ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ウーマンズマーチに参加した5人の仏教徒たち

トランプ大統領就任と同時に、反トランプデモの " ウーマンズマーチ " がアメリカ国内で行われた、とニュースで聞いた。 そこには仏教徒も参加していたそうだ。 次の記事は、その様子をインタビューしたものだ。 Meet Five Buddhists Attending the Women’s …

先祖供養について

質問 「先祖供養について教えてください」 回答 (スマナサーラ長老談) 先祖供養は文化的なものであると、まず理解しなくてはいけないんですね。 西洋文化やイスラム教文化ではあまり先祖供養はしません。 亡くなられた方々を思うのは、人間として恩を知っ…

日野原重明「僕は頑固な子どもだった」

今年106歳になる日野原重明医師の自伝エッセイ。 鈴木大拙の最期をみとった医者は日野原氏だったそうだ。先日ここでもご紹介した「東京ブギウギと鈴木大拙」にも書かれていた。 鈴木大拙は腸閉塞で重篤な状態になって、聖路加病院に入院したという。 私は「…

1月のおてらおやつクラブ

もう1月も、のこり数日です。 来月はバレンタインデーと呼ばれる「チョコレートの日」があります。 おてらおやつクラブのQ&Aにこんな個所が。 Q7. お寺ですがクリスマスのお菓子を入れても良いですか?A7. はい、ぜひお送りください。季節やイベントに合わ…

みんな ″origin″ を探している

Origin(オリジン)って言っても、オリジン弁当のことじゃないですよ。(長老ギャグを真似しました) わたしたち人間というのは、思考の癖で、origin(おおもと)を探してしまうのだそうです。 スマナサーラ長老のたとえ話によると、 たとえば、針金と紙でち…

なぜ人は祈るのか?

なぜ人は祈るのでしょうか? パーリ経典解説《スッタニパータ5彼岸道品3学生プンナカの問い》 のなかの、スッタニパータ1052.(PTS.1046)で、お釈迦様が、祈祷することで生老病死は乗り越えられない、とおっしゃっていました。。 それでも、わたしはまだ…

冥想を頑張る人が陥る悩み

前回 は、お釈迦様が普段は使わない一人称の動詞 brūmi(ブルーミ)を使って、「わたしは自分の責任において次のように断言します」と、阿羅漢とはいかなるものかと表明した、おどろきの発言をご紹介しました。 今回の「スッタニパータ5彼岸道品3学生プン…

もう一つのbrūmi(ブルーミ)《パーリ経典解説 学生プンナカの問い》

brūmi(ブルーミ)という言葉は、お釈迦様による「保障つきの言説」を意味すると、前回 のブログでご紹介しました。 さて、もう一つのbrūmi(ブルーミ)はどこにあるのでしょう? 1054.(PTS.1048) ‘‘Saṅkhāya lokasmi paroparāni [parovarāni (sī. syā.)], …

パーリ経典解説《スッタニパータ5彼岸道品3学生プンナカの問い》

1/20(金)にスマナサーラ長老のパーリ経典解説がありました。 解説した経典はスッタニパータの「学生プンナカの問い」です。 「学生」というのは、仙人グループの中のお弟子さん、という意味だそうです。 このお経は、先生である仙人とそのお弟子さんたちグ…

慈悲の冥想の「覚りの光」とはなんでしょうか?

質問 「慈悲の冥想の中に、『覚りの光が現れますように』という部分がありますが、覚りの光とはなんでしょうか?」 回答 それは文学的な表現なんですね。 昔から、智慧と無知は、光と暗闇と文学的に表現されます。 お釈迦様も「覚りました」と表現したときは…

その島のひとたちは、ひとの話をきかない

その島のひとたちは、ひとの話をきかない 精神科医、「自殺希少地域」を行く (森川すいめい著 青土社 2016.07) 自殺で亡くなる人が少ない地域が、日本の中にあるという。 その土地は、ほかと何が違うのか。 タイトルは「その島のひとたちは、ひとの話をき…

ヴィパッサナー冥想をしていますが、自己流でやっているせいかうまくいっていません。

質問 「ヴィパッサナー冥想をしていますが、自己流でやっているせいか、うまくいっていません。 実況中継で思考を止めて、自分の感情に気づいたんですけれど、その感情をいくら実況中継しても消えないでずっと残っています。 こういう場合は、どうしたらよろ…

こぼれ話--新春講演会「莫妄想と考える力」

前回 はスマナサーラ長老の講演会「莫妄想と考える力」の全体を聴いた感想など書きましたが、今回は法話のメインからちょっと外れた、こぼれ話をいくつかご紹介します。 自分の走り書きメモの中に、「おもしろい」(興味深い、という意味です)とマークされ…

初期仏教新春講演会「莫妄想と考える力」2017.01.15

スマナサーラ長老の講演会「莫妄想と考える力」を聴いてきました。 「莫妄想【まくもうぞう】」とは「妄想すること莫(なか)れ」という意味だそうです。 妄想ってなに? ところで、妄想ってなんでしょうか? 思考と何が違うのでしょうか。 思考というのは客…

あらわになると輝き、隠されると輝かないもの

比丘たちよ、 あらわになると輝き、隠されると輝かないものが三つあります。 その三つとはなんでしょうか。 月はあらわになると輝き、隠されると輝かないものです。 太陽はあらわになると輝き、隠されると輝かないものです。 如来の説かれた真理と戒め(実践…

日本の宗教嫌い、あなたの宗教嫌い

昨年末のスマナサーラ長老の法話会で、こんな質問がありました。 「テーラワーダ仏教協会に来たりお布施をしたりすることについて、だまされているのではないかと、親から反対されます。協会に行くと言いづらくなり、かと言って嘘もつけないし、一体どうした…

自殺と「いじめ」の仏教カウンセリング

「自殺願望? みんなにあるんだよ」 というドキッとする一文もある、こちらの本。 自殺と「いじめ」の仏教カウンセリング Kindle版 アルボムッレ・スマナサーラ(著), 「kindle untitled 読み放題」にも入っていて、先月23日に出ました。 怒りの分析や子育て…

スマナサーラ長老が冥想を始めた理由

質問 「長老はなんで冥想を始めたんですか?」 回答 仏教は宗教じゃないので、理論だけやっても意味がない。仏教はまず教義がありまして、それから実践してヴェリファイ(verify 証明する)する。そういう三段階があります。Principles, practice, verificat…

原始仏典―その伝承と実践の現在― (サンガジャパンVol.25)《スッタニパータ(経集)第五『彼岸道品』一、アジタ仙人の問い〔前編〕》

原始仏典――その伝承と実践の現在―― (サンガジャパンVol.25) 今月出たばかりのサンガジャパン。さっそくページを開いた先は、「スッタニパータ(経集)第五『彼岸道品』一、アジタ仙人の問い〔前編〕アルボムッレ・スマナサーラ」です。 この連載のもととなった…

人が《成人》になるためにするべきこと

今日は成人の日ですね。それでは成人になりましょう(笑)。 歳を取っただけで、人間というのは成人にはなれません。 われわれは生まれたときから感情で、わがままで生きています。また凶暴な人々は、他人に迷惑をかけてまで幸せになろうと頑張っていますけ…

東京ブギウギと鈴木大拙

東京ブギウギと鈴木大拙 山田奨治著 人文書院 2015年 なんと、戦後を代表する歌謡曲「東京ブギウギ」の作詞は鈴木大拙の息子、鈴木勝(アラン)だったそうです。 鈴木大拙は、禅をヨーロッパやアメリカに紹介した偉大なる学者ですが、ずいぶんと子育てには苦…

君たちはいいね。好きなだけ駆けれるから

「この世界の片隅に」の原作を読んだのですが、 白木リンさんとはこういう人物だったのですか……! 映画 *1 では白木リンさんはあまり出て来ませんでしたね。 こうなるともう、周作さんのイメージも激変してきます。そして、主人公すずとの電撃結婚のわけも、…

仏教を知らないことで問題が起きる

山口県誓教寺さんが数か月ごとに出されている寺報「つきなみ」は、いろいろ学べるのでおすすめです。 今年の元旦号《誓教寺報 つきなみ 2017.01.01》の目次は、 仏教と文化②「文化は変わるが壊れない」 天宮事経(四十四)「大麦畑の見張り人の天宮」「耳飾…

守るべきもの

《スマナサーラ長老法話 2007.04.09 ブッダの誕生日(はなまつり)にちなんで https://www.youtube.com/watch?v=3BYCITvRDtE より、法話めもとしてまとめました》 昨日、花まつりがありましてそちらに参加しました。 花まつりがあったのは山口のほうで。 花…

「脳はいかに意識をつくるのか 脳の異常から心の謎に迫る」ゲオルク・ノルトフ著、高橋洋訳

脳はいかに意識をつくるのか 脳の異常から心の謎に迫る ゲオルク・ノルトフ著、高橋洋訳 白揚社 2016.11 この本は、著書によるとこのような内容だという。 「わたしの目的は、不健康な脳から健康な心を推論することだ。それによって、哲学者が心や脳と呼ぶも…

執着を溶かす『呪文』

昨年末に行われた、スマナサーラ長老の年末特別法話のメモ書きです。 ” 最終的にこころが清らかになるには、「呪文」があるんですね。 その呪文を唱えてください。何か悩んでいるときは、「これが執着だ」と。「執着があるんだ。何かに引っかかっている。そ…

あけましておめでとうございます 2017

あけましておめでとうございます。 昨年末は、おてらおやつクラブへの呼びかけ に、たくさんのご賛同をいただきまして、ありがとうございました。 金積寺(こんしゃくじ)さんがFacebookに、皆さんから送っていただいたおやつの写真をたくさん載せてください…