ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

食事で気をつけること(2)本当の栄養剤

前回 食事で気をつけること(1) 悲しいときでも歌ってごまかすんです。 悲しみはプラス栄養にならないんです。 それは逆栄養になるんだから、命の生命力が奪われる。マイナス栄養になるんです。 だから悲しみは何とかしてごまかす。 たとえば日本で人が死…

食事で気をつけること(1)

質問 「出家の方は、食事は一日一回とのことですが、在家は食事についてどのように気をつけたらいいですか?」 回答(スマナサーラ長老) 食事については、人間と人間が飼っている動物だけ、ちょっと頭がいかれているところがあるんですね。 ちょっとどころ…

みんなが覚ったらこの地球はどうなる?

前回 無明とバカの違い 質問の後半は、それは思考が、というより、妄想です。 それは捨ててください。 子供だったら妄想するのは当たり前で、それなら面白おかしく答えを出しますけど、大人相手にそういう答えは出したくないです。 子供にも嘘は言わないよ。…

無明とバカの違い

質問 「バカだから生まれてきたのだと、ご著書にありましたが、生まれてこないほうが良かったということですか? もう生まれてきちゃったんですけど(笑)。 もしすべての生命が覚ることができたら、この地球は水と緑の、植物だけの星になるんですか?」 回…

わたしは霊に憑りつかれていませんか?

質問 「昔から、思ってもいないことが口から出たり、金縛りになったり、体が操られたりする感覚になったりします。 冥想を続けることでこういう現象はなくなりますか?」 回答(スマナサーラ長老) あなたは、妄想・迷信・くだらない思考をして、自分の状況…

リストラの不安

質問 「職場に新しい人が来て、自分の仕事が少なくなりそうです。このまま勤められるのか不安です」 回答(スマナサーラ長老) クビになる気配がないんだったら、仕事の量が少なくなって、今までよりもっと丁寧に明るく、お客さんから「あの人はすごいなぁ」…

初期仏教講演会 立ち止まらず、もう一歩前へ~勇気を出して概念を手放せ~ 2016年4月9日(土)

スマナサーラ長老による初期仏教講演会「立ち止まらず、もう一歩前へ~勇気を出して概念を手放せ~」が 4月9日(土)に日暮里サニーホールで開催されました。 期間限定公開中の動画です。視聴はお早めに→http://www.ustream.tv/recorded/85440127 講演会のポイ…

こころが栄養に依存する

前回 人間界の栄養とは レギュラーガソリンを入れるか、ハイオクを入れるか。 ディーゼルの場合も、スーパーディーゼルという煙の出ないものもあるんですね。高いんだけどね。 酸っぱいのは体にいいものなんですけど。 酸っぱいのは嫌だ、シロップをかけたほ…

人間界の栄養とは

前回 阿羅漢にとって栄養とは何か 質問者 「たとえば、地獄の生命は苦しみを栄養にして生きています。天界の生命は喜びで生きています。 であるならば、聖者はどのような栄養で生きているのですか?」 回答(スマナサーラ長老) それは、その車がガソリンか…

阿羅漢にとって栄養とは何か

質問 「栄養についてお伺いします。 聖者になった方々は、栄養に対してどうアプローチしていますか?」 回答(スマナサーラ長老) この「栄養」とはこのタイトルだけで授業をしなくちゃいけないくらいのものですけど、ポイントだけ言います。 栄養は二種類あ…

「戦争は女の顔をしていない」スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ、三浦みどり訳

「戦争は女の顔をしていない」を読んだ。 著者アレクシエーヴィチ氏は去年2015年にノーベル文学賞を受賞している。 戦争は女の顔をしていない (岩波現代文庫) 作者: スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ,三浦みどり 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2016/…

お釈迦様のタイムスケジュール(梵網経①)

梵網経では、お釈迦様は、講堂でお坊様たちがスッピヤ師匠と弟子の話題を話していることを「お知りになって」、講堂へ赴き比丘たちに問いかけた、ということでした。*1 ここで、どうやって「お知りになった」のか? それについて片山一良先生の長部(ディーガ…

(梵網経1 最終回)実は自然な生き方が戒律 - パーリ語経典解説 第十段落

前回 理想的な生き方は出家だけ - パーリ経典解説(梵網経1) 第十段落 または、文化で出家する。 習慣ですから。 スリランカの場合も、親たちというのはまるっきり動物と似ているんだから、子供を産んで育ててみたら、「この子はこの世界では生きづらいな…

理想的な生き方は出家だけ - パーリ経典解説(梵網経1) 第十段落

前回 経典の裏を読め - パーリ経典解説(梵網経1) 第十段落 お釈迦様は、一般人の立場からみれば、想像もできない生き方をしているんですが、お釈迦様自身は「大したことはない」と言う。 これまでは「小戒」です。 「中戒」にはすべて基本的に存在欲に関…

経典の裏を読め - パーリ経典解説(梵網経1) 第十段落

前回 なぜ出家は一日一食か?- パーリ経典解説(梵網経1) 第十段落 それでね、一般人が残酷な生き方をしているわりに、またふざけて喜んでいるんですね。 花を付けたりお化粧したり、踊ったり、歌ったり、音楽を聴いたり演奏したり、そういう俗世間でやっ…

なぜ出家は一日一食か?- パーリ経典解説(梵網経1) 第十段落

前回 「植物も傷つけちゃダメなら何も食べられないでしょう?」に対する答え - パーリ経典解説(梵網経1) 第十段落 一日一食なのも、体もたくさんの命の集まりですからね。 そこに食べ物を放り込んじゃうと、あの細胞組織たちがかわいそうですね。分解する…

「植物も傷つけちゃダメなら何も食べられないでしょう?」に対する答え - パーリ経典解説(梵網経1) 第十段落

前回 パーリ経典解説(梵網経1) - 第九段落 第十段落 「沙門・ゴータマは種子類、草木類を傷つけることから離れている」 <スマナサーラ長老による経典解説http://www.ustream.tv/recorded/84866551 (期間限定公開動画)01:08:00頃より、気になったポイン…

パーリ経典解説(梵網経1) - 第九段落

前回 パーリ経典解説(梵網経1) - 第八段落 第九段落 ‘‘‘Musāvādaṃ pahāya musāvādā paṭivirato samaṇo gotamo saccavādī saccasandho theto [ṭheto (syā. kaṃ.)] paccayiko avisaṃvādako lokassā’ti – iti vā hi, bhikkhave, puthujjano tathāgatassa vaṇ…

パーリ経典解説(梵網経1) - 第八段落

パーリ経典解説(梵網経1) - 第七段落 から 第八段落 (略) ‘‘‘Abrahmacariyaṃ pahāya brahmacārī samaṇo gotamo ārācārī [anācārī (ka.)] virato [paṭivirato (katthaci)] methunā gāmadhammā’ti – iti vā hi, bhikkhave, puthujjano tathāgatassa vaṇṇa…

パーリ経典解説(梵網経1) - 第七段落

(前回 パーリ経典解説(梵網経1) - 第四~六段落 から続きます) 第七段落 ‘‘Appamattakaṃ kho panetaṃ, bhikkhave, oramattakaṃ sīlamattakaṃ, yena puthujjano tathāgatassa vaṇṇaṃ vadamāno vadeyya. Katamañca taṃ, bhikkhave, appamattakaṃ oramattak…

パーリ経典解説(梵網経1) - 第四~六段落

前回は パーリ経典解説(梵網経1) - 第二・三段落 (筆者注: 第四段落では、お釈迦様がお坊さんたちのところにやって来て、「何を話していたんですか?」と聞きます。それでお坊さんたちが「これこれこういうことを……」と説明します。 第五と第六段落は、…

パーリ経典解説(梵網経1) - 第二・三段落

(前回 パーリ経典解説(梵網経1) - 第一段落 から続きます) 第二段落 (お経のパーリ語版はこちら。サイト上で左端の番号が段落番号です。http://www.tipitaka.org/romn/cscd/s0101m.mul0.xml ) お釈迦様一行は王の別荘で一晩泊まったんですね。 スッピ…

パーリ経典解説(梵網経1) - 第一段落

前回の「はじめに」に続き経典の第一段落からみていきます。 長部経典 第一 梵網経 Dīghanikāyo Sīlakkhandhavaggapāḷi 1. Brahmajālasuttaṃ Paribbājakakathā (パーリ語はhttp://www.tipitaka.org/romn/cscd/s0101m.mul0.xml より) Evaṃ me sutaṃ – ekaṃ …

パーリ経典解説(梵網経1) - はじめに

<スマナサーラ長老による経典解説 http://www.ustream.tv/recorded/84866551 (期間限定公開動画) 冒頭部分より聞いて書きました> これは長部経典という長い経典の第一(一番目)ですね。 経典の特色がありまして、どんなテキストでも一番最初の経典はも…

マハーシ・サヤドー、アチャン・チャー、ゴエンカ師

(前回 テーラワーダでは覚りの認可制度がありますか? から続きます) それからゴエンカさんのことなんですけど、 ミャンマーのあるお坊さんから冥想を勉強して、その方法を教えている方なんですね。 それはその人のやり方で、できるだけ社会的な立場で頑張…