムです。 ーーーーーーーーーーーーーー 2022年10月号智慧の扉 どう…
この記事は日本テーラワーダ仏教協会・月刊誌パティパダー2022年9月号の「智慧の扉」として掲載されたものです。 「智慧の扉」はスマナサーラ長老の法話より編集させていただいたコラムです。 パティパダー(送料込み600円)のご購入は日本テーラワーダ仏教…
この記事は日本テーラワーダ仏教協会の月刊誌「パティパダー」より転載いたしました。 ☆*:.。. .。.:*☆ パティパダー2022年8月号 智慧の扉2 「何年も瞑想しているのに、なぜ結果が無いのか?」 A .スマナサーラ 覚った人は、常に今の瞬間にいるのです。 今の…
この記事は「パティパダー2022年8月号」のコラム「智慧の扉1」から転載しました。 「智慧の扉」はスマナサーラ長老の法話を短く編集させていただいたものです。 *・゜゚・*:.。..。.:*・・*:.。. .。.:*・゜゚・* パティパダー2022年8月号 智慧の扉1 「サテ…
この記事は、2022年7月号 智慧の扉「慈悲の瞑想はなぜ嫌われるのか」として日本テーラワーダ仏教協会誌パティパダーに掲載されたものです。 内容はスマナサーラ長老の法話から編集させていただきました。 ここでは許可を得て転載いたします。 ☆*:.。. .。…
「智慧の扉」は日本テーラワーダ仏教協会誌パティパダーのコンテンツです。 スマナサーラ長老の法話から編集させていただきました。 ここでは許可を得て転載いたします。 ˚✧₊⁎⁎⁺˳✧༚˚✧₊⁎⁎⁺˳✧༚˚✧₊⁎⁎⁺˳✧༚ 【智慧の扉】業を攻略し、業から脱出する A.スマナサー…
最新のパティパダー2022年5月号より【智慧の扉】を許可を得て転載いたします。 【智慧の扉】は、スマナサーラ長老のご法話を編集させていただいたもので、パティパダーを開くと最初にある記事なので「智慧の扉」と名付けられています。 ーーーーーーーーーー…
この記事は日本テーラワーダ仏教協会月刊誌「パティパダー」2022年4月号に掲載された「智慧の扉」を転載いたします。 「智慧の扉」はスマナサーラ長老の法話をもとに編集いたしました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 智慧の扉 十二因縁イコー…
スマナサーラ長老の法話から編集させていただいた、 パティパダー2022年3月号掲載の智慧の扉「ディレクターの視点で観察する」 を許可を得てここに転載いたします。 日本テーラワーダ仏教協会月刊誌パティパダー(送料込み600円)のお問合せは、協会事務局ま…
この記事はスマナサーラ長老の法話を編集させていただき、 【智慧の扉「 他人をジャッジしない修行」】というタイトルで「パティパダー2022年2月号」掲載されました。 ここでは許可をいただいて転載いたします。 ーーーーーーーーーーーーーーー 2022年2月号…
(この記事はスマナサーラ長老の法話を編集させていただいたものです。2022年1月号パティパダーに掲載されました。ここでは許可を得て転載いたします) 智慧の扉 すべての問題を解く鍵 人生にはいろいろな問題が起こります。 しかし、どんな問題にも乗り越え…
パティパダー(日本テーラワーダ仏教協会月刊誌)には「智慧の扉」という、表紙を開けたところに掲載されているスマナサーラ長老の法話があります。 2021年12月号 の智慧の扉は「人に教えるにはウペッカー(捨)が必要です」というタイトルで、スマナ…