ブッダ ラボ - Buddha Laboratory

Namo tassa bhagavato arahato sammāsambuddhassa 仏道実験室の作業工程と理論、実験結果

2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「智慧の力」スマナサーラ長老講演 2016.09.11

2016年9月11日に、スマナサーラ長老の講演会「智慧の力」が行われました。 そのときの講演内容をツイートしました。 智慧の力 pic.twitter.com/F3XjdxnAVJ — チエリ (@thierrybuddhist) 2016年9月11日 昔から人類に恐れがあった。生きていきたい、死にたくな…

自由への道順 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(13)最終回

<前回 こころの病み② - 束縛の多い世の中で自由に生きる(12)> 自由への道順 節度を守って生きて、真理を発見することに挑戦する。 それだけです。 世界と対立しないで調和を保つ。 他の生命の尊厳を壊さないこと。 すべての生命に慈悲喜捨の気持ちを実…

こころの病み② - 束縛の多い世の中で自由に生きる(12)

<前回 こころの病み① - 束縛の多い世の中で自由に生きる(11)> 「こころの病み②(執着)」 最後に入ります。 執着があるから一切の束縛は成り立ちます。執着があったら、束縛が成り立つんです。 執着とは? 生きていきたい(存在欲)気持ちがあるから、…

こころの病み① - 束縛の多い世の中で自由に生きる(11)

<前回 栄養のとり方 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(10)> 「こころの病み①」 こころは感情に支配されている。人は感情の奴隷として生きている。 仏教が考える自由はこちらにあるんです。社会の一員として自由に生きるという、あまり余計なことは言…

栄養のとり方 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(10)

(前回 身体の制限 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(9)) 「栄養補給」 物質的栄養と、精神的栄養の二つがあります。 だから命っていうのは、栄養を補給することで成り立つ一時的な現象です。 ちょっとした現象です。すぐ壊れます。この現象をたもつた…

身体の制限 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(9)

(前回 社会と縁を切ったらどうなる? - 束縛の多い世の中で自由に生きる(8) ) 「身体の制限」 肉体を持つ限り自由はなし。理解して上手に付き合うことです。 呼吸する、栄養を採る、たくさんやらなくてはいけないことがあるんですよ。 自由、自由、と謳…

社会と縁を切ったらどうなる? - 束縛の多い世の中で自由に生きる(8)

(前回 文化の束縛 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(7) ) 社会・世界との関係を切ったらどうなるのか? 面倒くさいですね。条件、束縛……あるわ、あるわ。じゃあ、それを捨てましょうか? それは不可能です。 切ったつもりになっても、自由はありません…

文化の束縛 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(7)

(前回 社会の束縛 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(6)) 「文化・習慣」 文化ってすごいんですよ。時代を生き残っているんですね。 わたしたちよりは文化のほうが強いんです。わたしたちが死んじゃっても文化は残っちゃう、という。 習慣などは、その民…

社会の束縛 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(6)

前回 国と国民、それぞれの責任 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(5) はい、四番目、「家族などの社会束縛」。 人には家族がいるので、自分勝手に生きることはできません。家族は誰にだっていますよ。わたしは出家したから家族はいないでしょう、という…

国と国民、それぞれの責任 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(5)

前回 SNSの書き方 - 束縛の多い世界で自由に生きる(4) はい、三番目に行きます。 「国・文化・習慣など」 国の法律は守らなくてはいけない。犯す人は自由がなくなります。 だから、自分が自由に行きたければ、法律を守ることでしょう? 法律を守らなくち…

SNSの書き方 - 束縛の多い世の中で自由に生きる(4)

前回 地球とは - 束縛の世の中で自由に生きる(3) はい、二番目に行きましょう。 「世界の決まり」。 グローバル化になっていく現代社会で、注意しなくてはならないことですね。 仏教の場合、遠い昔からも、グローバルじゃなくて宇宙のレベルで真理を語っ…

地球とは - 束縛の世の中で自由に生きる(3)

前回 親子が仲良くすること - 束縛の多い世の中で自由に生きる(2) 環境に逆らって、環境を壊して自由には生きられません。 人間っていうのは環境を破壊する。無知でわがままな人間は地球環境を破壊するから、生命は存続の危機に陥っている。 これってどう…

親子が仲良くすること - 束縛の多い世の中で自由に生きる(2)

前回 束縛の多い世の中で自由に生きる(1) 「束縛の多い世の中で自由に生きる」、このテーマにしたっても、わたしが決めたテーマでしょうかね? そうではないんです。結構前からみんなにね、提案をたくさん出してもらって、「わたしが考えたテーマになって…

束縛の多い世の中で自由に生きる(1)

束縛の多い世の中で自由に生きる ~本当の自由とは~ スマナサーラ長老法話 2016.07.17 (https://www.youtube.com/watch?v=Q_r3KpWK_JY&feature=youtu.be(限定公開動画)を聞いて書きました) 関西の皆様方は、かなり、何か月も前からいろいろと動いて、た…

初期仏教 月例講演会「承認欲求のトリセツ」2016.09.10(2)覚え書き篇

前回 初期仏教 月例講演会「承認欲求のトリセツ」 (1)谷中散策篇 スマナサーラ長老は、この夏の一か月間、スリランカのご自身のお寺で過ごされたそうです。 そこで長老が日本で話した説法を、現地のことばに換えて説法したそうですが、「全く認めてもらえ…

初期仏教 月例講演会「承認欲求のトリセツ」 (1)谷中散策篇

先週の土曜日、東京・日暮里サニーホールでスマナサーラ長老の講演会、 『初期仏教 月例講演会「承認欲求のトリセツ」~ひとは誰に認めてもらうべきなのか?~』がありました。 講演内容の実況ツイートはこちらと、 梛(@jtba_talk)/2016年09月10日 - Twilog …

冥想を二週間頑張りました。次はどうすれば?

質問 「歩く冥想を60分程度、立つ冥想を10分程度、座るのは20分程度なんですけど、それを一セットとして、二週間頑張りました。 次に、わたしはどんなことを目指して頑張ればいいでしょうか?」 回答(スマナサーラ長老) 命のカラクリを発見すること…

管理職をどう務めればいいですか?

質問 「管理職になって一年になりますが、仕事がうまく回せずに悩んでいます」 回答(スマナサーラ長老) 人間っていうのは、昇格しなければあかんでしょう。 そうでなければつまらないでしょう。だからある程度で能力が上がったら、次のステップに行く。次…

涅槃を「光」と表現するのはなぜですか?

質問 「お釈迦様は涅槃を、否定形を使って説明されました。 それでも経典の中では、涅槃の説明がほとんどありません。 肯定で説明されるということはあるのでしょうか? A vijjāも、無・明ですが、明というのは光で、結局、物質ではないのかなと。涅槃はそう…

冥想中にラップ現象?

質問 「冥想の最中に、木を折るような音がしました。自分ではいわゆるラップ現象ではないかと思いましたが……?」 回答(スマナサーラ長老) こころがすごく何かの仕事に頑張っていて、元に戻ると、最初に五感をスイッチオンにしちゃうんですよ。スイッチオン…

慈悲の冥想を特定の人だけに向けてはダメ?

質問 「慈悲の冥想のやり方なんですけど、特定の人ばかりに向けてしまうとよくないのでしょうか?」 回答(スマナサーラ長老) 慈悲の冥想は、最終的には生きとし生けるものに行かなくてはいけないんですよ。 慈悲の冥想とは、「生きとし生けるものが幸せに…

人生の宿題と善悪

質問 「人生の宿題が出てくるなかで、善悪というのはどのように考えたらよいのでしょうか?」 回答(スマナサーラ長老) 人間の感情のままで生きる場合は、ちょっとやばいんですよ。 感情というのは貪瞋痴(とんじんち)というんですね。生きていきたいとい…

現代マインドフルネスとヴィパッサナーの違い。

質問 「マインドフルネス冥想に関して、長老はどのような見方をしていますでしょうか?」 回答(スマナサーラ長老) われわれは、二千五百年前からやっていることですからね。今さら誰かが興味を持ったからと言ってね。 俗世間から出てくるものですから、俗…

実体がないなら、何が輪廻するのか?

質問 「中村元先生の著作に、『ナーガールジュナが言っている空(くう)とお釈迦様が仰っている縁起というものは、どちらも実体がなくて関係によって成り立つものだという点では同じですよ』というふうに書かれていました。 もしそうだとすると、わたしは行…

法事とは?

質問 「『無常の見方』という本に、法事について書いてあるのを読みました。 小さな子供が早くに死んでしまうことになっていて、お釈迦様が法事という善行を積ませて、悪いカルマを解消させた、という話でした。 法事を行うことで、そうしたカルマを解消する…

両親との向き合い方に悩んでいます

質問 「両親との向き合い方に悩んでいます。 両親から宿題をもらっている、と最近思うようになったんですけれど、いざ、この宿題をやろうと思った時に、不安や恐怖が浮かんでしまって、頭で思っていても、実践がなかなかできない、ということがあるのですが…

冥想中に声が聞こえる

質問 「この間、座る冥想をしていたのですが、頭の中で、ものすごいスピードで隙間なくしゃべっている声があるなと気づきました。 それは、普段は気づかない自分の妄想の声なのでしょうか?」 回答(スマナサーラ長老) そうです。 それをコントロールしてく…

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このブログにコメント欄を開設しました。 (※記事のいちばん右下です。吹き出しマークのところです) 法友同士、仏道の理解を深める場になれば幸いです。 どうぞお幸せでありますように

最高の修行は忍耐・忍辱(にんにく)- 親の介護が辛くてしようがない(7・最終回)

前回 菩薩も親を介護した - 親の介護が辛くてしようがない(6) ブッダの言葉では、Khantī paramaṃ tapo titikkhā,(カンティー パラマン タポー ティティッカー)という言葉がありますね。 それはすべてのブッダたちの言葉であると言われている、真理その…

菩薩も親を介護した - 親の介護が辛くてしようがない(6)

前回 介護される辛さ - 親の介護が辛くてしようがない(5) 両親の面倒をみることが、すごく善行為なんです。 仏教の物語の中では、親の面倒をみるために自分の人生がすべてなくなっても、構いません、というところまで語られてはいるんです。ジャータカ物…