今月5日、スマナサーラ長老による講演会がありました。
タイトルは「心の弱みと闘う~避けては通れない道を行く~」。
心の弱み……。
一般的に弱みと言えば、短所のことですね。怒りっぽいとか、人になめられやすいとか、飽きっぽいとか。
誰しも自分の短所は直したいものです。
短所の直し方を教えてくれるのかな? という淡い期待は、残念ながら早々に打ち砕かれます。
「(性格的な短所など)そういう考え方自体が差別です」と長老。
普遍的な問題
— 梛 (@jtba_talk) March 5, 2016
・あがり症、内気…のような言葉は差別的です。
・他人と比較して、考える概念です。
・一切の生命に心の弱みがあると理解しなくてはならないのです。
・生きていきたいという気持ちがある限り、こころが弱くて、揺らぐのです。
エゴで比較すること自体が差別なんです、仏教では。
わたしたちの世間と、仏教の出世間の常識は違うということを再確認。
【動画前半57分頃】ここから世間の話から、ブッダの心理(真理)に視点を変える。「見方がガラッと変わります」。「弱みがなければ命もない」しかし「弱みをなくすのが仏陀の道」。そこで生きる目的の転換と実際どうやればいいかを後半で解説。 https://t.co/ggY9ykvySA
— チエリ (@thierrybuddhist) March 6, 2016
動画というのはこちら。
http://www.ustream.tv/recorded/84092952 (前半)
前半後半に分かれています。公開期間は約一か月くらいのようなのでお早めにですよ。
【動画後半】鱗ポイント。煩悩を二つに分けること。小欲知足ということだがここでは一歩進んで「無理をしない」というヒント。贅沢を忌避するのではなく贅沢を追及するのでもなく、客観的視点を持つこと。金銭だけでなく知識もいくらでも必要は危険。 https://t.co/WgTjxysrEc
— チエリ (@thierrybuddhist) 2016年3月6日
「バナナをそのまま剥いて食べればいいのに、チョコレートをかけたり、揚げて砂糖をかけたり、そういう『贅沢』がかえって健康を壊しているでしょう」という説明に納得しました。
だからと言って、「チョコレートなんかかけないぞ!」となるのではなくて、「これはちょっと煩悩が拡大している」と確認すればよい、ということです。
これはどういう仕組みかというと、「拡大煩悩だ」と確認することでそれ以上、その煩悩は拡大しなくなり、確認をその都度繰り返すことによって、次第に縮小していくということかなと思います。
これは、ふだん、食事の支度で「確かにその通りだ」と感じます。
油と調味料をたっぷり使ったり、いろいろと贅沢な材料を入れると味がグッとよくなる気がしますが、そこに拡大煩悩が潜んでいるのかも。
「拡大煩悩だ」と確認することがなければ、使う調味料の数は増え続け、どんどん「もっとおいしい材料を!」となっていってしまうでしょう。
「確認」、大事ですね。
7生命は平等
— 梛 (@jtba_talk) 2016年3月5日
・個として観ると生命は平等ではありません。
・生命と一般的に言うが、色受想行識という五つの流れに仮に生命というだけです。
・自分のことも、他人のことも様々な色受想行識の流れとして観られるような訓練をします。
・個という気持ちが減るとこころの弱みも消えるのです。
人を見ても「色受想行識」*1と観る。
猫を見ても虫を見ても、「色受想行識」。
やってみるとちょっとおもしろいです。
相席になった人がなんかヤな感じ……と思っても、「色受想行識」と観れば、嫌な感情もそこでストップします。不思議だ。
あと、へ~!と思ったポイントが…
【動画前半50分過ぎ】チェック。子育てにも応用できそう。それと未成年犯罪者に対して厳罰化の傾向があるけれど、更生の道でもっとやれることがあるのかな。成年犯罪者にも厳罰化ではなくて、更生や福祉での対応が再犯率を抑えるという。 https://t.co/yGuqv3J8SS
— チエリ (@thierrybuddhist) 2016年3月6日
これは業の管理方法でも同じやり方が紹介されていましたね。
罪を犯した人間が逃げることはできないんでしょうか? - 瞑想してみる
もう一つは反対の行為をすること。
行為をしてその結果が出ますね。次から次へと反対の行為をすると、その結果がすごく柔らかくなっちゃって、もしかすると気にならない程度になっちゃうかもしれません。
つまり「善行為をしなさい」ということですが、それもただ善いことをするだけではなくて、すでにしてしまった悪行為と真逆の善行為をするということですね。
この、「善行為の分野を絞る」ということは憶えておきたいワザです。
以上、わたしが特に気になってメモしたところでした。
みなさんはいかがでしたか。
次回の講演会は、『立ち止まらず、もう一歩前へ ~勇気を出して概念を手放せ~』、 日時は来月・4月9日(土)14:00~16:30(終了予定)です。 詳細&申込はこちらから↓
過去の月例講演会メモ:
「なぜブッダを念じると幸福になるのか? ~覚者の徳を学ぶ意味~」 ( 2014年9月6日)
速報?Twitter初期仏教 公開講座『継続力 ~目的に達するために~』講師:スマナサーラ長老
初期仏教月例講演会 『するべきことがわからない?~それぞれの役割と責任~』
スマナサーラ長老・月例講演会「違うって素晴らしい こだわりをなくす智慧の道」2015.07.18
東京月例講演会「徳のある人ない人、あなたはどっち? こころを豊かにする財産運用」2015.10.18(日)