ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

善行為というのはエゴを捨てること - 親の介護が辛くてしようがない(4)

前回 修行が始まった - 親の介護が辛くてしようがない(3) 母親というよりは、宿題の塊なんですね。 介護をしなくてはいけない「お母さま」ではなくて、自分の人格、性格の悪さも知り尽くしていて、次から次へと宿題を出してくれる「宿題の塊」です。 そう…

修行が始まった - 親の介護が辛くてしようがない(3)

前回 道場 - 親の介護が辛くてしようがない(2) ですから、わたしたちは道場にいて修行中です。 人間は誰だって修行しなくちゃいけないんです。仕事をするために生まれたわけじゃないんです。ご飯を食うために生まれたわけじゃないんです。友達としゃべっ…

道場 - 親の介護が辛くてしようがない(2)

前回 親の介護が辛くてしようがない(1) 結婚にしたっても同じことです。 業が絡んでいるんです。お互いの貸し借り状態に合わせて、夫婦生活は喧嘩ばっかりになったり、いろいろ仲良くするんだけどときどき喧嘩したり、一度もケンカにならなかった夫婦もい…

親の介護が辛くてしようがない(1)

質問 「母の介護をしています。 わたしが一人で介護をしていますと、怒りが爆発してしまいます。辛くてしようがない状態が続いております。 自宅ではなく介護ホームに入れなさいと言われ、探しましたが、入れるようなところは見つかりません。 ひとりで看て…

物事は流れる - 冥想ができなくなってしまいました(4・最終回)

前回 宿題 - 冥想ができなくなってしまいました(3) 雨が降ったことはネガティブ? ポジティブ? どちらでもないでしょう。ぶっ続けで二、三週間雨が降っても、それはネガティブでもポジティブでもないんです。 しかし、人間の主観でそれを見ると「ああ、…

宿題 - 冥想ができなくなってしまいました(3)

前回 Life is a school - 冥想ができなくなってしまいました(2) 質問者の方にしても、子供のことを思いだしてガクーンと落ち込んでしまった。 いいんです、それは。これが宿題です。 どうやって学ぶのかというと、自分勝手でわがままで、自分の好みで生き…

Life is a school - 冥想ができなくなってしまいました(2)

(前回 冥想ができなくなってしまいました(1) ) われわれは、一般人に言うことがあるんですよ。 「悪い仲間と付き合うなよ」とかね。たとえば、酒は嫌いなんだけど、でも友達が……と言う場合は、「だったらその友達から離れてください」と言わなくちゃい…

冥想ができなくなってしまいました(1)

質問 「わたしは冥想を始めて七年くらいになるんですが、ここ最近はもっぱら座る冥想をやっています。 というのは、歩く冥想をすると妄想がすごく出てきてしまって。座る冥想のほうが妄想が少ないので、一時間くらい毎日やるようにしていたのですが……。 全体…

ケーマー長老尼 - 十二因縁(13・最終回)

(前回から続く 無明を破るきっかけは「実体論」 - 十二因縁(12)) そこで例を出しますけど、ろうそくの炎が有る。炎が「有る」と思っちゃうでしょう。 でも、有るではなくて、瞬間に「有る、有る、有る」ではなくて、「有る、無し、有る、無し」なんで…

無明を破るきっかけは「実体論」 - 十二因縁(12)

(前回 今もわれわれは転生しつつ - 十二因縁(11)から続く) わたしたちが冥想してこころを清らかにしたいというところで、きっかけになるのは、物があるという実体論なんです。 これどうしようもないんですよ。眼に何か触れなきゃ見えないんですよ。触…

今もわれわれは転生しつつ - 十二因縁(11)

(前回 生きていきたいという根拠のない気持ちは、根拠のある感覚のせい - 十二因縁(10) から続く) 生きていきたいと言っても、結局は、眼で見たい、耳で聞きたいだけの話ですけど。 無知だから、それは生きていきたいということだと、さらに解説する。…

生きていきたいという根拠のない気持ちは、根拠のある感覚のせい - 十二因縁(10)

(前回 渇愛は三種類 - 十二因縁(9) から続く) 話に戻りましょう。 人間がいる。この人間が生きていきたいという存在欲と恐怖感で生きているんだけど、それをちょっと一時的になかったことにする。それから「こいつは何で生きているのかわからないんだ」…

渇愛は三種類 - 十二因縁(9)

(前回 サンカーラとは - 十二因縁(8)から続く) お化粧することはどうやっていやるの? 頭で考える。それから手を動かす。たまにしゃべったりもする。必要な場合は。誰かにお化粧してもらう場合は「こういうふうにしてください」と言ったりする。 結局は…

サンカーラとは - 十二因縁(8)

(前回 トリオ - 十二因縁(7)から続く) 渇愛を取り上げたら、無明も壊れます。 恐怖感がなくなったら、これもまた全部なくなるんです。三つが一つで仕事をするんです。 これは精密な関係です。 水を持ってこいと言えばグラスで持ってくるでしょう。グラ…

無明・存在欲・恐怖感というトリオ - 十二因縁(7)

(前回 無明 - 十二因縁(6)から続く) そういうことで、存在欲がある、恐怖感がある、ということを、まとめて仏教では渇愛と一次元にする。 この二つが、無明がなければ、桁違い、話にならないほどの無知がなければ成り立たないんです。 だから、無明って…

無明(むみょう) - 十二因縁(6)

(前回 因果法則は多次元的 - 十二因縁(5)から続く) 因果法則は多次元的に起こるものなんです。 しかしわれわれは、生きる場合は三次元の世界で生きていて、考えるときは一次元で考えているんです。 考えることも多次元で考えなくちゃあかんだけど、そう…

因果法則は多次元的 - 十二因縁(5)

(前回 遺伝子も「私」ではない - 十二因縁(4)から続く) 一番根幹になることは、生きていきたい、死にたくないんです。 その理由を聞いたら、「わからない」なんです。「教えてください」と。「わたしは生きていきたいんだけど、その理由は何でしょうか…

遺伝子も「私」ではない - 十二因縁(4)

(前回 生きる目的は皆無 - 十二因縁(3)から続く) 科学が知っているのは遺伝子を持っている命だけでしょう。 なんで遺伝子が変化して進化するのかと言うところで、なんの目的もありません。ただそれなりの理由がいろいろあって、そうするしかないだけの…

生きる目的は皆無 - 十二因縁(3)

(前回 生きる目的は何か - 十二因縁(2) から続く) そういうことで、生きる目的はあるのかい、と聞けば、神に作られた者だからその目的は神様が知っていると。 あなたは知っていても知らなくてもいいんじゃない、一応、あなたが置かれている環境で義務を…

生きる目的は何か - 十二因縁(2)

(前回 十二因縁(1)から続く) こういうふうに理解してみましょう。 わたしたちはどんな生命でも、ただ生きていきたいと思っているんであって、それはなんでや? と聞いたらわからないんですね。 生きていきたいでしょ? 誰だって。どんな生命でも。なん…

十二因縁(1)

質問 「中村元先生の著作を読みました。 ブッダが初めて覚りをひらかれたときに、縁起を説かれました、と。 無明、生活作用、識別作用、名称と形態、……と続くのですが、一番最初の無明のあと起こる『生活作用』とは一般に生活するときに起きる作用と考えてい…

最終回 - 夫が家を出て行った(4)

前回 元には戻らない - 夫が家を出て行った(3) そういうことで、現実をちゃんと見て、旦那さんにも「一人で生活できてよかったね。これから元気で頑張ってください」とちゃんと見送ってあげる。 金が欲しければ、しっかりと「金くれよ」と。 男が自由にな…

元には戻らない - 夫が家を出て行った(3)

前回 脱皮 - 夫が家を出て行った(2) どうしても女性だから、なんとかしてあげたい気持ちはずっとあるんですね。 それはなくならないんですね。だったらやることがあるでしょう、世の中でね。掃除してあげる、洗濯してあげる、片づけてあげる、とそういう…

脱皮 - 夫が家を出て行った(2)

前回 夫が家を出て行った(1) そういうわけで、「これから」という言葉を憶えた? 脱皮する感じで、過去を捨てたほうがいいんですよ。今もあなたには、現実に生きている子供たちがいるでしょう? 子供も自分から離れていくし、「これからわたしがどうやっ…

夫が家を出て行った(1)

質問 「夫が家を空けるようになった。どうもそとに女の人がいるよう。 現在、自分の気持ちがどうしようもない状況。 子どもたちもそれを知り、家族で話をしたが夫の気持ちは変わらず。『とにかく自分は自由にしたい』と。 わたしは、どういう風に考え、どう…

思春期の子供への接し方

質問 「高校生の子がいます。 その子が、イライラしたり怒ったり、母親にもえらそうに言ったりします。いつもイライラしている感じがすごくします。 本人がすごく苦しいんだろうなと思っています。でも、話しても結局喧嘩になってしまうので、あんまり言わな…

欲や怒りが絡んでいない「やる気・意欲」とは(後編)

前回 欲や怒りが絡んでいない「やる気・意欲」とは(中編) 池の鯉の例でも憶えておいてください。 鯉にエサをあげると、鯉たちがお互いに競って食べちゃう。それを見ているわたしたちも楽しい。しかし、鯉は何にもやってくれないし、「この鯉食べたい」と思…

欲や怒りが絡んでいない「やる気・意欲」とは(中編)

前回 欲や怒りが絡んでいない「やる気・意欲」とは(前編) 仕事の場合は、わたしに与えられた仕事、わたしに責任のある管轄の仕事は完璧にやるぞと。 誰にも文句言えないようにやっていやるぞというふうに、頑張ってみる。そのときはちょこっとプライドが関…

欲や怒りが絡んでいない「やる気・意欲」とは(前編)

質問 「先ほどの、やる気・意欲のことなんですけど、*1 欲や怒りが絡んでいない『やる気・意欲』とはどういうものですか? また、そういうものを自分でどうやって作っていったらよいのですか?」 回答(スマナサーラ長老) 仏教は、布施という言葉でいろいろ…

慈悲の冥想で泣いてしまいます

質問 「慈悲の冥想をしていて泣いてしまうのですが……」 回答(スマナサーラ長老) 慈悲の冥想をしているときに実況中継ができないのは当たり前のことで、二つの仕事を同時にできないのと同じです。 そのときの状況をチェックして、慈悲の冥想をするか実況中…