ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

テーラワーダでは覚りの認可制度がありますか?

質問 「ニッバーナ(涅槃)についてお伺いしたいです。 ニッバーナの証明方法、認証方法についてですが、禅宗ですと、師匠に認可というか『ニッバーナに達しましたよ』と証明を第三者からしてもらうという形式があるかと思います。 テーラワーダの場合は、あ…

慈悲の冥想をやっても歯が立たないとき

質問 「人間関係でトラブったときに、怒りのこころが燃えたぎってしまって、胸に痛みを感じて、胸糞悪い状態になったときに、そういう時に慈悲の冥想をやっても歯が立たない。 そういう状況になったときにどうしようと、胸の痛みの感覚を実況していくと、比…

教師としての心構え

質問 「中学教師をしていまして、四月から授業だけでなく、担任を持つことが決まりました。 中学教師としての心構えを教えてください」 回答(スマナサーラ長老) 子供というのは言うことを聞かない存在だと思えば。 それだけです。 どうしてもいうことを聞…

嘘をつき通すべきか否か?

質問 「過去にやった失敗が、ひどく他人を傷つけた場合、どうすればいいですか?」 回答(スマナサーラ長老) 謝ればいいでしょう。 質問者 「たとえば、その失敗の事実を伝えたらものすごく傷つけてしまうと思うんですけど……」 回答 そこら辺は、論理的に考…

最終回 - 言葉遣い(4)

(前回 意味のある言葉で冥想が成り立つ - 言葉遣い(3)から続きます) 話がちょっと行き過ぎですから、元に戻ります。 言葉には一応、決まっている、既定の感情があります。 われわれにはそれを入れ替えたりする自由があります。だから言語というのはもの…

意味のある言葉で冥想が成り立つ - 言葉遣い(3)

(前回 器より中身が大事 - 言葉遣い(2) から続きます) ひとつ言葉を取ったら、その言葉に規定で決まった感情があるんだからね。 辞書に載っている意味が。 それを回転させることによって、こころを清らかにさせる。 たとえば、「生きとし生けるものが幸…

器より中身が大事 - 言葉遣い(2)

(前回 良い感情で良くない言葉を使うことは可能か? - 言葉遣い(1)から続きます) 言葉に困ることないんですね。 どんな言葉を使ってもいいんです。 でも、言葉は器(うつわ)で、気持ちを運ぶものですからね。 だから器の形よりは、中身の気持ちが大事…

良い感情で良くない言葉を使うことは可能か? - 言葉遣い(1)

質問 「冒頭のお話で、*1 言葉でなくて思考が大事だということでした。 その思考(感情)をするにも、言葉を使ってやるかと思います。 言葉と感情が一致していればいいんですけど、「言葉は良くないけれど良い感情でいる」ということは可能なんでしょうか」 …

過去に囚われてしまう

質問 「今日のお話で、よい運転手であれということがあったんですけど、*1 わたしの場合は過去にとらわれてしまいます。 過去の失敗とか嫌な記憶を思い出してしまいます。それでかえって感情の起伏が激しくなって周りの人にあたったりしてしまいます」 回答…

自分の心がすべて決めるなら、運命やカルマに左右されないのか?

質問 「冒頭のお話*1 は、自分のこころは自分で決める、ということと理解しましたが、運命とかカルマに左右されないんですか?」 回答(スマナサーラ長老) カルマっていうのは、自分の思考が作る結果でしょう。 今までのあなたの思考であなたを作っているん…

歩くだけなのに、うまくいきません - ヴィパッサナー実践

質問 「歩く冥想をしております。 教えていただいたようにしようと思いまして、ちゃんと、右足上げます、運びます、下ろします、左足上げます、運びます、下ろします、とやり始めております。 そこで、起こったことは、自分の観察と体の動きの一致を観るとい…

冥想中、思考がないような状態になりました

質問 「スマナサーラ先生のご本を読んで、日常生活の冥想というものをやっているんですけれど、そのときに、思考のない状態になりました。 自分が、自分じゃないものを見つめているということに入ることがあります。 長続きはしないんですが、そういうのはい…

最終回 - 病とこころ(4)

(前回 ダンマパダ第一・二偈 - 病とこころ(3)から続きます) ですから、真理を科学的にみるとそういう話になりますね。 こころが物質を維持管理している。だからわたしたちは幸福になりたければ、自分の思考パターンを直すんです。正すんですよ。人間な…

ダンマパダ第一・二偈 - 病とこころ(3)

(前回 こころが全部やっている - 病とこころ(2)から続きます) 人が何を思うか、その思いが結果を出しています。 ダンマパダの第一と第二偈では、それを教えている。*1 いろんなところで説かれていますけど。 わかりやすく言えば、皆様がものすごく嫌い…

こころが全部やっている - 病とこころ(2)

(前回 投げられた石に噛みつく - 病とこころ(1)から続きます) たとえば、アルコールを飲んで車を運転するたびに事故を起こすわけじゃないでしょう。 酔って車を運転している途中でぶつかる場合もある。到着して車を止めるときにぶつける場合もある。あ…

投げられた石に噛みつく - 病とこころ(1)

<スマナサーラ長老 - 東京法話と実践会 2016.03.13 http://www.ustream.tv/recorded/84412689 を聴いて書きました> わたしたちは何者か。 どのような人間になるのか。 将来はどうなるのか。 今どうなっているのか。 そういうふうに、一般的に、常識的に考…

「心の弱みと闘う~避けては通れない道を行く~」スマナサーラ長老-東京月例講演会-2016.03.05

今月5日、スマナサーラ長老による講演会がありました。 タイトルは「心の弱みと闘う~避けては通れない道を行く~」。 心の弱み……。 一般的に弱みと言えば、短所のことですね。怒りっぽいとか、人になめられやすいとか、飽きっぽいとか。 誰しも自分の短所は…

最終回 - 功徳(11)

(前回 知識とは何か - 功徳(10)から続きます) わたしの家にあるパソコンが壊れました。 突然壊れてしまったんです。ネットでニュースを見ていただけなんですけど。こちらのパソコンも、同じように壊れちゃったんです。同じ故障です。 そんなものなんで…

知識とは何か - 功徳(10)

(前回 脳は自分で自分の首を絞める - 功徳(9)から続きます) そういうことで、わたしたちがこれからヴィパッサナー実践をしても、簡単だ、単純だ、チョロイやと思わないでください。 これは能力が開発されるんです。 固定概念を持って来てやるんじゃない…

脳は自分で自分の首を絞める - 功徳(9)

(前回 信用できない脳 - 功徳(8)から続きます) たとえば小説を読むでしょう。 これって完全な嘘でしょう。映画を観るでしょう。 映画ってホント? 完璧嘘でしょう。 スターウォーズとか、本当? ただのコンピューターで作った画面に人間の顔をつけてい…

信用できない脳 - 功徳(8)

(前回 ラーフラ尊者へのアドバイス - 功徳(7)から続きます) 言葉をしゃべるときも同じことです。 考えるときも同じフォーマットで考えてください。何か思考が出たら、「これは善思考か、悪思考か」。悪思考だったら直ちにやめてください。そういうふう…

ラーフラ尊者へのアドバイス - 功徳(7)

(前回 うんこで健康 - 功徳(6)から続きます) 自分の脳が正しいと思わなきゃ、今しゃべっている言葉さえもしゃべれないんです。 今わたしがしゃべっているでしょう。脳で、「はい、次はこの言葉、次はこの言葉」と決めたものを表に出しているんです。し…

うんこで健康 - 功徳(6)

(前回 死随観 - 功徳(5) から続きます) そこで、脳が真理を知らない。 それは当たり前。脳にとっては細胞を生かすためであったら、それが真理です。たとえば、皆様に「腐った食べ物は食べられる?」と聞くと「食べられません」と答える。もうちょっと考…

死随観 - 功徳(5)

(前回 脳の危険なところ - 功徳(4) から続きます) それで脳と言うのは、大胆な仕事をしているわけじゃない。 脳の仕事と言うのは、体の細胞組織を生かす事。しかしいくら頑張っても壊れて死ぬんだということは、脳はわからないんです。だから、脳に死を…

脳の危険なところ - 功徳(4)

(前回 脳の気持ち - 功徳(3)から続きます) ボコハラムという団体は、少女二百人をどこかに連れて行ってしまって、まだ少女たちは戻ってこない。 自分たちは正しいことをしたと思っている。わたしたちは「なんだこれは」と思ったってもね。ボコハラムと…

脳の気持ち - 功徳(3)

(前回 経典のポイント - 功徳(2) から続きます) 存在欲、執着を脱する方法っていうのは、ありのままに物事を観察することなんですね。 だから、お金をあげて、自分のことを可愛がらずにどうでもいいや、という気分になるよりは、本当にこれはどういうも…

経典のポイント - 功徳(2)

(前回 ヴィパッサナー冥想は一番高い徳 - 功徳(1)から続きます) エピソードの中で、それほどの財産をあげたんだけど、それより、たとえば、仏法僧に帰依している人に食事ひとつあげたら、百倍徳が高い。 それより五戒を守っている人にあげたら、百倍は…

ヴィパッサナー冥想は一番高い徳 - 功徳(1)

<スマナサーラ長老 関西月例冥想会 2016.1.17 午後の部よりかきました https://www.youtube.com/watch?v=-RPBzse6tjU> ヴィパッサナー冥想は、一番高い徳になります。 ヤサ長老が今、ある経典を勉強しています。その経典は、インドネシアのヤンゴンにいた…

父が倒れる。そして臨死体験か

この間、父が倒れてしまいました。 父は心臓の不調を訴えて、検査のため入院していたのですが、そこへわたしたちがお見舞いに行ったら、「やあ、いらっしゃい……」と言ったまま、前へ、どーん、と。 倒れたまま、しーんとして動いていませんでした。 でも数秒…

最終回 - 新年法要2016(15)

(前回 全部お布施するなんて - 新年法要2016(14) から続きます) 「生きていきたい、ということが幻覚である」というのは覚るときの話で、皆様にはそれは幻覚ではないんですね。皆様には、生きるということは、すごく具体的な、じりじりとした事実でし…